フランス語で可愛らしいものを見つけたときに「あ、これかわいい!」と言いたくなったことはないだろうか?また、人の容姿に対する誉め言葉として「かわいい」や「きれい」とどのように表現すればよいのか迷ったことがないだろうか?
今回の記事ではそのような疑問に答えていく。
本記事の内容
・フランス語で「かわいい」という意味の表現とその使い方
・フランス語で人の容姿を褒めるときに使える「きれい」や「美しい」の言葉
この記事を書いているぺぎぃは、フランスで生まれ育った日仏ハーフである。フランス語はもちろんのこと、それぞれの言葉が持っている微妙なニュアンスも体で把握している。
そこで、今回の記事では、フランス語で「かわいい」や「きれい」を意味する単語をいくつか紹介しよう。これらの単語を用いればフランス語で人と会話をしているときに、難なく「かわいい!」と発言することができるようになるし、きれいな人への誉め言葉として用いることができるようになる。
フランス語で「かわいい」という意味の表現とその使い方
では、まずは一般的に「かわいい」という意味を示すフランス語の単語や表現を見てみよう。
1-1. 一番シンプルな言葉:「Mignon(ne)」
一番シンプルに「かわいい」と言いたいときには「Mignon(男性形)」または「Mignonne(女性形)」と言えばよい。
綴りが難しいから読み方も難しいと思われがちだが、実はとても簡単で、男性形では「ミニョン(Mignon)」、女性形では「ミニョンヌ(Mignonne)」と発音する。
(人に対して)
– Qu’est-ce qu’elle est mignonne!(彼女はなんてかわいいのかしら!)
– Oui, tu as raison. Elle est vraiment mignonne!(そうだね。彼女は本当にかわいいよ!)
(物に対して)
– Elle est mignonne cette petite voiture? Qu’est-ce que c’est comme marque?(この小さな車はかわいいわね。メーカーはどこなの?)
– C’est une Twingo de Renault.(これはルノーのトゥインゴという車種だよ。)
「Mignon(ne)」はフランス語でごく一般的に用いられる「かわいい」の表現。これさえ覚えておけば、問題なく「かわいい」とフランス語で言うことができるだろう。
誉め言葉として「Vous êtes mignonne(あなたはかわいいです)」を用いるときには若干の注意が必要である。
本当に微妙なニュアンスの話なので、うまくは説明できないが「Mignon(ne)(かわいい)」という単語は、子供やかわいらしいものに対して用いることが多いため、大人の女性や男性を褒める言葉として用いるには、後ほど紹介する「Joli(e)(きれい)」より若干上から目線な言い方になってしまう。
また、相手のことを性的にも魅力的に感じる場合も、フランス語では「Joli(e)(きれい)」ではなく「Mignon(ne)かわいい」を使う傾向があるため、相手によっては些か下品に捉えてしまう場合もある。
つまり、相手(特に女性)の人を褒めてあげたいときには、「Vous êtes jolie(あなたはきれい)」や「Vous êtes belle(あなたは美しい)」と言うほうが良い。これらの表現については2章目で詳しく説明する。
1-2. 「Mignon(ne)」の略称:「Mimi」
もう一つ、先ほどの「Mignon(ne)(ミニョン/ミニョンヌ)」の略称として「Mimi(ミミ)」も存在する。
しかし略称とは言え、「Mimi(ミミ)」は少し赤ちゃん言葉のような感じで「Mignon(ne)(ミニョン/ミニョンヌ)」を伝えているので、ニュアンスとしては「かわいい」よりもう一段階上の「超かわいい」に等しい意味合いを持つ単語である。
通常は、赤子や子猫、子犬に用いられることが多いので、非常にかわいい小物や人物/動物を見つけた場合に使ってみるとよいだろう。
– Regarde Peggy! Ma chatte a donné naissance à plusieurs petits chatons!(見てよぺぎぃ!僕の猫がたくさんの子猫を生んだんだ!)
– Oooh! Ils sont trop mimis!(おおぉ!超かわいい!)
1-3. 「かわいらしい」という意味の言葉:「Charmant(e)」と「Coquet(te)」
次に、「かわいらしい」という意味で使える単語の「Charmant(e)」と「Coquet(te)」について紹介しよう。
・チャーミングという誉め言葉:「Charmant(e)」
読み方は男性形で「シャーマン(Charmant)」と女性形で「シャーマント(Charmante)」で、英語の「Charming(チャーミング)」と語源は同じである。
意味は、先ほどの「Mignon(ne)(ミニョン/ミニョンヌ)」とかなり似ているが、日本語で言うと「かわいい」というよりは「かわいらしい」に近い表現である。主に人物や物に用いることが多く、動物に使うことはあまりない。
– Mais qui est cette charmante petite dame?(あのかわいらしいお嬢さんはどなたですか?)
– C’est Pegiko, l’amie de Peggy!(ぺぎぃの友達のぺぎこですよ。)
・少しネガティブなニュアンスも:「Coquet(te)」
もう一つ、「かわいらしい」という意味で、これもまた人物や物に使うことができる言葉として「Coquet(te)」が挙げられる。
これは、単に「かわいらしい」という意味だけではなく、日本語で言う「おしゃれ」に該当する言い回しでもある。発音方法は男性形で「コケ(Coquet)」、女性形で「コケット(Coquette)」となる。鶏のような発音だと思わないように...
この言葉に含まれるニュアンスとしては、必ずしも良い意味だけではなく、人や人物に使われる場合は多少「チャラい」とか「見栄っ張り」というネガティブな意味合いも含まれる場合があるので、多少注意が必要。
これは例えば、直接相手に「Tu es bien coquette(かわいらしいね!)」と言う場合には問題ないが、第3者に対して「Elle est un peu coquette(彼女はかわいい衣装を着るのが好きだね。)」という場合には特に当てはまる。
逆に物に使われる場合は、「よく手入れされてる」とか、「魅力的」というポジティブな意味で用いられることが多い。(以下に例を示す)
– Comment trouves-tu mon nouvel appartement?(私の新しいアパートはどうですか?)
– Je le trouve pas mal, plutôt coquet, avec tous les bibelots disposés élégamment sur les étagères.(悪くないね、かわいらしいよ。棚に小物がきれいに並べられているところとかも良いね!)
ちなみに、人物や物に用いることができるといったが、動物に用いられているところは聞いたことがない。
すごく着飾ったワンちゃんなどには言えなくもないかもしれないが、動物には基本的に「Mignon(ne)(ミニョン/ミニョンヌ)」を用いるとよいだろう。
1-4. 「愛らしい」という意味の言葉:「Adorable」
更に、もう一つ、フランス語で「かわいい」を表現することができる言葉に「Adorable」というものも存在する。発音は「アドラーブル」で、男性形・女性形ともに同じ形である。
この「Adorable(アドラーブル)」という単語は、「愛らしい」や「愛くるしい」など、思わず「ふふっ」と微笑みをもたらせられる可愛さを表現する場合に用いるものである。
一般的には「Mimi(超かわいい)」の時と同じように子犬や子猫、幼い子供などに使われることが多く、物にはほとんど使われることがない。
– Tiens, Mamy! Je t’ai fait un dessin pour la fête des grand-mère!(はい、おばあちゃん!祖母の日のお祝いに、絵を描いてあげたよ!)
– Mais qu’est-ce qu’il est adorable! Merci beaucoup mon chéri!(まぁ、なんて愛くるしい子なの!本当にありがとうね、Mon chéri!)
1-5. 「Mon ○○」/「Ma ○○」の表現
ちょうど上の例で、「Mon chéri」という言葉が出てきたが、この「Mon ○○」や「Ma ○○」というフレーズも、可愛さを表現する方法としてフランス語で多く用いられるものである。
ここでは、それらのフレーズの例をいくつか紹介してみよう。
・ 「Mon chéri/Ma chérie」
まずは、一番有名なフレーズ「Mon chéri/Ma chérie」について。発音は男性形で「モン・シェリー(Mon chéri)」、女性形で「マ・シェリー(Ma chérie)」。「愛しの人」という意味である。
基本的には、恋人同士や家族内で大人から子供に用いられるフレーズである。子供から大人から用いられることはなくもないが、「Mon papa chéri(愛するお父さん)」や「Ma maman chérie(愛するお母さん)」などと、papa や maman を間に挟む。
フランス人と付き合う方は覚えておいて間違いない表現である。
・ 「Mon chou」
直訳すると妙な感じがするが、「私のキャベツ」という意味のフレーズである。これも、かわいい人(特に子供)相手に用いられる代表的な言葉である。発音は「モン・シュー」。男性形でしか存在しないので、基本的に男の子に用いられるが、女の子に対して使ってもおそらく問題ない。
「Mon chouchou」と言うこともできるが、これは「お気に入り」という意味合いも含まれている。例えば、ぺぎぃが小学校だったころには、誰が先生の「chouchou(=お気に入り)」なのか、クラスメートとよく話題に立ったものである。
語源は定かではないが、畑に生えているキャベツの葉が赤ちゃんの頭にそっくりでかわいらしいから「Mon chou(私のキャベツ)」という言い方が生まれたのではないかと想像できる。
・ 「Ma puce」
これもまた、聞いたことがない人には奇妙な表現である。フランス語で「Puce」とは「ノミ」(髪の毛などにいる虫)のことなので、これは直訳してしまうと「私のノミ」ということになってしまう。発音は「マ・ピュース」。
しかし、これは想像とは真逆に、「愛しの人」や「愛くるしい人」として用いられる表現であり、フランスでは非常に頻繁に聞くことができる。
こちらも語源は定かではないが、昔は人の髪の毛にノミがいることが盛んであったため、常に自分に一番近い存在として「Ma puce(私のノミ)」という言い方が広まったのではないかと、ぺぎぃはまたもや勝手に想像する。
ちなみに、「Ma puce」という表現は、「Mon chou」とは対照的に女性形しか存在しないので、基本的には女の子に用いられることが多い。おそらく、男の子に対して用いても然程大きな問題はないが、男の子には「Mon chou(モン・シュー)」、女の子には「Ma puce(マ・ピュース)」と使い分けるとベスト!
・ 「Mon trésor」
これは、もう少しわかりやすい表現。「Mon trésor(私の宝物)」という言い回しである。男女に大してともに用いることができる。発音は、「モン・トレゾー」。
この表現は子供だけでなく、カップル間でも相手に対して「Mon chéri/Ma chérie」の代わりに用いることができる。
フランスの街中などで「Trésor?」と相手に呼びかける男性や女性を見かけることも珍しくはない。それほど一般的な表現である。
・ 「Mon/Ma」+「動物の名称」
最後にもう一つ、「Mon/Ma ○○」と、「○○」の部分に動物の名称を入れて可愛さを表現することもできる。
(例)
・Mon lapin(私のウサちゃん)
⇒ 発音:「モン・ラパン」
・Mon chaton(私の子猫ちゃん)
⇒ 発音:「モン・シャトン」
・Ma biche(私の小鹿ちゃん)(女性限定)
⇒ 発音:「マ・ビッシュ」
ちなみに、「Ma biquette(私の子山羊ちゃん)」というフレーズを紹介している人をネット上では見かけたが、個人的にはあまり印象がよくないため、おすすめしない。
また、動物では何でも良いというわけではなく、「Mon chien(私の犬)」や、「Mon cheval(私の馬)」などとは言わない。覚えるとすれば、先ほど挙げた例の「ウサギ」、「猫/子猫」、「小鹿」をおすすめする。
他にも「Mon cochon(私の豚)」という言い方は存在するが、「かわいい」という意味合いの他にも「スケベ」や「汚い(食べ方など)」も含まれていたり、「Mon poisson rouge(私の金魚)」だと、「忘れっぽい」という意味で使われることが多いので、使うシーンには注意が必要。
1-6. 「Mon petit/Ma petite ○○」や「Mon gros ○○」の表現
先程の、「Mon ○○」や「Ma ○○」の表現の応用で、更に相手のかわいらしさを目立たせたい場合には「Mon petit ○○」や「Ma petite ○○」と「小さな」と付け加えたり、「Mon gros ○○」を付け加えることができる。
これらの形容詞を付け加えることで、フランス語ではより一層愛らしさのニュアンスが増すのである。
(例)
・Mon petit chéri(私の小さな愛しの人)
⇒ 発音:モン・プティ・シェリー
Ma petite puce(私の小さなノミ=かわいい人)
⇒ 発音:マ・プティット・ピュース
Mon petit ange d’amour(私の小さな愛の天使)
⇒ 発音:モン・プティ・タンジュ・ダムール
Mon petit cœur(私の小さなハート)
⇒ 発音:モン・プティ・キュー
Mon gros bébé(私の大きな赤ちゃん)
⇒ 発音:モン・グロ・ベベ
Mon gros chou(私の大きなキャベツ=愛らしい人)
⇒ 発音:モン・グロ・シュー
男性に対して「Mon gros ○○(私の大きな○○)」と言うのは、愛おしさを強調する方法としては良いが、女性に対して「Ma grosse ○○(私の大きな○○)」と言ってしまうと、「え?デブってこと?」と反感を買ってしまうリスクが高い。
なので、女性に対しては「Ma petite ○○(私の小さな)」に限定するべきである。
スポンサーリンク
フランス語で人の容姿を褒めるときに使える「きれい」や「美しい」の言葉
では、続いてフランス語で主に人の容姿を褒めるときに用いることができる「きれい」や「美しい」という表現とその意味のを紹介していこう。
フランス語でも、日本語と同じように「かわいい」と「きれい」の間には若干のニュアンスの違いがあるものである。
2-1. 「かわいい」は誉め言葉として使えないのか?
結論から言えば、先ほど紹介した「Mignon(ne)(かわいい)」と「Charmant(e)(かわいらしい)」は人に対する誉め言葉として十分に使える。
しかし、先ほどの注意書きで説明したように、「Mignon(ne)(かわいい)」という単語は、子供やかわいらしいものに対して用いることが多いため、大人の女性や男性を褒める言葉として用いるに若干上から目線な物言いになってしまう場合があり、注意が必要である。
また、大人の女性や男性に対してダイレクトに「Tu es mignon(ne)(かわいいね)」や「Vous êtes mignon(ne)」と言う場合には、「好みのタイプだ」と性的にも魅力的に感じることを伝えるフレーズになってしまうため、物や服装に対して誉める場合はともかく、ダイレクトに相手に伝える方法としては微妙に感じられる。
Elle est très mignonne cette fille, elle s’appelle comment?(あの子はとても可愛いね、名前はなんていうの?)
⇒ 直接相手に言っているわけではないので、セーフ。対象の女性が「かわいい」と表現しているだけ。
Qu’est-ce que tu es mignonne ma fille!(なんてかわいいんだ、君という子は!)
⇒ 子供に対して言っているので、上から目線でも何でもなく、全く問題ない使い方。
Vous êtes très mignonne Mademoiselle.(とても可愛いですね、お嬢さん。)
⇒ 文法的にも意味的にも問題がないため、説明が難しいが、これは聞きようによっては「とてもセクシーですねお嬢さん」とナンパの謳い文句のような響きがある。相手を口説く目的ならOKだが、それ以外だと誉め言葉としては少しだけ残念。
そこで、これから「かわいい」の他にも「きれい」や「美しい」といった表現で相手を褒める方法について紹介していこう。勿論、これらの言葉は人だけでなく、物(家や車、家具など)にも使うことができる。
2-2. 「きれい」という意味の言葉:「Joli(e)」
・ 「Joli(e)(きれい)」の使い方
一番フランス語で「きれい」と表現するときに一般的な言葉は「Joli(e)」である。発音は男性形/女性形ともに「ジョリ(Joli/Jolie)」、女性形には最後に無音の「e」を付けるのみである。言っておくが、髭剃りの音ではない。
(人に対して)
– Qui est cette dame très jolie?(あのきれいな女性は誰ですか?)
– C’est ma tante. Elle est venue du Japon.(私の叔母です。日本から来ました。)
(物に対して)
– As-tu vu ce joli paysage?(このきれいな景色を見たかい?)
– Oui, c’est vraiment magnifique!(うん、まさに絶景だね!)
この言葉も記事の1章目で紹介した「Mignon(ne)(かわいい)」と同じように人や物に使うことができるため、覚えておいて非常に役に立つ言葉である。ただし、動物にはあまり使うことはない。
・ 「Mignon(ne)(かわいい)」との違い
既に今回の記事では何度も説明してしまっているが、フランス語で人(特に女性)に対して用いる誉め言葉としては、個人的に「Tu es jolie(きれいだね)」の方が若干「Tu es mignonne(かわいいね)」より適切だと考えている。
理由としては、「Tu es jolie(きれいだね)」は大人の女性として相手がきれいであると尊重しているのに対し、「Tu es mignonne(かわいいね)」は本の僅かだが大人から子供に言っているように上から目線な雰囲気が感じ取れるからである。
日本語でも若干ニュアンスが伝わるだろうか?「きれいな人だね!」と「かわいい͡子だね!」の違いと同じような感覚である。
2-3. 「美しい/素敵」という意味の言葉:「Beau/Belle」
続いて、「美しい」や「素敵」という意味の単語「Beau/Belle」について紹介しよう。これは書き方が難しいが、男性形は「Beau」と書いて「ボー」と発音する。また、女性形は「Belle」と書いて「ベール」と発音する。また、母音の名詞の前に男性形の「Beau」を用いるときには「Bel」と書き換えられ、こちらも「ベル」と発音する。
先程の「Joli(e)(きれい)」と殆ど同じ意味であるが、個人的には「Joli(e)(きれい)」が落ち着いて繊細なイメージなのにたいして、「Beau/Belle(美しい)」の方はより豪華なイメージである。
例えて言うならば、
・小さな小屋の場合:
⇒ Une maisonnette mignonne(かわいい小屋)
・庭付きの一戸建ての場合は:
⇒ Une jolie maison(きれいなお家)
・教会や大聖堂の場合は:
⇒ Une belle cathédrale(素敵な大聖堂)
のようなイメージだろうか?
この表現も人や物に対して使える。また、動物に対しても使うことができるが、これは「Un animal mignon=かわいい動物(子猫、ハムスター等)」に対し、「Un bel animal/Un animal beau=豪華な動物(馬、ライオン等)」として意味を成す。
(人に対して)
– Tiens, Peggy, je te présente ma fiancée. C’est la fille là-bas!(あそうだ、ぺぎぃ!僕の婚約者を紹介するよ。あそこにいる彼女がそうだ。)
– C’est ta fiancée là-bas? Elle est vraiment très belle!(あの人が君の婚約者かい?本当に美しい人だね!)
(物に対して)
– Pegiko! Tu me montres ta photo de mariage?(ねぇ、ぺぎこ!結婚式の写真を見せてよ!)
Ouah! Ta robe est vraiment très belle!(うわぁ!本当に素敵なドレスだね!)
2-4. 「美しい」と表現する言葉:その他
フランス語には、「Beau/Belle」以外にも「美しい」と表現する方法がたくさんある。
ここでは、その中でも人の容姿を褒めるときに使えそうな言葉をピックアップして簡単に紹介していこう。
・ 誉め言葉として最適:「Ravissant(e)」
まずは、「Beau/Belle」に近い意味を持つ単語「Ravissant(e)」。カタカナ表記が非常に難しいが、発音は男性形で「ラヴィソン(Ravissant)」、女性形では「ラヴィサント(Ravissante)」に近い。
意味としては、「美しい」や「素敵」という意味で、語源はフランス語の「être ravi(喜ぶ)」から来ていると思われる。つまり、「あまりにもあなたが素敵で、思わずこちらが喜んでしまう」みたいな意味だろうか?
Vous êtes vraiment très ravissante aujourd’hui!(今日のあなたは本当に素敵です!)
この言葉は主に人(特に女性)に対して用いられることが多く、あまり物に対しては用いない。「Vous êtes belle(あなたは美しい)」以外のフレーズを探している方にはピッタリの表現である。
・ 皆が魅了される:「Séduisant(e)」
次に紹介する言葉は「Séduisant(e)」。男性形では「セデュイゾン(Séduisant)」、女性形では「セデュイザント(Séduisante)」と発音する。
意味は「魅力的」というもので、フランス語の動詞「Séduire(魅了する)」から来ている。つまり、「Vous êtes séduisant(e)」と言うと、「皆が魅了されるほど、あなたは美しい」と言う意味になる。
この言葉もまた、人に用いることは多く、あまり物に対して用いることはないが、例外として「Une offre séduisante(魅力的な提案)」というものがある。
Pour proposer une offre séduisante à votre clientèle, il faut tout d’abord penser à leur budget.(お客様に対して魅力的な提案をするためには、まずは彼らの予算について考える必要がある。)
・ 最高の美しさ:「Superbe/Magnifique/Sublime」
兎にも角にも「あなたの容姿は素晴らしい」と言いたいときには、次の表現を用いることができる:「Superbe(スペーブ)」、「Magnifique(マニフィック)」、「Sublime(スブリーム)」。
これらは全て、「素晴らしい」という意味で、人にも物にも動物にも使うことができるため、極めて万能な言葉である。英語の場合は「Gorgeous(ゴージャス)」に近いだろうか?
また、「Sublime(スブリーム)」には「崇高」という意味合いも含まれているため、女性に対する誉め言葉としては最上級である。
Vous êtes sublime Mademoiselle!(お嬢さん、あなたは最高に美しいです。)
・ 優雅な美しさ:「Gracieux(se)/Élégant(e)」
容姿だけではなく、人との接し方や言動が「上品」であったり、「優雅」であることを褒める言葉には「Gracieux(se)」や「Élégant(e)」が存在する。
発音は男性形が「グラシユ(Gracieux)」と「エレゴン(Élégant)」、女性形が「グラシユーズ(Gracieuse)」と「エレガント(Élégante)」となる。日本語でもたまに、「エレガントな仕草」とか聞いたことはないだろうか?あのエレガントである。
どちらかというと、これらの言葉は直接人に対して用いるものではなく、服装や顔つき、ジェスチャーなどに対して使うことが多い。また、「Gracieux(se)」のほうは「淑やか」という意味合いも込もっているので、誉め言葉として用いるのは結構おすすめである。
As-tu remarqué le costume de ce jeune homme? Il est très élégant.(あの青年のスーツを見たかい?非常に上品だよね。)
Quelle femme gracieuse!(なんてお淑やかな女性なのだろう!)
スポンサーリンク
まとめ:フランス語で「かわいい」や「きれい」と表現するフレーズ【一覧表】
Mignon(ne) | 一番シンプルな「かわいい」の言い方。人/物/動物に使うことができる万能な表現。 |
---|---|
Mimi | 「Mignon(ne)」の略称。「超かわいい」という意味。赤子や小動物に使われることが多い。 |
Charmant(e) | 「かわいらしい」という意味の表現。主に人や物に用いるが、動物に使うことはあまりない。 |
Coquet(te) | 「かわいらしい」という意味だけではなく、物に使う場合は日本語で言う「おしゃれ」に該当する言い回し。 人に使う場合は、「見栄っ張り」というニュアンスも若干含まれているため、誉め言葉としてはおすすめしない。 |
Adorable | 「愛らしい」や「愛くるしい」という、思わず「ふふっ」と微笑みをもたらせられる可愛さを表現する言葉。 子犬や子猫、幼い子供などに使われることが多く、物にはほとんど使われることがない。 |
Joli(e) | 一番シンプルな「きれい」の言い方。人/物/動物に使うことができる万能な表現であり、誉め言葉としては「Mignon(ne)」よりはこちらを使うほうがおすすめ。 |
Beau/Belle | 「美しい」や「素敵」という意味を持つ言葉。「Joli(e)」よりは豪華なイメージがある。誉め言葉としてもこちらの方が強力。 |
Ravissant(e) | 「Beau/Belle」と同じく、「美しい」や「素敵」という意味の言葉。特に女性によく用いる。誉め言葉としてはかなり上位。 |
Séduisant(e) | 「美しい」、「魅力的」という意味の言葉。「皆があなたの美しさに魅了されています」という意味合いを持つ。 |
Superbe/Magnifique | とにかく「素晴らしい」と言いたいときに用いる表現。「美しい」という意味にも使うことができる。英語に例えるなら「ゴージャス」に近い。人や物、動物にも使うことができるため、極めて万能な言葉である。 |
Sublime | 「美しい」、「素晴らしい」の他にも「崇高」という意味合いも含まれているため、女性に対する誉め言葉としては最上級の言葉。 |
Gracieux(se)/Élégant(e) | 容姿よりは、人との接し方や言動を褒める言葉。「上品」や「優雅」という意味。Gracieux(se)のほうは「淑やか」という意味も含んでいるため、誉め言葉としてかなりおすすめ。 |
https://onsenpeggy.com/expressions-francaises-avec-peggy/
スポンサーリンク