フランス語を勉強しているんだけど、電子辞書を購入しようか有料の辞書アプリに課金しようか迷っている。
このような方が多いのではないだろうか?
そこで、今回の記事では、ぺぎぃの経験や知人から聞いた話をもとに、電子辞書と有料の辞書アプリのどちらを購入した方がよいのか解説していこう。
- フランス語を勉強するには、電子辞書と有料の辞書アプリのどちらがよいのか?
まず、いきなり結論から言ってしまうと、どちらを購入すればよいのかは、各個人の状況と目的によって異なってくる。
より正確に言うなれば:
学校の単位や旅行など、短期的な理由でフランス語を勉強しているなら:
⇒ 辞書アプリがおすすめ
留学や仕事など、長期的な目標を掲げてフランス語を勉強しているなら:
⇒ 電子辞書がおすすめ
こういった感じである。
この記事では、それぞれの理由に対して、より詳しく深堀していこうと思う。
目次
電子辞書 VS 有料の辞書アプリ【どっちがおすすめ?】
価格が高いが色々な機能が充実している電子辞書と、スマートフォンに搭載して簡単に持ち運べる便利な辞書アプリ。
「どちらを購入すべきか?」というのは、語学を勉強している人の中では非常に頻繁に議論されている難しい問題である。
本記事では「どちらが優れているのか?」というよりも、「状況に応じてどちらがより適しているのか?」を中心に解説していきたいと思う。
1-1. 少ししか使わないなら:辞書アプリがおすすめ【初心者向け】
まずは辞書アプリの方から解説していこう。
タイトルでは『少ししか使わないなら』と書いたが、これは別に辞書アプリそのものが少ししか使えないという訳ではない。
上で書いたように、個人的に辞書アプリは短期的な理由でフランス語を勉強している人におすすめということである。
「短期的な理由でフランス語を勉強している人」の例:
- 学校で単位取得のためだけにフランス語を勉強している人
- 旅行でフランスへ行くためにフランス語を勉強している人
- 趣味でフランス語を独学している人
つまり、どんなに多くても1~2年以上先の未来では、まだフランス語を使っているかどうかわからないという場合には、電子辞書ではなく、有料の辞書アプリの方を購入することをおすすめする。
これからその理由について書いていこう。
電子辞書は値段が高い
まず、電子辞書の一番の難点は値段が高いということ。これはおそらくお店に見に行った誰もが感じたことだろう。
それなりの機能を揃えた、最新の電子辞書を購入しようと考えたら、通常3万~5万円くらいの価格である。これは、数年または数カ月しかフランス語を勉強しない方には非常に大きな支出である。
それに引きかえ、辞書アプリの方は有料であったとしても大体5千~7千円と、電子辞書と比べて比較的安い価格で購入することができる。
例えば、最新版のCASIOの電子辞書と一般的な日仏辞書アプリの値段を比較してみると以下のようになる:
(イメージ) | |||
名前 | 電子辞書 EX-WORD XD-SX7200 フランス語モデル | アプリ プチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版) & 和仏辞典(第3版) | |
価格 | 約5万円( 約3万円(アマゾン | 約5千円( | 約6千円( |
ご覧のように、電子辞書を購入するためには、アマゾンでも約3万円支払わなければいけないのに対し、辞書アプリの方は同じアマゾンでも6千円ほどで購入ができるのである。
つまり、あまり長期目線でフランス語を勉強するつもりでない方には、まずは有料辞書アプリ、または手始めに無料辞書アプリから入ってみることをおすすめする。
無料のアプリだと機能性が不十分かもしれないが、いきなり課金する必要がないため、いずれ完全版の有料辞書アプリを購入するか、やっぱり電子辞書を購入するかの良い判断材料になるかと思われる。
スマホで持ち運べるため便利
もう一つ、辞書アプリの大きなメリットは、何と言っても常にスマートフォンに入れて持ち運べるということ。
つまり、旅行でフランスへ出かけたりする際には、辞書アプリをダウンロードさえしておけば、携帯電話一つ持ち歩くだけで、いつでもどこでも辞書が引けるということになる。
例えば、外を歩いていて、ふとした拍子に何かの単語の意味が気になってしまい、「気になる!調べたい!」というときにも、スマートフォンを取り出すだけで片手で調べ物を済ませることができたりする。
まぁ、フランスの場合、特にパリのメトロとかでは、あまり不用心に携帯電話をカバンやポケットから取り出すのは避けたほうが良いのだが、電子辞書を持参していたとしてもリスクは同じなので、大きく変わることはない。
むしろ、電子辞書で調べ物に夢中になっているすきに、携帯電話をすられるということも十分に考えられるため、スマートフォンの辞書アプリともかく、余程のことがない限り電子辞書を街中で取り出すというのは避けたいものである。
必要な機能が十分揃っている
機能面でも有料の辞書アプリには履歴機能や音声再生機能、ジャンプ機能などが搭載されており、電子辞書並みに必要な機能が十分に揃っているというのが大きな利点である。
また、同じ端末なのでスマートフォンで見ていたページのわからない単語を直接調べたり、スクリーンショットやブックマークを保存しておくのにも最適。
学校での勉強や、ちょっとした旅行の際には非常に有力な助っ人となることは間違いないだろう。
まとめ
これまでの話をまとめると、有料の辞書アプリは:
- 価格が電子辞書の10分の1から5分の1
- スマートフォンさえ持っていれば、いつでも使うことができる
- 辞書としての機能の他にも、スクリーンショットやブックマークができる
以上の理由から、短期でフランス語の勉強をしている方には非常におすすめのツールである。
1-2. 2年以上使うなら:電子辞書がおすすめ【中級者以上】
続いて、電子辞書の購入について解説していこう。
記事の冒頭でも軽く書いたように、個人的には長期的な目標を掲げてフランス語を勉強している人には辞書アプリよりも電子辞書を購入することをおすすめする。
「長期的な目標を掲げてフランス語を勉強している人」の例:
- 学校の単位取得だけでなく、留学に向けてフランス語を勉強している人
- フランスで仕事を探している/仕事をしている人
- 配偶者の事情などにより、既にフランスで暮らしている人
つまり、簡単な目安として2年以上は確実にフランス語を勉強し続けるであろう方には、辞書アプリではなく、電子辞書の購入をおすすめする。
これからその理由について書いていく。
スマホと違って非常に長持ちする
電子辞書の大きなメリットの一つは、時間と共に廃れないということである。
まぁ、勿論何十年も使っていれば、そのうち新しい電子辞書の方が高機能になってきたりするものだが、少なくとも数年に1回買い替えたりするスマートフォンよりは確実に長持ちする。
例えば、ぺぎこが使用している電子辞書は、CASIOのEX-WORD SP-9500
理由としては、中身が所詮「辞書」なので、フランス語や日本語という言語そのものが大きく変わっていかない限りは、電子辞書の内容自体が変わってくることはないからである。
勿論、同じ理由が辞書アプリにも言えるだろう。しかし、問題はその媒体がスマートフォンであることだ。
例えば、仮に日本ではiPhoneユーザだった方が、フランスでAndroidユーザになろうとしても、辞書アプリの互換性の問題などが発生したりする。電子辞書には勿論そのような問題はない。
また、スマートフォンの更新なども結構利益が目的でやっているものが多かったりするので、次世代のスマートフォンでも同じ辞書アプリが全く問題なく使用できるかどうかの保証もなかったりする。
多くの辞書が収録されている
もう一つ、電子辞書の利点としては、収録されている辞書の数にある。
例えば、ぺぎこが現在使用している2008年版の電子辞書や、最新版の電子辞書の二つをとっても、辞書だけで以下のようなコンテンツが搭載されている:
XD-SX7200(最新版) | XD-SP9500(ぺぎこ版) | |
発売年 | 2020年 | 2008年 |
日本語コンテンツ | 辞典7冊分 | 辞典5冊分 |
英語コンテンツ | 辞典&書籍17冊分 | 辞典&書籍22冊分 |
フランス語コンテンツ | 辞典&書籍11冊分(和仏・仏和・仏仏・仏英・その他) (詳しくは | 辞書2冊分(和仏・仏和) (追加SDカードにて) |
中でも一番のメリットは、国語辞典・和仏辞典・仏和辞典・仏仏辞典などの全てが一か所にまとまっているため、状況に応じてどれを使うこともできるという点にある。勿論、和英辞典・英和辞典などが大活躍するときもある。
これを例えば有料の辞書アプリで全て揃えようとすると、結局は5千円だけでは足りずに、1万円以上は確実にしてしまう。これは、先ほど書いた数年後の互換性の問題を考えると、避けたい出費であることは間違いない。
一つだけ注意点として、フランス語の電子辞書の選び方には:
- 予め目当てのフランス語コンテンツが搭載されている電子辞書を買う方法
- 一般的な電子辞書に「追加SDカード」なるものを購入したり、「追加コンテンツ」をダウンロードしたりしてフランス語を使えるようにする方法
の二つの方法が存在する。
ぺぎこの場合は、既に持っていた英語メインの電子辞書に「フランス語用のSDカード」を搭載する方法を取ったが、もし皆様が初めて電子辞書を購入するようなら、個人的には①の方法をおすすめする。
何故なら、既にフランス語に特化した電子辞書の方が使い勝手がよかったり、コンテンツが充実していたりするほか、「SDカード」や「追加コンテンツ」の値段も辞書アプリ並みに馬鹿にならないからである。
スマホ不可の状況に対応できる
もう一つ、留学でフランスへ行く方や、フランス語関係の仕事を探している方に挙げられる電子辞書の大きなメリットとして、「スマートフォンを使用してはいけない状況でも、辞書を引くことができる」というものが挙げられる。
日本で生活している方にはあまり馴染みがないかもしれないが、このような状況は実はフランスでは結構頻繁にあったりする。例えば:
- 大学などでの授業中にスマートフォンを使用するのは禁止
- 試験の最中に辞書はOKだがスマートフォンの使用は禁止
- 会社での仕事中にスマートフォンの使用NG
こういった具合である。
フランスでは未だに紙の辞書が主流だったりするので、電子辞書や辞書アプリのようなハイテクなツールはあまり認知されていない。
そのため、「辞書」機能しかない電子辞書はまだしも、授業中にスマートフォンをいじるのは「遊んでいる」と勘違いされ、禁止する先生が多い。試験の際にも、「電子辞書はOKだがスマートフォンは不可」ということは稀にある。
会社での使用について
更に言えば、会社でのスマートフォンの使用にも注意が必要だ。
例えば、ぺぎぃの会社では、勤務中にスマートフォンをいじったり、音楽を聴いていたりすることは禁止されていないため、携帯電話を机の上に置き、割としょっちゅういじっている人を見かける。
しかし、彼らの多くはWhatsappやインスタグラムなどのSNSを見ていたり、Youtubeで動画を流しっぱなしにしていたりと、あまり集中して仕事をしているタイプの人間ではない。
スマートフォンをいじる理由が仮に「辞書アプリ」であったとしても、頻繁に携帯電話をいじっていたり、会議中にまでポチポチやっていては、周りから「仕事に集中できないやつ」というレッテルを貼られてしまうことは大いにある。そして、さすがのぺぎぃも会議中に携帯電話をいじっている人を見たことがない。
ぺぎこの知人にも、翻訳者としてフランスで働いている人がいるが、同じ理由で辞書アプリではなく、電子辞書を愛用しているという。
更にもう一つ言うと、会社や施設によっては、機密保持のため、一部カメラ付きの携帯電話を持って侵入禁止の建物があったりする。そのような場所に配属になった際にも、仕事用として電子辞書を所持していれば問題なく対応することができる。
集中して勉強ができる
会社でのスマートフォンの使用に紐づくことであるが、やはり携帯電話に搭載されている辞書アプリの場合は、SNSやメールなどの誘惑が多く、集中力の妨げになってしまう要素が多いことが弱点である。
このような点も踏まえ、フランスでの留学や就職を目標にガチンコでフランス語を勉強したい方には、辞書アプリを使用するよりも電子辞書を使用することをおすすめする。
出歩くには無料の辞書アプリでよい
最後に、「電子辞書は持ち運びが面倒くさいではないか!」という方のために、良い方法を伝授しよう。
それは、
「家や会社では電子辞書、出歩くときにはスマートフォンの無料辞書アプリを使用する」
ということである。
一見とても単純に聞こえるが、この方法を用いれば、辞書アプリと電子辞書の両方の欠点を補うことができるのである。つまり:
- 外で調べたい単語があったりするときにも辞書を持ち歩く必要がない(無料辞書アプリ)
- 互換性のないスマホに買い替える場合にも、いちいち課金する必要がない(無料辞書アプリ)
- 辞書としての十分な機能が揃っており、勉強や仕事に活用できる(電子辞書)
- 授業中や勤務中にも問題なく辞書が使える(電子辞書)
こういった具合である。
勿論、「無料」の辞書アプリでは、有料の辞書アプリや電子辞書に対して機能的に劣ることが多いが、所詮外をうろつくときにパッと調べたい程度のことであれば、無料の辞書アプリやネット検索だけでも十分に補うことができるという考え方である。
例えるなら、無料辞書アプリはコンビニで買える「透明の傘」、有料の辞書アプリは持ち運びが楽な「折り畳み傘」、電子辞書はビジネス用の「16本骨傘」のような感じである。
常にカバンに「折り畳み傘」を仕込んでいる場合には、わざわざ「16本骨傘」を持ち歩く必要はないが、風が強かったり、少しおしゃれをする必要があるビジネスシーンでは、大型の「16本骨傘」のほうが活躍できたりする。そして、ちょっと近所まで散歩に出かける際には、家に置いてある「コンビニの透明傘」だけでも間に合わせることができる。(当然、折り畳み傘を持っている人は必要ない)
まとめ
これまでの話をまとめると、電子辞書は:
- スマートフォンと比べて非常に長持ちする
- 多様な辞書機能が搭載されている
- スマホが禁止されている状況で使うことができる
- 集中力の妨げになる要素が少ない
- 出かける際には無料辞書アプリがあれば補える
以上の理由から、中期や長期でフランス語の勉強をしている方におすすめできるアイテムである。
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フランス語の勉強におすすめの電子辞書
最後に、フランス語の勉強におすすめの電子辞書として、今までぺぎこが12年間にわたって愛用してきた電子辞書を紹介しよう。
その名も、CASIOのEX-WORD SP-9500
2008年版なので、型は古いが、搭載されている辞書内容は未だに現役バリバリで活躍しているので、「電子辞書が欲しいけど、最新版はちょっと値段が高すぎるんだよな~」という方にはおすすめかもしれない。
ちなみに、注意点として、ぺぎこはもともと英語の勉強用に購入した電子辞書にフランス語のSDカードを取り付けただけなので、このモデルでなくとも「フランス語専用モデル」の中古品を購入した方が得かもしれない。なお、最近調べたものでは、このSP-9500はSDカード付きでメルカリで3000円ちょっとで売っていた。
より詳しい情報は以下の記事で紹介しているので、興味がある方はご覧ください:
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