フランス語で「Pourquoi?」と尋ねられた時、皆さんならおそらく「Parce que ○○」と回答することだろう。
しかし、実はフランス語には「Parce que」以外にも理由や説明に用いることができる接続詞が存在することをご存じだろうか?
今回の記事では、それらの接続詞の微妙な意味の違いや使い分け方について説明していこう。
- 接続詞「Parce que」の使い方
- 接続詞「Puisque」の使い方
- 接続詞「Car」の使い方
例えば、「Parce que」とよく似た接続詞に「Puisque」という言葉が存在する。
しかし、学校や職場など、フランスの日常生活の中では、「Puisque」は「Parce que」と同じ意味で用いることができる場合もあれば、そうでない場合もある。
そのため、この記事では「Parce que」と「Puisque」、そしておまけに「Car」の使い分け方についてまとめていくとしよう。
目次
「Parce que」 = 「何故なら~」「~から」
1-1. 接続詞「Parce que」の使い方
解説
接続詞の「Parce que」は「何故なら~」や「~から」と「Pourquoi?」の問いに対して理由を示す言葉である。
相手に対して未知の理由を述べるときに用いる。
まずは、フランス語の基本的な接続詞「Parce que」。
この言葉は、英語の「because」と同じように、「Pourquoi?(なぜ?)」と質問を投げられたときに、「Parce que(なぜなら)」と回答するのに用いる言葉である。
ここで一つポイントを挙げるとすれば、この「parce que」という言葉は、相手が知らない理由や質問の回答を述べるときに用いるということ。
「え?そりゃ、「Pourquoi?」って聞いているんだから当たり前じゃん!」と思う方もいるかもしれないが、まぁその通りである。
ただし、この「parce que」という言葉は、質問をされていなくても自ら説明や根拠を述べるときにも使えるため、「Pourquoi?」と相手が尋ねてこなかったとしても「○○だから」と用いることができる便利な言葉である。
例えばバスが交通事故にあったせいで、会社に遅れてしまったという状況を想像してほしい。
会社に遅れてしまった理由の「バスが交通事故にあったから」というのは、上司は元々知らない情報である。逆に知っていたら怖い…
その際には、
Je suis désolé pour mon retard. J’ai été retardé à cause d’un accident sur la route.
と言うこともできるし、
Je suis désolé pour mon retard. C’est parce que mon bus a eu un accident sur la route.
と言うこともできるのである。
ちなみに、上の例文で用いたように、「Parce que」は基本的に「C’est parce que」などの表現を用いて主節の後にもってくるものであり、「Parce que」で文を始めることはあまり美しくない。
(例)
Pourquoi Pegiko est absente aujourd’hui? (どうして今日ぺぎこちゃんは欠席なの?)
△Parce qu’elle est malade. (病気だからです。)
○ C’est parce qu’elle est malade. (それは病気だからです。)
1-2.接続詞「Parce que」を用いた例文
1. Je suis arrivé en retard au travail parce que le train n’était pas à l’heure. (電車が時間通りに来なかったから、会社に遅れました。)
2. Peggy est très content parce que c’est bientôt les grandes vacances. (ぺぎぃがとても喜んでいるのは、もうすぐ夏休みだからです。)
3. C’est parce que Pegiko est partie au Japon que Peggy est triste en ce moment. (ぺぎこちゃんが日本に行ってしまったから、最近ぺぎぃは寂しがっているんだよ。)
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「Puisque」 = 「~なのだから」「~である以上」
2-1. 接続詞「Puisque」の使い方
解説
接続詞の「Puisque」は、「Parce que」と異なり、「~なのだから」や「~である以上」と相手が既に知っているであろう理由や根拠を述べるときに用いる言葉である。
接続詞の「Puisque」も理由や根拠を示す言葉だが、先ほど紹介した「Parce que」と大きく異なる点は、その理由や根拠が「既に相手が知っていること」というところである。
例えば、先ほどのバスの交通事故のせいで会社に遅れてしまった例を再び用いると、会社のに事前に連絡でもしていない限り、上司が「バスの交通事故」のことを知っている可能性は限りなく低い。
そのため、
Je suis en retard parce que mon bus a eu un accident sur la route.
とは言えても、
Je suis en retard puisque mon bus a eu un accident sur la route.
とは言えない。
この二つ目の文が成り立つとしたら、既に上司に交通事故のことを説明しているのに、「何故遅れてきたんだ?」と詰め寄られたときに「交通事故にあったと何度も言っているじゃないですか!」の意味で「Puisque je vous dit que j’ai eu un accident」とするときである。
なお、口頭会話では、理由や根拠を述べる以外にも「~だったら」と感情を表現するときにも「Puisque」という言葉を用いることができる。
(例)
Puisque tu n’es pas content, tu n’as qu’à le faire tout seul! (不満なら、勝手に一人でやったら?)
2-2. 接続詞「Puisque」を用いた例文
1. Je ne pouvais arriver qu’en retard au travail puisque le train n’était pas à l’heure. (電車が時間通りに来ていなかった以上、会社には遅れるしかありませんでした。)
⇒ 既に相手が「電車が時間通りに来ていなかった」という事実を把握しているときにのみ成立する文。
2. Puisqu’il pleut dehors, Peggy est parti avec son parapluie. (外は雨なのですから、ぺぎぃは傘を持って行きました。)
⇒ 誰の目から見ても外が雨降りなのが明らかな状況で用いる文。
3. Mais puisque je te dis que ce n’est pas moi qui ai mangé le dernier biscuit! (だから最後のクッキーを食べたのは僕じゃないと言っているでしょ!)
⇒ 「なんども言っているでしょ!」のようなニュアンスが込められている。ここでは「parce que」を用いることができない。
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「Car」 = 「~ので」「~ため」
ついでなので、最後にフランス語の「Car」という接続詞についても説明しておこう。
この接続詞も殆ど「Parce que」と同じような意味を持つが、使い方が若干異なる。
3-1. 接続詞「Car」の使い方
解説
接続詞の「Car」も、「Parce que」とほとんど同じ意味を持つが、やや文語的で、口頭会話では使われない。
常に主節の後に用いられる。
…いかがだろうか?
まぁ、「Car」に関しては、特に深く考える必要はなく、「Parce que」と同じ意味の筆記向けの言葉として覚えておけばよい。
例えば、先ほどの「バスの交通事故せいで会社に遅れた例」を再び用いると、口頭会話では:
Je suis en retard parce que mon bus a eu un accident sur la route.
と言うことができるが、筆記では:
Je suis en retard car mon bus a eu un accident sur la route.
と言った方が個人的にスムーズに見える。
注意点として、「Pourquoi es-tu en retard à ton travail?」と聞かれた際には、
「C’est parce que mon bus a eu un accident.」
と答えることができるが、
「C’est car mon bus a eu un accident.」
と言うことはできない。
「C’est ○○」のフレーズと一緒に使えるのは接続詞の「Parce que」だけだと覚えておこう。
3-2. 接続詞「Car」を用いた例文
1. Je suis arrivé en retard au travail, car le train n’était pas à l’heure. (電車が時間通りに来なかったため、会社に遅れました。)
⇒ 「Parce que」の文と同じ意味だが、メールや手紙向け。「en effet」と入れ替えることも可能である。
2. Pegiko est triste car il ne lui reste plus aucun sachet de Kakinotané dans le placard. (もう戸棚に『柿の種』の袋が一つも残っていないため、ぺぎこは悲しんでいる。)
⇒ 「Parce que」の文と同じ意味。主節が短いため、読点「,」は入れなくともよい。
3. Peggy n’est pas venu car il pleuvait. (雨が降っていたため、ぺぎぃは来ませんでした。)
【動画で学ぼう】フランス語の「Parce que」と「Puisque」の違い
本記事の内容はぺぎぃのYoutubeチャンネルでも説明しているので、フランス語の発音を聞いて勉強してみたいという方は、以下のリンクから見ていただければ幸いである。
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