フランス語でよくある間違い

「Malgré que」という表現は文法的に正しいのか?【フランス語】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

フランス語で「~にもかかわらず」を意味する副詞に「Bien que」「Malgré」が存在する。

これらの言葉については以前、別な記事で話してきたが、今回はフランス人も良く間違える「Malgré que + 接続法」について見ていくとしよう。

本記事の内容
  • 「Malgré que + 接続法」は文法的に正しいのか?

5月1日にYoutubeで行った「ぺぎぃLIVE」で、「「Malgré que + 接続法」という表現は使えるのか?」という質問があった。

その時、ぺぎぃは「この表現はフランス人も口頭会話ではたまに使う、響きは良いが文法的には間違っている表現と説明したが、後々アカデミー・フランセーズのサイトを調べてみると、新たな真実が発覚した。

内容的にかなり面白いと思うので、今回は記事にしてみようと思う。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
ちなみに、動画の方が発音もわかるし理解しやすいという方は、記事の後半にYoutube動画へのリンクを載せておいたので、そちらから見てみてね!
ぺぎぃのフランス語講座~フランス語文法【まとめページ】このページでは、今までにぺぎぃが作成してきた「フランス語の文法」に関する記事をまとめている。興味がある方は是非とも参考にしていただければ嬉しい。...

「Malgré que + 接続法」という表現は文法的に正しいのか?

1-1. アカデミー・フランセーズのサイトによると…

まずは、簡単にアカデミー・フランセーズのサイトから抜粋した内容を見てみよう:

Malgré que s’emploie bien dans la langue soutenue, mais seulement avec le verbe avoir conjugué au subjonctif. Malgré que j’en aiequelque mauvais gré, si mauvais gré que j’en aie ; en dépit de moi, de ma volonté : Je reconnais les mérites de mon rival, malgré que j’en aie ; Malgré qu’il en ait, nous savons son secret ; Elle ne put cacher son dépit, malgré qu’elle en eût.

En revanche, encore que de nombreux écrivains aient utilisé la locution conjonctive Malgré que dans le sens de Bien que, quoique, il est recommandé d’éviter cet emploi.

(参考:https://www.academie-francaise.fr

これは要約すると以下の様になる:

  • 「malgré que」は非常に丁寧な言い回しで動詞の「avoir」としか使うことができない。
  • その際malgré que j’en aie」「malgré ma volonté(私の意に反して)」malgré qu’il en ait」「malgré sa volonté(彼の意に反して)」という意味になる。
  • 「Bien que」「Quoique」の類義語として用いる人もいるが、なるべくその使い方は避けた方が良い

つまり、簡単に言えば、malgré que + 接続法という表現は文法的に成立するが、意味が「Bien que + 接続法」とは異なるということである。

ぺぎこ
ぺぎこ
う~ん、なかなか難しくてはっきりとしないのよ…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
心配しなくても、これから詳しく説明していくよ。

1-2. 文法的に正しいが、「Bien que + 接続法」とは全く異なる意味

ポイント

「Malgré que + 接続法」非常に丁寧な文で使われる表現で、「自分の意志に反して」「否が応でも」という意味。

基本的に動詞の「Avoir」としか使うことができない。

類義語としては「en dépit de moi」「en dépit de ma volonté」を挙げることができる。

動詞の「Avoir」

ここで一つ重要なことは、「動詞の Avoir としか使うことができない」という部分である。

例えば、

Bien qu’il pleuve, Peggy est parti se promener. (雨が降っているにもかかわらず、ぺぎぃは散歩に出かけました。)

Malgré la pluie, Peggy est parti se promener. (雨にもかかわらず、ぺぎぃは散歩に出かけました。)

この二つの文文法的に正しい

しかし、以下の文は文法的に間違いとなる:

Malgré qu’il pleuve, Peggy est parti se promener. (雨が降っているにもかかわらず、ぺぎぃは散歩に出かけました。)

なぜなら「Malgré que」「+ Avoir の接続法」でないと成立しないから

そういうことである。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
つまり、簡単に言ってしまえば「Bien que」と同じような意味で「Malgré que」は使えないということだね!。

「Bien que + 接続法」とは異なる意味

なお、この「Malgré que」という表現は、仮に動詞「Avoir」の接続法と一緒に用いたとしても、「Bien que」は全く異なる意味になる。

例えば、

A) Peggy ne donne pas d’argent à Pegiko, malgré qu’il en ait. (ぺぎぃは自分の意志に反して、ぺぎこにお金をあげない)

B) Peggy ne donne pas d’argent à Pegiko, bien qu’il en ait. (ぺぎぃはお金を持っているにもかかわらず、ぺぎこにはあげない)

A)の文は、例文なので状況の説明が難しいが、「ぺぎぃは本来はぺぎこにお金を渡したいところだが、何かしらの理由で渡すことができない」という意味になる。

その反面、B)の文は、「ぺぎぃはお金を持っているがぺぎこに渡さない」、つまり場合によっては「渡す気がない」としてもとれる文である。

1-3. 「Malgré que + 接続法」を用いた例文

Je reconnais les mérites de mon rival, malgré que j’en aie.
(自分の意志に反するが、ライバルの功績を認めざるを得ない。)

Malgré qu’il en ait, nous savons son secret.
(彼がそう願っていなくても、我々は彼の秘密を知っています。)

Elle ne put cacher son dépit, malgré qu’elle en eût.
(彼女は自分の意に反することだが、忌々しさを隠すことができなかった。)

(参考:https://www.academie-francaise.fr

ぺぎこ
ぺぎこ
なるほど!少しわかった気がするですよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
ただし、結局は「あまり使わない表現」ということに変わりはないんだけどね。

「Malgré que + 接続法」という表現は文法的に正しいのか?【動画リンク】

動画でも学びたいという方のために、以下にぺぎぃのYoutubeチャンネルで説明した動画を貼っておこう。

Pourtant や Malgré、Quand mêmeなどの譲歩を示す接続詞の使い分け方【フランス語の文法】フランス語の Pourtant や Malgré などの「譲歩を表接続詞」は一体どのような意味なのか?そして一体どのように使い分ければよいのだろうか?この記事では、様々なフランス語の譲歩の接続詞について、意味と使い方を解説していくとしよう。...
Bien que や Même si、Quoiqueなどの接続詞の使い分け方【フランス語の文法】「Bien que」や「Quoique」「Même si」「Quoi que」など、フランス語には似たような響きと意味の接続詞が多く存在するので、混同されてしまう方も多い。そのため、この記事では「Bien que / Quoique」と「Même si」、そして「Quoique」の意味や使い分け方について解説していきたいと思う。...

スポンサーリンク

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です