フランス語でよくある間違い

「J’ai visité des amis」は間違い / 正しい「visiter」の使い方【フランス語】

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ちょうど冬休みも終わった頃なので、「休み中は何をしたの?」と尋ねたときに

「J’ai visité des amis」

「Je suis allé visiter des amis」

と回答する日本人の方や、その他の外国人の方を良く見かける。

しかし、これは実は間違いなので、今回の記事では「Visiter」という動詞の正しい使い方について話していこうと思う。

本記事の内容
  • 「Visiter」の正しい使い方
  • 人に会う/会ったときにはどう表現すればよいのか?

フランス語の「Visiter」の正しい使い方

まず、「Visiter ○○」という表現の意味と使い方について見ていくとしよう。

1-1. 「Visiter ○○」の正しい使い方

ポイント

「Visiter ○○」は基本的に、場所や建物を「訪れる」「見物する / 見学する」という意味。

これは辞書で調べてもわかることだが、基本的に「Visiter」という動詞は「Visiter + 場所/建物」と、人ではなく場所や建造物に対して用いられる言葉である。

よくフランス語を勉強している人が間違えがちなのは、英語の「to visit somebody(誰かを訪問する)」をそのままフランス語に持ってきて「visiter quelqu’un = 誰かを訪問する」とすること。

しかし、「Visiter」は飽くまで「訪れる」「見物する / 見学する」という意味なので、「Visiter quelqu’un」と表現すると、あたかも医者が患者を診察しているかのような響きになってしまう。

J’ai visité le musée du Louvre. (ルーブル美術館を見学しました)

Je vais visiter un appartement. (アパートを見学します)

J’ai visité Peggy. (ぺぎぃを見学した(?))

Je viens te visiter ce weekend. (今週末、君を見学しに行くよ(?))

ポイントは「Visiter」は英語の「To visit」とは異なる意味ということ。どちらかと言うと「○○を訪れる」よりは「○○を見学する」という意味として覚えたほうが無難である。

「Visiter ○○」の例文

1. Peggy et Pegiko sont allés visiter Barcelone cet été. (ぺぎぃとぺぎこは、今年の夏にバルセロナを見学に行きました)

2. Est-ce que tu as déjà visité le Mont-Saint-Michel? (モン・サン・ミッシェルに行ったことがありますか?)
⇒ 「訪れる」や「見学する」という意味での「Visiter」。

3. Avant de faire une proposition d’achat, il vaut mieux bien visiter l’appartement que je veux acheter. (購入の申し出をする前に、購入したいアパートをよく見学したほうが良い)
「Faire une visite d’appartement」という表現を使うこともある。

ぺぎこ
ぺぎこ
確かに、英語では「To visit somebody」と人に対しても「Visit」が使えるからこんがらがっちゃうわね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そこが少し難しいところだね!英語から学び始めた人は、フランス語の「Visiter」は全く別な動詞だと考えるしかないと思うよ。

1-2. 例外:「Visiter + 人物」の使い方

ポイント

対象となる人物が病んでいたり苦しんでいたり助けを必要としている場合には「Visiter + 人物」「~を見舞う」「慰問に行く」という意味になる。

これは実はぺぎぃも良く知らなかったことだが、アカデミー・フランセーズのサイトによると、対象となる人物が「苦しんでいる」場合に限り「誰々を見舞う」という意味で「Visiter + 人物」の表現が使えるようだ。

言われてみれば、確かに「Le médecin visite un malade」という表現を聞いたことがないこともなく、その意味も単なる「診察する」というよりは、直接患者さんの家に医者が出向いて「往診する」という意味合いになる。

ちなみに、他の言葉で「une visite médicale」とも言う。

(参考:http://www.academie-francaise.fr/visiter-son-oncle

「Visiter + 人物」の例文

1. Peggy est allé visiter son oncle malade. (ぺぎぃは病気のおじさんを見舞いに行った)

2. Je vais aller visiter les prisonniers. (囚人を訪問しに行きます)

3. Je suis allé visiter des personnes qui sont dans la rue. (路上にいる人たちに会いに行った)
⇒ ちょくせつアカデミー・フランセーズのサイトに載っていた例文ではないので、定かではないがおそらく成立する。この場合の「道路にいる人」とは「宿がなく路上で寝るしかない乞食」のことを指す。

ぺぎこ
ぺぎこ
へぇ~、これは知らなかったわね!「Visiter」ってこんな使い方もできるのね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
記事内にも書いたけど、実を言うとぺぎぃもこれはよく知らなかったんだよね!まぁ、少し特殊な例だし基本的には「Visiter」は人には使わないと覚えたほうが無難だと思うよ。

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人に会う/会ったときに用いる表現

続いて、友達や家族など、普通に暮らしている人に会いに行く場合にはどの表現を用いるのが正しいのかについて見ていこう。

2-1. 「Rendre visite à ○○」

ポイント

「人を訪問する」と表現したいときには、基本的に「Rendre visite à + 人物」を用いる。

同じ「Visiter」の動詞を使うにしても、英語の「To visit somebody」とは異なり、フランス語では「誰々を訪問する」「Rendre visite à quelqu’un」と少し複雑な言い回しをすることになる。

例えば、

J’ai rendu visite à Peggy. (ぺぎぃに会いに行きました)

Je lui ai rendu visite. (彼に会いに行きました)

尚、上の例にも書いている通り、「à + 人物」の部分は間接目的語の人称代名詞を用いて略すことが可能である。

詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にいただければ幸いである。

人称代名詞「le / la / les」と「lui / leur」の使い分け方【フランス語の文法】フランス語の目的人称代名詞、Pronoms compléments directs(直接目的語)と Pronoms compléments indirects(間接目的語)、le/la/les と lui/leur の違いについて、ぺぎぃが例文を用いてわかりやすく解説していこう。...

「Rendre visite à quelqu’un」の例文

1. Nous avons rendu visite à nos amis d’enfance. (幼馴染に会いに行きました)

2. Pendant les vacances d’hiver, Peggy est allé rendre visite à sa famille en Bretagne. (冬休みに、ぺぎぃはブルターニュ地方の家族に会いに行きました)

3. Je vais rendre visite à mes parents ce weekend. (今週末、両親に会いに行くよ)

ぺぎこ
ぺぎこ
毎回毎回、フランス語っていらないところでややこしくしてきて、楽しませてくれるわね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、逆の捉え方をすれば「Visiter」「Rendre visite」などの別々な表現があるからこそ、様々なニュアンスを伝えることができる言語としてフランス語は面白いんだよね。

2-2. 「Voir ○○」/「Aller voir ○○」

ポイント

「Voir ○○」「Aller voir ○○」も「○○」の部分に人物を当てはめれば、「○○と会う」「○○に会いに行く」という意味になる。

もう一つ、フランス語で頻繁に用いられる「○○と会う」「○○に会いに行く」という表現が「Voir」を用いた言い回しである。

これは、英語の「To see somebody」にもよく似ている。

尚、「Voir ○○」「Aller voir ○○」「○○」の部分に人物ではなく建造物町の名前を用いることも不可能ではないが、「○○を見に行く」と少し不自然な感じになることもある。

J’ai vu Peggy ce weekend. (先週末、ぺぎぃに会いました)

Je suis allé voir Peggy ce weekend. (先週末、ぺぎぃに会いに行きました)

ちなみに、「ce weekend(この週末)」はフランス語の場合、文脈によって「先週末」とも「今週末」ともなり得る。今回は過去形なので、明らかに過ぎ去った「先週末」について話している。

J’ai vu le musée du Louvre. (ルーブル美術館を見ました)
⇒ 実際に中に入ったのか、バスの窓から見たのか、はたまた雑誌で写真を見たのか、よくわからない。「見学した」の場合には「J’ai visité le musée du Louvre」と言った方がよい。

Je suis allé voir le musée du Louvre. (ルーブル美術館を見に行きました)
⇒ この表現なら「見に行く」なので、実際にルーブル美術館まで足を運んだということになる。ただし、実際に中に入ったのか、または入口で入場時間だけ確認して帰ったのか、そこは曖昧である。実際に見学をしたのなら、これも「Je suis allé visiter le musée du Louvre」とした方が正しい。

「Voir ○○」や「Aller voir ○○」の例文

1. Nous avons vu nos amis d’enfance. (幼馴染に会いました)

2. Pendant les vacances d’hiver, Peggy est allé voir sa famille en Bretagne. (冬休みに、ぺぎぃはブルターニュ地方の家族に会いに行きました)

3. Je vois mes parents ce weekend. (今週末、両親に会うよ)

ぺぎこ
ぺぎこ
これが一番楽ですよ!今度からは「Voir」ばかり使うことにするですよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
フランス人も、口頭会話では基本的にこの表現ばかり用いているし、使いやすい表現ではあるね!

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