フランス語でよくある間違い

フランス語の「Bon」と「Bien」の意味の違いと使い分け方

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フランス語で非常によく使う言葉に「ça va bien?」「bien」と、「c’est bon!」「bon」がある。

日本語に訳してしまうと、どちらとも「良い」という意味になってしまうことが多いが、この二つの言葉は一体どのように違うのだろうか?

本記事の内容
  • 「Bon」の意味と使い方
  • 「Bien」の意味と使い方

まず、いきなり結論から言ってしまうと:

  • 「Bon」や女性形の「Bonne」は一般的に形容詞として用いられる言葉
  • 「Bien」はどちらかというと副詞として用いられることが多い言葉

というのが大きな違いである。

しかし、これだけで「Bon」「Bien」の使い分けろというのは厳しいので、本記事では一緒に様々な例文を基に、これらの二つの単語の違いを見ていくとしよう。

また、「Bon」副詞として用いられたり、「Bien」形容詞のような意味を持つことも、稀だがあり得る話なので、それについても書いていくことにする。

ちなみに、今回の内容は、ぺぎぃのYoutubeチャンネルでも動画にして話している内容である。文字を読むのではなく耳で聞いて覚えたいという方は是非そちらも見てみることをおすすめしよう。

動画へのリンクは記事の後半に貼っておく。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
さぁて、では今回も色々と説明していこうかな!

フランス語の「Bon」の意味と使い方

まずはフランス語の「Bon」という言葉について解説する。

基本的には「良い」という意味には変わらないが、色々と使い道ニュアンスの違いなどが存在するため、それをここに書いていくとしよう。

ちなみに「Bon」は形容詞として用いられることが多いため、その際には名詞と性数一致を行う必要がある。そのため、女性形では「Bonne」、複数形では「Bons」「Bonnes」となる。

1-1. 「Bon」=「良い / 正しい」

解説

「Bon」「良い」「正しいという意味の言葉。
女性形では
「Bonne」となる。

「Bon」という言葉の一番基本的な使い方は「良い」「正しい」という意味での使い方である。

例えば「Il fait bon dehors!」「外は天気が良い!」「外は気温が良い!」という意味で使われるフレーズである。

他にも、宿題の回答が正しい時には「Ta réponse est bonne!(君の答えは正しい)」として用いることができる。

この際の「Bon/Bonne」「Correct(e)」「Juste」の同義語である。

ちなみに「Il fait bon dehors!」「Bon」は名詞ではなく動詞の「Faire」に紐づいているため、副詞扱い。性数一致は行う必要がない。

「Bon」=「良い / 正しい」の例文

1. C’est un bon challenge! (これは良い挑戦だ!)

2. Allons nous promener dehors! Il commence à faire très bon! (とても天気が良くなってきたから、外に散歩に行きましょう!)

3. Peggy est un bon pingouin. (ぺぎぃは良いペンギンだ)
⇒ 「良い」と「正しい」の両方の意味が重なり、「心優しい」という意味にもなる。

4. Pour le moment, tu as tout bon! (今のところ、全問正解だよ)

ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、今のところは基本中の基本の使い方だね!

1-2. 「Bon」=「優れている」

解説

人に対して「Bon/Bonne」を用いるときには「優れている」という意味に変化することが多い。

これはに対して用いる場合の「Bon/Bonne」によくあるであるが、その者の能力が優れているという意味として使われることもある。

例えば「Peggy est très bon en mathématiques」と言うと、「ぺぎぃは数学が良い」という意味ではなく、「ぺぎぃは優れた数学の能力を持っている = ぺぎぃは数学が得意」という意味になる。

また、人に対してではなくても、例えば「C’est un bon parapluie」のように「これは良い傘だ = これは優れている傘だ」と訳せることも稀にある。

因みに、男性に対して「Il est bon.」と表現する場合には「彼は優れている/彼はすごい」と訳されるのに対し、女性に対して「Elle est bonne.」と後ろに何も付け加えずに文を終えてしまうと、少しいやらしい響きの「彼女は良い体をしている」という意味になってしまうので注意が必要である。

もし、女性に対して「彼女の能力が優れているとしたい場合には、「Elle est bonne en ○○「Elle est bonne à ○○と必ず「何に対して」を付け加えることにしよう。

「Bon」=「優れている」の例文

1. Les Brésiliens sont très bons en foot. (ブラジル人はサッカーが得意だ)
「Ils sont très fort en foot」と言うこともできる。

2. Peggy est très bon en course à pied mais est très mauvais à la nage. (ぺぎぃは走るのは得意ですが、泳ぎはとても下手です)
⇒ 「下手」の場合には「Bon」の反対語の「Mauvais」を用いるとよい。

3. Pegiko est très bonne en cuisine. (ぺぎこは料理が得意です)
⇒ 先程の注意書きに書いたように「Pegiko est très bonne」で終わらないように注意しよう。

4. C’est un très bon vélo que tu as! (君の持っている自転車はとても良い自転車だね!)
⇒ 文脈にもよるが、「機能性にも優れ、とても良い自転車」とか「軽くてとても良い自転車」など、とりあえず「優れている自転車」と言いたいときに「Bon」を用いる。

ぺぎこ
ぺぎこ
まとめると、人に対して用いるときには「○○が得意」、物に対して用いるときには「○○性に優れている」と訳すことができるわけね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そういうことになるね!英語の「Good」と同じだよ。

1-3. 「Bon」=「(もう)十分 / 準備できた」

解説

「C’est bon!」に使われる「Bon」「(もう)十分」「準備できた」という意味で訳されることがある。

文脈にもよるが、「C’est bon!」という表現で使われる「Bon」「(もう)十分」「準備OK」という意味として訳されることが多い。

これは、例えばかくれんぼをしているときの「もういいよー」に当てはまる「C’est bonのことである。

他にも「C’est bon」という表現には色々な意味があるが、とりあえず以下の3つが主流だとぺぎぃは考える:

  • 「C’est bon!」「C’est correct!」(1-1.の「正しい」という意味)
  • 「C’est bon!」「C’est prêt/fini!」(1-3.の「(もう)十分」という意味)
  • 「C’est bon!」「C’est délicieux!」(1-4.の「美味しい」という意味)
ちなみに、この「(もう)十分」や「準備できた」という際の「Bon」は動詞「être」に紐づいているため副詞扱いで性数一致はしない。そのため「C’est bonne!」「C’est bons!」などとは言わない。

「Bon」=「(もう)十分 / 準備できた」の例文

1. C’est bon? Tu es prête? (もういい?準備できた?

2. C’est bon, je n’ai plus faim. (もうお腹がいっぱいだ)
⇒ 直訳すると「十分、もうお腹は空いていない」となる。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
次の1-4.で紹介する「C’est bon(美味しい)」と混同しないように注意が必要だね。

1-4. 「Bon」=「美味しい」や「きれい」

解説

「Bon/Bonne」は五感や体の感覚に関係する表現にも多く用いられる。

例えば「美味しい」(味覚)「きれい」(視覚・聴覚)「よい香り」(嗅覚)などの感覚に関係する言葉には総じて形容詞「Bon/Bonne」を当てはめることができるのである。

この点だけで言えば「Bon」という形容詞は、これ一つだけで様々なニュアンスを伝えることができる非常に優れた形容詞(Bon adjectif)だということができるだろう。

感覚の「Bon」を用いた例文

1. Ce gâteau est très bon. (このケーキはとても美味しい)

2. C’est de la bonne musique. (これは良い音楽だ)
⇒ 文脈にもよるが、「きれいな音楽」、「ノリの良い音楽」、「落ち着く音楽」など、色々と訳し方がある。

3. On peut avoir une bonne vue de là-haut! (この上からはとても良く見ることができます/良い景色が見えます)
⇒ こちらも文脈によるが「景色が見やすい」や「きれいな景色が見える」など、様々な意味で捉えることができる。

4. Ces parfums sentent très bon. (この香水たちはとても良い香りです)
⇒ 尚、この際の「Bon」は動詞の「sentir」に紐づく副詞扱いのため、「ces parfums」と性数一致は必要ない。「C’est parfums sont très bons」の場合には「s」が必要。

ぺぎこ
ぺぎこ
確かに、すごく便利な言葉よね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうだね!それでは続いて「Bien」についても話していくとしようか!

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フランス語で「Bien」の意味と使い方

続いて、同じく日本語では「良い」という言葉で訳されるもう一つの言葉:「Bien」について解説していこう。

ちなみに「Bien」の場合は副詞として用いられることが多いため、女性形や複数形などで変化することはなく、常に「Bien」である。。

2-1. 「Bien」=理屈で考える「良い」

解説

「Bien」「良い」という意味の言葉だが、「Bon」とは異なり、感覚ではなく理屈で考えた「良い」を表すときに用いる言葉である。

少しややこしい説明になるが、「Bon」の場合は直感や五感「良い」と判断するときに用いる言葉である場合が多いのに対し、「Bien」の場合は理屈付けされた要素に対して「良い」と評価するときに用いる言葉である。

例えば、次の例を見てみるとしよう:

a) C’est un bon livre. (これは良い本だ)

b) Ce livre est bien. (この本は良い = これは良い本だ)

日本語に訳してしまうと、a) の文も b) の文も大差ないように聞こえるが、実際には微妙にニュアンスに違いが感じ取れる。

まず、「Bon」とは基本的に形容詞なので、「Ce livre est bonという使い方は(できないことはないが)あまりしない。

そして、「Bien」の場合は副詞なので、「C’est un bien livre」という使い方はできない。

…ここまではおそらく問題あるまい?

では、続いて a)b) の二つの文の違いはというと、どちらも本に対する感想を言っているようだが、実は:

a) の文は「これは良い本だ」=「この本は好きだ」「面白かった」「退屈しのぎになった」などと自分の感じたことに対する感想

b) の文は「この本は良い=「非常に勉強になる」「細かい説明文や例文が載っている」「ストーリーや登場人物がよかった」などと、自分が感じたこと以上に論理的な理屈に基づいた評価

という違いがある。まぁ、飽くまでぺぎぃが感じるニュアンスの違いなので、人によって差はあるかもしれないが。

つまり、何が言いたいかというと、「Bien」というのは論理的に説明できそうな理屈がない限りは使わない言葉ということである。

「Bien」を用いた例文

1. Peggy va bien. (ぺぎぃは無事だ/ぺぎぃは元気だ)
⇒ 「怪我をしていない」「病気ではない」などと理屈付ができる。

2. Pegiko aime bien la France. (ぺぎこはフランスが好きだ)
⇒ 何故フランスが好きなのか、どこが好きなのか理由を説明できる。因みに、「Pegiko aime la France(ぺぎこはフランスを愛している)」よりはマイルドな言い回し。

3. C’est très bien! (とてもよい!/見事だ!/素晴らしい!)
⇒ 何がとても良いのか、説明ができる。

4. Cette recette est très bien. (このレシピはとても良い)
⇒ 「早い」「安上り」「材料集めが楽」など、理屈付ができる。「Cette recette est très bonne」と言ってしまうと「味」の話になってしまう。

ぺぎこ
ぺぎこ
なるほど…わかったような、まだわからないような。もう少し具体的な「Bon」「Bien」を比較する例文が欲しいわね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
ふむふむ、よろしい!では、もう少しだけ比較を続けてみることにしよう。

2-2. 「Bien」と「Bon」の使い分け

「Bien」が使えて「Bon」が使えない文

ここでは「Bien」が使えて「Bon」が使えない文を紹介していこう。

1. Peggy cuisine bien. (ぺぎぃは料理が上手です)
⇒ 動詞の「Cuisiner」に紐づく副詞として「Bien」を用いる。また、これは実際にぺぎぃが料理を作ったことがあり、その料理を食べて腕前を知っているため、「Peggy cuisine bien」と評価するときに用いる。(理屈付あり)

2. Ce musée est très bien. (この博物館はとても良いです)
⇒ なぜなら「展示品の数が多いから」、「人混みが少ないから」、「世界中の有名な品物が置いてあるから」など、理屈付されている。

1. Peggy cuisine bon.
⇒ ぺぎぃの料理は美味しいという意味での「Peggy cuisine bon」と言えなくもなさそうだが、やはり「bon」は形容詞なので動詞の「cuisiner」にくっつける言葉としては不適切。

2. Ce musée est très bon.
⇒ 「優れている」という意味での「Bon」を用いた場合、文法的には成り立つ。しかし、基本的に「優れている」というのは人に対して用いる言葉であることが多いため、些か不自然な感じは否めない。どちらかというと、「C’est un très bon musée」と言った方が自然。

「Bon」が使えて「Bien」が使えない文

ここでは「Bon」が使えて「Bien」が使えない文を紹介していこう。

1. Pegiko est bonne en cuisine. (ぺぎこは料理が得意です)
⇒ ぺぎこは「優れた」料理の腕前だという意味。女性なので、「est bonne」で文を終えずに、最後に「en ○○」と付け加えるのを忘れずに。

2. C’est un très bon musée. (これはとても良い博物館です)
⇒ 感想を言っている。特に「内装がきれいだ」とか「人混みが少なかった」とか、理屈付はなくても、飽くまで直感で「この博物館は良い」という時に使える。

1. Pegiko est bien en cuisine.
⇒ ぺぎこに対して「Pegiko est quelqu’un de bien(ぺぎこは良い人です)「Bien」を形容詞化して用いることはできるが、料理の腕前に対して副詞の「Bien」をそのまま用いることはできない。どうしても用いたい場合には、「Pegiko se débrouille bien en cuisine」などと動詞を入れ替えて用いるのがよい。

2. C’est un très bien musée.
⇒ 同じく、副詞の「Bien」を直接「musée」に紐づけることはできない。「bien」を使いたいのであれば、「Ce musée est très bien」と言葉の順番を入れ替える必要がある。

ぺぎこ
ぺぎこ
なかなか難しいわね…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、あとは実際にフランス語を話す中で自分で使ってみて、どのような使い方が自然で、どのような使い方が不自然なのか、響きとして体にしみこませる必要があるのかもしれないね。

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【動画】「Bien」と「Bon」の意味の違いと使い分け方

本記事の内容は、実は『ぺぎぃのフランス語講座』というYoutubeチャンネルに先に投稿した内容をこのサイトに転載したものである。

「Bon」「Bien」の使い分け方の話もそうだが、その他にもフランス語の習得にとって便利な情報を発信しているので、もし興味がある方は是非ともご覧いただけると幸いである。

ぺぎこ&ぺぎぃ
ぺぎこ&ぺぎぃ
他にも説明してもらいたい言葉やニュアンス、その他のリクエストなどがあったら、コメント欄やコンタクトフォームから連絡してね!

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