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接頭辞がつく否定形の形容詞や言葉(in- / im- / ir- / il- / a- / dé- / mal- / mé-)【フランス語】

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フランス語では、

・「possible」(可能)⇒impossible」(不可能)
・「utile」(必要)⇒inutile」(不要)
・「poli」(礼儀正しい)⇒「malpoli」(不作法)

などのように、否定形にすると接頭辞が付く言葉、特に形容詞が多々存在する。

そこでこの記事では、フランス語に存在する否定形の接頭辞についてまとめてみた。

本記事の内容
  • フランス語で否定形の接頭辞が付く言葉

impossible」inutile」malpoli」、これらの言葉が「possible」「utilie」「poli」反対語であることは、おそらく皆様も既にご存じだろう。

しかし、それでは一体なぜinpossible」ではなく、impossible」になるのか?

または、なぜimpoli」ではなくmalpoli」になるのか?

ここに疑問を抱く方も少なからずいると思う。実はぺぎぃもそうである。

日本語で要」発達」意味」を使う時と同じように、フランス語にも何かしらのロジックは存在しないのだろうか?

それについてまとめてみたのが、今回の記事である。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
ぺぎぃなりに調べたり、考えたりした結果を教えてやろう…

「in- / im- / il- / ir-」の接頭辞が付く言葉

まずは、おそらくフランス語で最も数が多い「in-」という接頭辞が付く言葉について見ていくとしよう。

1-1. 「in-」の接頭辞が付く言葉

考え方

接頭辞「in-」「~ではない」という意味。

この「in-」という接頭辞は、調べてみたところ、ラテン語から来ていて、同じように接頭辞として「in-」と言葉の前に置くと「○○ではない」という意味になるようだ。

実際に「無し」という言葉は「sine」と表現するようなので、そこから「in」の部分だけを切り取ったのかもしれない。ぺぎぃの勝手な憶測である。

なので、フランス語で「in-」という接頭辞を見かけた際にも、「~ではない」として考えればよいと思う。

例えば:

  • 「valide」(有効)⇒invalide」(無効 = 有効でない)
  • 「terminable」(終わらせることができる)⇒interminable」(終わらない)
  • 「utile」(必要/役に立つ)⇒inutile」(不要/役に立たない)

のような感じである。

つまり、多くのフランス語の言葉、特に形容詞は、接頭辞として「in-」を付けるだけで、その反対語にすることが可能なのだ。

例として形容詞でまとめるのが楽なので、全て形容詞で書いているが、「une validité ⇔ une invalidité」「utiliser ⇔ inutiliser」などのように、単語によっては名詞動詞に当てはめることも可能である。

接頭辞「in-」が付く言葉の例

acceptable(受け入れられる)inacceptable(承諾できない)
actif(活発な)inactif(無為の)
admissible(許容できる)inadmissible(容認できない)
attentif(注意深い)inattentif(不注意な)
capable(できる)incapable(できない)
certain(確かな)incertain(不確かな)
compatible(適合できる)incompatible(相いれない)
croyable(信じられる)incroyable(信じがたい)
défini(定められた)indéfini(不確定の)
efficace(効果的な)inefficace(効力のない)
faisable(実行可能な)infaisable(実行不可能な)
hospitalier(もてなしの良い)inhospitalier(もてなしの悪い)
imaginable(想像できる)inimaginable(想像できない)
offensif(攻撃的な)inoffensif(無害の)
signifiant(意味深い)insignifiant(取るに足らない)
suffisant(十分な)insuffisant(不十分な)
supportable(耐えられる)insupportable(耐えられない)
tolérable(許容できる)intolérable(許容の余地ない)
utile(有用な)inutile(無駄な)
valide(有効な)invalide(無効な)
variant(変化する)invariant(不変な)
vraisemblable(真実味のある)invraisemblable(ありそうもない)
ぺぎこ
ぺぎこ
ものすごく沢山あるわね…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、何も全部覚えろという話ではないから安心していいよ。それに一例として、これだけの言葉が存在するよというだけで、ここに書ききれていない言葉も多々あるよ。

1-2. 「im-」の接頭辞が付く言葉

考え方

頭文字「b-」「m-」「p-」から始まる言葉に接頭辞「in-」を付ける際には「im-」になる。

これは、意味自体は「in-」という接頭辞「~ない」と変わらないが、どちらかというと書き方の問題で、頭文字「b-」「m-」「p-」から始まる形容詞や単語に接頭辞「in-」を付け足して否定形にする場合は、接頭辞「in-」接頭辞「im-」に変化するのである。

接頭辞「im-」が付く言葉の例

buvable(飲める)imbuvable(飲めない)
mangeable(食べられる)immangeable(食べられない)
modéré(節度のある)immodéré(節度のない)
modeste(謙虚な)immodeste(慎みのない)
moral(道徳的な)immoral(道徳に反する)
mortel(死すべき)immortel(不死の)
pardonnable(許せる)impardonnable(許されない)
parfait(完璧)imparfait(不完全な)
pensable(考えられる)impensable(考えられない)
perceptible(知覚できる)imperceptible(知覚できない)
poli(礼儀正しい)impoli(不作法な)
possible(可能な)impossible(不可能な)
précis(正確な)imprécis(不明確な)
propre(適した)impropre(不適切な)
pur(純粋な)impur(不純な)

1-3. 「il-」の接頭辞が付く言葉

考え方

頭文字「l-」から始まる言葉に接頭辞「in-」を付ける際には「il-」になる。

こちらも書き方の問題であるが、頭文字がアルファベットの「l-」から始まる言葉に接頭辞を付ける場合、「in-」ではなく「il-」を用いる。

接頭辞「il-」が付く言葉の例

légal(合法的な)illégal(違法な)
légitime(正当な)illégitime(非合法な)
lettré(読み書きができる)illettré(非識字の)
limité(限られた)illimité(無限の)
lisible(読める)illisible(読めない)
logique(論理的な)illogique(非論理的な)

1-4. 「ir-」の接頭辞が付く言葉

考え方

頭文字「r-」から始まる言葉に接頭辞「in-」を付ける際には「ir-」になる。

そして最後に、頭文字がアルファベットの「r-」から始まる言葉に接頭辞を付ける場合には、「in-」「ir-」になる。

接頭辞「ir-」が付く言葉の例

rationnel(合理的な)irrationnel(非合理的な)
rattrapable(取り返しのきく)irrattrapable(取り返しのつかない)
réalisable(実現可能な)irréalisable(実現できない)
recevable(受け入れられる)irrecevable(受け入れられない)
récupérable(回収できる)irrécupérable(回収できない)
réel(本当の)irréel(非現実的な)
réfléchi(熟慮された)irréfléchi(思慮のない)
régulier(規律的な)irrégulier(不規則な)
réparable(修理できる)irréparable(修繕できない)
résolu(断固とした)irrésolu(煮え切らない)
respectueux(敬意のこもった)irrespectueux(無礼な)
réversible(可逆的な)irréversible(不可逆的な)
révocable(取り消し得る)irrévocable(取り返しのつかない)
ぺぎこ
ぺぎこ
ふぅん… じゃあ結局「in-」「il-」「im-」「ir-」も全て同じ意味なのね?
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうだね。同じ意味と言うか、同じ考え方をすると言えばいいのかな?どちらかと言うと筆記のルールみたいなものだね。

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「a- / an-」の接頭辞が付く言葉

続いて、「a-」という接頭辞が付く言葉について見ていくとしよう。

2-1. 「a-」の接頭辞が付く言葉

考え方

接頭辞「a-」「~が欠陥している」「~とは関係がない」という意味。

厳密なルールが存在しないため、説明が難しいが、ぺぎぃの調べによると接頭辞「a-」は古代ギリシャ語の「a-」が由来となっており、「○○がない」「○○が欠陥している」、または「喪失」「剥奪」を意味する接頭辞であるようだ。

つまり、先ほどの「in-」「~ではない」を指していたのに対し、「a-」はもう少し意味が強い「~が欠陥している/~とは関係がない」という言葉に使うと言えるだろうか?

例えば:

  • 「valide」(有効な)⇒invalide」(無効 = 有効でない)
  • 「moral」(道徳な)⇒immoral」(不道徳な = 道徳に反する)

に対して、

  • 「calorique」(カロリーが高い)⇒acalorique」(カロリーゼロ=カロリーが欠陥している)
  • 「moral」(道徳な)⇒amoral」(無道得な = 道徳が欠陥している)

immoral」amoral」の例を取ればわかりやすいと思うが、immoral」は飽くまで「不道徳」つまり「道徳ではない/道徳に反しているという意味だったのに対し、amoral」「道徳とは関係ない/道徳の概念がないという意味である。

他にも接頭辞「a-」「別の状態に移行する」という意味で使われることがあるので、勘違いしないように注意が必要である。

(例)

  • 「baisser」(低くする)⇒abaisser」(下す / 下げる)
  • 「créditer」(記入する)⇒accréditer」(与える)
  • 「noter」(メモする)⇒annoter」(注釈をつける)
  • 「paraître」(~のように見える)⇒apparaître」(姿を見せる)

接頭辞「a-」が付く言葉の例

calorique(カロリーが高い)acalorique(カロリーがない)
cyclique(周期的な)acyclique(周期がない)
moral(道徳的な)amoral(道徳がない)
pesanteur(重力)apesanteur(無重力)
patride ※使わないapatride(無国籍者)
phone ※使わないaphone(声が出ない)
polaire ※使わないapolaire((電磁)極がない)
politique(政治に関する)apolitique(政治色のない)
social(社交的な)asocial(非社交的な)
symétrique(対称的な)asymétrique(非対称的な)
théiste(有神論の)athéiste(無神論の)
typique(典型的な)atypique(非典型的な)
ぺぎこ
ぺぎこ
「immoral」と「amoral」の比較例がわかりやすかったですのよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
逆に言えば、どの言葉に対して反対語は「in-」を付ければいいのか、どの言葉に対して反対語は「a-」を付ければいいのかという安直な考え方ができないという良い見本にもなるね。

2-2. 「an-」の接頭辞が付く言葉

考え方

頭文字母音から始まる言葉に接頭辞「a-」を付ける際には「an-」に変化する。

これは、主に発音のしやすさの問題だと思うが、「moral」など子音から始まる言葉がamoral」になるのに対し、「allergique」などの母音から始まる言葉はanallergique」接頭辞「an-」を付けるという話だけである。

接頭辞「an-」が付く言葉の例

allergique(アレルギーを起こす)anallergique(アレルギーを起こさない)
alphabète ※使わないanalphabète(読み書きができない・盲目の)
organique(有機の)anorganique(有機ではない)
ぺぎこ
ぺぎこ
これは大した難しくないわね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
例えも限られているしね!

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「dé- / dés-」の接頭辞が付く言葉

続いて、「in-」「a-」以外にも「dé-」接頭辞が付く言葉が存在するので、一緒に見ていこう。

3-1. 「dé-」の接頭辞が付く言葉

考え方

接頭辞「dé-」「~取り上げる」「(状態を)元に戻す」という意味で使われることが多い。

こちらも、特にフランス語に厳密なルールが存在するというわけではないが、一般的に「dé-」という接頭辞はラテン語の「de-」「dis-」から来ていて、「○○を元の状態に戻す」「○○を取り上げる」という時に使う接頭辞である。

例えば:

  • 「courage」(勇気)⇒courager」(落胆させる = 勇気を取り上げる)
  • 「panne」(故障)⇒panner」(修理する = 故障がない状態に戻する)

また、「en-」「con-」などの接頭辞がついている言葉の反対語として使われることもある:

  • encourager」(応援する)⇒courager」(落胆させる)
  • emmêler」(もつれさせる)⇒mêler」(解きほぐす)
  • construire」(建設する)⇒truire」(破壊する)

場合によっては、反対語とは裏腹に、元の動詞に追加効果を付け足すために接頭辞「dé-」が使われていたりすることもあるので、例外には注意が必要である。これらの例外にはぺぎぃもたまにやられる。

(例)

「nier」(否定する)⇒nier」(否認する)

「mener」(導く)⇒mener」(暴れまわる)

接頭辞「dé-」が付く言葉の例

boucher((穴を)塞ぐ)boucher(詰まりを無くす)
bloquer(固定する)bloquer((歯止めを)外す)
brancher(接続する)brancher(プラグを抜く)
coller(貼り付ける)coller(剥がす)
connecter(繋ぐ)connecter(接続を切る)
construire(建設する)construire(解体する)
encourager(勇気づける)courager(落胆させる)
emmêler(もつれさせる)mêler(解きほぐす)
entartrer(カルキや湯垢がつく)tartrer(カルキや湯垢を取る)
faire((紐を)結ぶ)faire((紐を)ほどく)
favoriser(優遇する)favoriser(不利にする)
fusionner(融合する)fusionner(分離する)
nouer(結ぶ・縛る)nouer(ほどく・解く)
plaire(好かれる・気に入られる)plaire(好かれない・気に入られない)
posséder(所有している)posséder(没収する・奪う)
stabiliser(安定させる)stabiliser(動揺させる)
tacher(染みを付ける)tacher(切り離す・染みを落とす)
taxer(課税する)taxer(免税にする)
valoriser(価値を引き上げる)valoriser(価値を下げる)
ぺぎこ
ぺぎこ
今回は動詞が多いのね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
確かに、今回は形容詞よりも動詞の方が例が見つけやすかったね!

3-2. 「dés-」の接頭辞が付く言葉

考え方

頭文字母音、または無音の「h」「s」から始まる言葉に接頭辞「dé-」を付ける際には「dés-」に変化する。

これは、「an-」の時と同じで、主に発音の問題を解決するために接頭辞「dé-」「s」を付け加えるものだと思われる。

接頭辞「dés-」が付く言葉の例

abonner(契約する)désabonner(契約を取り消す)
accoutumer(習慣づける)désaccoutumer(習慣をやめさせる)
accorder(調律する)désaccorder(調和を乱す)
activer(有効にする)désactiver(無効にする)
affecter(割り当てる)désaffecter(廃止する)
amorcer(作動を開始する)désamorcer(作動を止める)
approuver(賛同する)désapprouver(反対する)
armer(武装する)désarmer(武装解除する)
avantager(有利にする)désavantager(不利にする)
engager(雇い入れる)désengager(手を引く)
espérer(希望を抱く)désespérer(失望する)
habiller(服を着せる)déshabiller(服を脱がす)
honorer(栄誉をたたえる)déshonorer(名誉を傷つける)
hydrater(水分を与える)déshydrater(脱水する)
infecter(汚染する)désinfecter(消毒する・殺菌する)
installer(設置する)désinstaller(設置を取り外す)
intéresser(関心を引く)désintéresser(興味を失う)
intoxiquer(中毒させる)désintoxiquer(毒素を取る)
obéir(従う)désobéir(従わない・背く)
organiser(整える)désorganiser(混乱させる・崩壊する)
saler(塩見を付ける)dessaler(塩抜きをする)
serrer(締め付ける)desserrer(ゆるめる)
souder(溶接する)dessouder(はんだ付けを離す)
unir(結ぶ)désunir(離反させる)
ぺぎこ
ぺぎこ
数が多いわね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
何度も言うようだけど、覚える必要はないよ。ただ、このような接頭辞が付く言葉が存在するということを教えたいだけだから。

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「dis- / dys-」の接頭辞が付く言葉

この章では「dis-」「dys-」などの接頭辞が付く言葉について見ていくとしよう。

発音は「dés-」が付く言葉に似ているものの、考え方は少しばかり異なる。

4-1. 「dis-」の接頭辞が付く言葉

考え方

接頭辞「dis-」「途切れる」「途中でなくなる」という意味で使われることが多い。

「dés-」「dis-」発音が似ているが意味が若干異なってくる

「dés-」「○○を元の状態に戻す」だったのに対して、接頭辞「dis-」はどちらかと言うと「いままで続いてきたものが、途中で途切れる」という意味に近い。これもラテン語の「dis-」から由来していると思われる。

例えば:

  • 「une ligne continue」(連続線 / 実線)⇒「une ligne discontinue」(破線)
  • 「joint」(結合した)⇒disjoint」(分離した(=結合が途中で途切れた))

接頭辞「dis-」が付く言葉の例

associé(一緒にされた)dissocié(切り離された)
continu(連続した)discontinu(不連続な・断続的な)
joint(結合した)disjoint(分離した)
paru(見えた)disparu(見えなくなった)
proportionné(均整のとれた)disproportionné(不均衡な)
qualifié(資格がある)disqualifié((選手などが)失格した・反則負け)

4-2. 「dys-」の接頭辞が付く言葉

考え方

接頭辞「dys-」「異常」「壊れた様子」を表す言葉に使われる。

「dys-」もまた、「dis-」に発音が似ているが、意味は「途中で途切れる」というよりは「異常」に近い。

こちらはラテン語ではなく、ギリシャ語で困難異常を表す「dys-」という同じ接頭辞からきていると思われる。

接頭辞「dys-」が付く言葉の例

fonctionnel(機能する)dysfonctionnel(機能不全な)
harmonie(調和)dysharmonie(不協和)
ぺぎこ
ぺぎこ
今回はさっきと比べると随分と例が少ないわね…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、少し珍しい接頭辞だからね。

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「mé- / més-」の接頭辞が付く言葉

もう一つ、フランス語でたまに使われる否定形の接頭辞「mé-」「més-」というものも存在する。

5-1. 「més-」の接頭辞が付く言葉

考え方

接頭辞「més-」「不○○」「物事がうまくいっていない様」を表すときに使われることが多い。

こちらは、意味も由来も定かではないが、おそらく英語の「miss-」と同じような語源で、何かが不足していたり物事があまりうまくいっていないときに使われる接頭辞のように思われる。

例えば:

  • 「aventure」(出来事)⇒mésaventure」(災難 / 不運な出来事)
  • 「entente」(協調)⇒mésentente」(不和 / 仲たがい)
ちなみに、これらの「més-」の接頭辞が付く言葉は「mauvais(e) ○○」と言い換えることもできる。例えば「une mauvaise aventure」「une mauvaise entente」など。

接頭辞「més-」が付く言葉の例

aventure(出来事)mésaventure(不運な出来事)
entente(相互理解)mésentente(仲たがい)
estime(評価)mésestime(過小評価)
intelligence(内通・理解)mésintelligence(不仲)

5-2. 「mé-」の接頭辞が付く言葉

考え方

頭文字子音から始まる言葉に接頭辞「més-」を付ける際には「mé-」に変化する。

今までの逆パターンであるが、頭文字子音から始まる言葉の場合には、接頭辞「més-」「s」を外し、「mé-」を用いることになる。

例外として、「servir ⇒ messervir」のように、「s」から始まる言葉に関しては、接頭辞「mes-」を用いる。

接頭辞「mé-」が付く言葉の例

connaissance(知識)connaissance(無知)
contentement(満足)contentement(不満)
compréhension(理解)compréhension(誤解)
conseil(助言・忠告)conseil(悪い助言・忠告)
lecture(読書)lecture(良く読めていないこと)
ぺぎこ
ぺぎこ
今回は名詞が多いのね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
別に形容詞や動詞にしても良かったんだけど、中でもフランス語で一番頻繁に使われそうな言葉を例に出しているよ。

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「mal-」の接頭辞が付く言葉

そして「mé- / més」とよく似た意味を持つ接頭辞「mal-」というものも存在する。

考え方

接頭辞「mal-」物事の反対の意味や、動作の場合には「しっかりと行われていない」という意味を表すときに使われる。

この「反対の意味」とはどういうことかと言うと、例えば:

  • 「adroit」(器用な)⇒maladroit」(不器用な)
  • 「honnête」(誠実な)⇒malhonnête」(不誠実な)

のように、日本語でも「不○○」と表す言葉に使われるということである。

由来はラテン語の「malum」

ただし、動作に関する言葉や動詞に接頭辞「mal-」が付く際には、「しっかりと行われていない」「正しくやられていない」という意味にもなる。

  • 「mener」(率いる)⇒malmener」(邪険に扱う)
  • 「traiter」(待遇する)⇒maltraiter」(虐待する)

接頭辞「mal-」が付く言葉の例

adresse(器用さ)maladresse(不器用さ)
aise(くつろぎ)malaise(気分の悪いこと)
chance(幸運)malchance(不運)
commode(便利な)malcommode(不便な)
entendant(聞こえる)malentendant(耳の遠い人)
entendu(了解済みの)malentendu(食い違い)
façon(やり方)malfaçon(不手際・欠陥)
habile(巧みな)malhabile(ぎこちない)
heureux(幸せな)malheureux(不幸な)
honnête(誠実な)malhonnête(不誠実な)
intentionné(好意的な)malintentionné(悪意のある)
nutrition(栄養)malnutrition(栄養失調)
odorant((良い)においのする)malodorant(悪臭を放つ)
mener(運ぶ・到達させる)malmener(邪険に扱う)
poli(礼儀正しい)malpoli(不作法な)
propre(きれいな)malpropre(下劣な)
sain(健康な)malsain(不衛生な)
traiter(待遇する)maltraiter(虐待する)
voyant(目が見える人)malvoyant(弱視の人)
ぺぎこ
ぺぎこ
なるほど、これは結構わかりやすいですよ。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
副詞の「mal」をそっくりそのまま言葉にくっつけた感じだからね!

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「non-」の接頭辞が付く言葉

最後に、これもまたフランス語の言葉にたまにつく接頭辞として「non-」というものがある。

この接頭辞に関しては「non」の後に「-」とハイフンが入るため、本当に接頭辞と言えるのかは定かではないが、一応この章で触れておこう。

考え方

接頭辞「non-」否定を表す。そのまま「~ない」と言葉の反対語を表すときに使われる。

まぁ、すでに皆様ご察しの通り、「non」に関しては特に難しい話はなく、そのまま言葉の反対語をいう時にnon-○○」を用いるのである。

例えば:

  • 「fumeur」(喫煙)⇒non-fumeur」(禁煙)
  • 「dit」(言及された)⇒non-dit」(言及されていない

ちなみに、今まで他の接頭辞の章で紹介してきた言葉の中にも、「non-」を付けることができる言葉もいくつか存在する。

その場合、意味やニュアンスが少しだけ変わることもある

  • respect(敬意 / 法などの遵守)

irrespect(非礼/無礼)
non-respect(違反)

  • voyant(目の見える人)

malvoyant(弱視の人)
non-voyant(目の見えない人)

接頭辞「non-」が付く言葉の例

accompli(実現された)non-accompli(実現されていない)
activité(活動)non-activité(休職)
agression(襲撃・攻撃)non-agression(不侵略)
assistance(援助・救助)non-assistance(救助義務違反)
combattant(戦闘員)non-combattant(非戦闘員)
conforme(合致した)non-conforme(合致しない)
croyant(信者)non-croyant(無信仰の人)
dit(言った)non-dit(言及されなかった点)
initié(玄人)non-initié(素人)
inscrit(登録された)non-inscrit(登録されていない・無所属の)
intervention(介入・干渉)non-intervention(非介入・不干渉)
lieu ※使わないnon-lieu(免訴)
paiement(支払い)non-paiement(不払い・未払い)
résident(居住者)non-résident(非居住者)
respect(敬意・ルールを守ること)non-respect(敬意を欠くこと・違反)
satisfaction(満足感)non-satisfaction(不満足)
sens(意味)non-sens(意味をなさないこと)
spécialiste(専門家)non-spécialiste(非専門家)
violent(乱暴な)non-violent(非暴力主義の人)
voyant(目が見える人)non-voyant(目が見えない人)
ぺぎこ
ぺぎこ
なんとなく、どんな言葉にでも使うことができそうな接頭辞ね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
確かに、仮に辞書に存在しない言葉であっても、「non-○○」と言えば、大抵は通用する気がするよ。まぁ、裏技だね!

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POSTED COMMENT

  1. Molis より:

    期待を裏切らない感動のまとめです!ありがとうございました。

  2. ごまふあざらし より:

    ぺぎぃさん

    こんにちは。
    最後まで目を通すのにちょっと時間がかかりましたが、まとめてくださってありがとうございます (^o^)/
    対で覚えると効率よく語彙を増やせます。

    覚えるしかないのかなと思ってはいるのですが、動詞の後に「de」もしくは「 à」を伴って不定詞を置くものでどの動詞が「de」を置くのか「 à」を置くのかルールはありますか?例えば 「finir de 不定詞」や「commencer à 不定詞」です。どこかで目的語を取るかどうかで判断できると聞いたことがあるのですが、これは正しいのでしょうか?

    何かルールのようなものがあれば教えて下さい (^-^)/
    お願いします。

    ごまふあざらし

    • onsenpeggy より:

      ごまふあざらしさん、

      いつもコメントありがとうございます!
      ああ、それは難しい質問ですね。場合によっては「avoir droit à + 名詞」と「avoir le droit de + 不定詞」のような感じで両方の前置詞を用いる動詞もある気がします。
      ルールが浮かび上がったら記事を書いてみようと思いますので、少し考えさせてください。(*^▽^*)

      ぺぎぃ

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