文法:代名詞

関係代名詞「que」と関係代名詞「dont」の違い【フランス語の文法】

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フランス語に存在する関係代名詞には主に「qui」「que」「dont」「où」などがあるが、中でも「que」「dont」の使い分けがいまいちわからないという人が多くいる。

それもそのはずで、ネイティブなフランス人でさえも口頭会話ではたまに「dont」の代わりに「que」を用いたりすることもあったりするほど、これら2つの関係代名詞の違いはややこしいものである。

そこで、この記事では「que」「dont」と違いと使い分け方について解説しよう。

本記事の内容
  • 関係代名詞「Que」の用法
  • 関係代名詞「Dont」の用法

いきなりだが、まずは簡単な例文から見ていこう。

例えば、「これは昨日見せたペンギンです」とフランス語で言う時、これは

Voici le pingouin que je vous ai montré hier.

となる。

しかし、似ている文でも「これは昨日話したペンギンです」とフランス語でいう時には、

Voici le pingouin dont je vous ai parlé hier.

関係代名詞「que」の部分が何故か関係代名詞「dont」に入れ替えられる。

この理由が皆さんにはおわかりだろうか?

今回の記事では、何故このように関係代名詞「que」「dont」が使い分けられるのか見ていくとしよう。

ちなみに、本記事では関係代名詞「que」「dont」の違いにフォーカスしているため、より具体的な「dont」の使い方や、「duquel / de laquelle」との違いなどについては触れていない。

もし興味がある方がいれば、3年ほど前に書いた「関係代名詞「dont」の使い方」という記事を参考にしてくれれば幸いである。以下にリンクを貼く。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
それでは、今回もはりきって勉強してみよう!
関係代名詞「dont」の使い方【フランス語の文法】フランス語の関係代名詞dontの使い方について、温泉ぺぎぃが例文を用いてわかりやすく説明してみよう。...

関係代名詞「que」と関係代名詞「dont」の違い

1-1. 関係代名詞「que」= 直接目的補語

ポイント

関係代名詞「que」は、ABの2つの文を組み合わせたとき、Aの文で既に発言された先行詞Bの文でも直接目的語として使われている場合に、先行詞の代わりに用いられる。

簡潔に書くと上のようになってしまうが、これだけでは「何のこっちゃ?」とわけが分からないとおもうので、もう少し具体的に例文を見ていこう。

例えば、まずは以下のAの文Bの文があるとしよう。

A) Voici un pingouin.(これはペンギンです。)

B) Je vous ai montré un pingouin hier.(昨日ペンギンをお見せしました。)

一般的にun pingouin不定冠詞を用いているときには、「その他大勢のペンギンの中の一匹」とランダムなペンギンを指すことになるが、今回はBの文、つまり「昨日見せたペンギン」Aの文にも登場するとしよう。

すると、2つの文は以下のようにくっつけることが可能になる。

A) + B) Voici un pingouin. Je vous ai montré le même pingouin hier. (これはペンギンです。昨日同じペンギンをお見せしました。)

ここでAの文「un pingouin」という部分は、Bの文で登場する「le même pingouin」と同じペンギンなので、先行詞と言われ、関係代名詞を用いて簡略化することが可能になる。

またBの文での「le même pingouin」動詞「montrer」直接目的語となっているため、関係代名詞「que」で言い表すことができるのである。

つまり、AとBの2つの文を合わせると:

A) + B) Voici le pingouin que je vous ai montré hier. (これは昨日お見せしたペンギンです。)

となるのである。

これが関係代名詞「que」の一般的な使い方となる。

ちなみにフランス語の「que」という言葉には、他にも様々な使い道があるが、今回の記事では飽くまで関係代名詞「dont」との使い分け方について解説するため、細かい話は割愛させていただく。

関係代名詞「que」を用いた例文

1. Pegiko aime bien le gâteau d’anniversaire que Peggy lui a préparé. (ぺぎこは、ぺぎぃが用意してくれた誕生日ケーキを気に入っています。)
「Peggy lui a préparé un gâteau d’anniversaire」「un gâteau d’anniversaire」の部分を関係代名詞「que」で補語している。

2. Pourrais-tu m’apporter le sac que j’ai mis dans la voiture? (車に入れた鞄を持ってきてくれる?)
「J’ai mis le sac dans la voiture」「le sac」の部分を関係代名詞「que」で補語している。

3. Tu te rappelles de ce que je t’ai dit? (私が言ったことを覚えていますか?)
⇒ これも「Je t’ai dit quelque chose」と直接目的語の部分が簡略化されているため、直接目的補語として関係代名詞「que」を用いる。

ぺぎこ
ぺぎこ
今のところ、さして難しい話ではないわね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁね。ただポイントは関係代名詞「dont」が登場するこれからだよ!

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1-2. 関係代名詞「dont」= 間接目的補語

ポイント

関係代名詞「dont」は、ABの2つの文を組み合わせたとき、Aの文で既に発言された先行詞Bの文でも
前置詞「de」間接目的語
として使われている場合に、先行詞の代わりに用いられる。

頭の良い皆様なら既にお分かりいただけたと思うが、ポイントは「前置詞「de」+間接目的語」というところである。

今回も、先ほどの関係代名詞「que」の説明のときと同じように、もう少し具体的な例文を紹介していこう。

今度は以下のAの文Bの文を想像してもらいたい。

A) Voici un pingouin.(これはペンギンです。)

B) Je vous ai parlé d’un pingouin hier.(昨日、あるペンギンについてお話ししました。)

ここでも、「un pingouin」不定冠詞を用いているので、一般的な意味では「とあるペンギン」について話しているわけだが、このAの文Bの文で話している対象のペンギンが同一人物(動物?)だったと仮定しよう。

すると、2つの文は以下のように繋げることが可能である。

A) + B) Voici un pingouin. Je vous ai parlé de ce même pingouin hier. (これはペンギンです。昨日同じペンギンについてお話ししました。)

これは1-1.関係代名詞「que」の説明とほとんど同じであるが、ポイントは2つ目の文で「de ce (même) pingouin」前置詞の「de」が用いられていることである。

つまり、Aの文「un pingouin」先行詞としたとき、Bの文での同じ「pingouin」の部分は「前置詞「de」+間接目的語」として使われているのである。

従って、1つの文にまとめようとすると、文法的には関係代名詞「que」ではなく、関係代名詞「dont」が必要になる:

A) + B) Voici le pingouin dont je vous ai parlé hier. (これは昨日お話ししたペンギンです。)

ちなみに、何故「je vous ai montré un pingouin」のときには前置詞「de」が入らなかったのに、「je vous ai parlé d’un pingouin」のときには前置詞「de」が使われるかというのは、動詞の性質が理由である。

どの動詞には前置詞「de」がついて、どの動詞には前置詞が付かないのかなどは、地道に覚えていくしかない。

今ぺぎぃが思いつく一例を挙げるとすると:

  • avoir besoin de ○○ (○○を必要とする)
  • avoir envie de ○○ (○○を欲しがる)
  • parler de ○○ (○○について話す)
  • discuter de ○○ (○○について会話をする)
  • débattre de ○○ (○○について議論する)
  • être fier de ○○ (○○を誇りに思う)
  • rougir de ○○ (○○を恥に思う)
  • rêver de ○○ (○○を夢見る)
  • être amoureux de ○○ (○○に恋をする)

などがある。

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関係代名詞「de」を用いた例文

1. Pegiko n’est pas contente car elle n’a pas pu obtenir le cadeau dont elle avait envie. (ぺぎこは欲しがっていたプレゼントがもらえなかったので、不満を抱いています。)
「Elle avait envie du cadeau」と前置詞「de」+間接目的語になるので、関係代名詞「dont」を用いる。

2. Ce n’est pas le sac dont je t’ai parlé. (それは僕が話した鞄ではないよ。)
「Je t’ai parlé du sac」と前置詞「de」+間接目的語になるので、関係代名詞「dont」を用いる。

3. Tu te rappelles de ce dont nous avons discuté? (我々が会話をしたことを覚えていますか?)
⇒ 少しややこしいが、これも「Nous avons discuté de quelque chose」と前置詞「de」+間接目的語の造りになるので、関係代名詞「dont」を用いるのが正解。

ぺぎこ
ぺぎこ
理屈は簡単だけど、難しいのはどの動詞に前置詞「de」が付くのか瞬時に判断しないといけないというところね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、本来はそうなんだけど、実際にはフランス人でも口頭会話では稀に間違うことがあるから、仮に「dont」の代わりに「que」を用いたとしても意味は伝わると思うよ。筆記では避けたほうが良いけどね。

【動画で学ぶ】関係代名詞「que」と「dont」の違い

本記事で話した内容は、そっくりそのままぺぎぃのYoutubeチャンネルで話しているので、関係代名詞「que」「dont」の正しい発音などを動画で聞いてみたいという方は、是非とも以下のリンクからご覧ください。

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