フランス語で便利な言葉

「D’ailleurs」と「Par ailleurs」の意味の違いと使い分け方【フランス語】

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フランス語の日常会話では、話を繋げるための言葉として「D’ailleurs」「Par ailleurs」という表現が良く使われる。

一見簡単に聞こえる言葉だが、意外と苦戦するフランス語学習者の人が多いのも事実である。

そこで、この記事ではこれらの言葉の意味合い使い方について説明していくとしよう。

本記事の内容
  • 「Ailleurs」という言葉の意味
  • 「D’ailleurs」の意味と使い方
  • 「Par ailleurs」の意味と使い方

おそらくフランス語を勉強したり、フランス人とフランス語を話したことがある人は「D’ailleurs」という言葉を何度も聞いたことがあると思う。

この言葉はかなり頻繁に用いられる言葉で「それに」とか「そもそも」という意味で話を繋げるときに使われることが多い。

例えば、

「Est-ce que tu sais comment utiliser l’expression “D’ailleurs”? D’ailleurs, Peggy vient d’écrire un article dessus, tu pourrais le lire.」

これは、和訳すると「”D’ailleurs”という表現の使い方を知っているかい?そういえばぺぎぃがそれに関する記事を書いたから、読んでみれば?」という意味になる。

しかし、これが何故「D’ailleurs」になって「Par ailleurs」にならないのか?

そもそも「Ailleurs」という言葉の意味は何なのか?

おそらく混乱している方が多いと思うので、この記事では「Ailleurs」「D’ailleurs」「Par ailleurs」の違いについて解説していこう。

因みに(← Par ailleurs)、今回の記事の内容は以前にぺぎぃのYoutubeチャンネルで動画として話した内容でもあるため、気になる方は記事の後半のリンクから見てみることをおすすめする。

ぺぎこ
ぺぎこ
ぺぎこはいつも動画の方が落ち着いて聞くことができるし、内容が理解しやすいのよね!

「D’ailleurs」と「Par ailleurs」の意味の違いと使い分け方

「D’ailleurs」「Par ailleurs」の違いについて話す前に、まずは「Ailleurs」という言葉がそもそもどのような意味なのか、解説していくとしよう。

1-1. そもそも「Ailleurs」とは?

解説

「Ailleurs」「他の場所」「よそ」という意味。
類義語:「Autre part」「A un autre endroit」

「Ailleurs」という言葉は読み方が難しいかもしれないが、カタカナ表記にすると「アイユー」と読む。

これは「よそ(に)」「他の場所(で)」という意味で用いられる言葉である。

例えば、

Les cours de français de Peggy ne me plaisent pas. Je vais aller étudier ailleurs.(ぺぎぃのフランス語の授業は気に食わない。他所へ行くことにしよう)

このような感じで、「どこに Je vais aller étudier なのか?」についてはっきりとは答えていないが、少なくとも「Ici(ここ)ではない」と言いたいきに「Ailleurs(他の場所)」を用いる。

また、以下の様に「Nulle part(どこにも)」「Quelque part(どこか)」「Partout(どこでも)」と連携させることも可能である:

  • Nulle part ailleurs(他のどこにも(ない))
  • Quelque part ailleurs(他のどこか)
  • Partout ailleurs(他のどこでも)

「Ailleurs」=「他所」を用いた例文

1. J’aimerais aller ailleurs pendant les vacances. (休み中は別な場所に行きたいです)

2. Va ailleurs! Je suis occupé! (よそへ行ってくれ!忙しいんだ!)

3. Il a l’esprit ailleurs. (彼の意識はよそにある = ぼーっとしている)

ぺぎこ
ぺぎこ
「アイユー」ってなんか鮎みたいな感じね…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、カタカナ表記にしてしまうとどうしても「r」が欠けてしまうけど、実際には最後の「r」をちゃんと発音するんだよ!

1-2. 「D’ailleurs」=「それに / そもそも」

解説

「D’ailleurs」「それに」「そもそも」「そういえば」という意味。
前に話した内容と論理的に矛盾しない内容を付け加えるときに用いられる。

先程説明した「Ailleurs」という言葉は「他所」という意味だった。

つまり、「Je viens d’ailleursと言った場合には「私は他所から来ました」という意味になっていた。

しかし、ここで注意してほしいのは、「Je viens d’ailleurs とは別に「D’ailleurs」という一つの言葉として成立している表現が存在するということだ。

この「D’ailleurs」という言葉は、もはや「他所から」という意味ではなく「それに」「そもそも」「そういえば」などの代わりに用いられる繋ぎの言葉である。

例えば、日常の口頭会話でも:

– Je ne sais plus où j’ai mis mes clefs de la voiture.(車の鍵をどこに置いたか忘れてしまった)

– C’est bizarre ça… D’ailleurs, tu as une nouvelle voiture?(それはおかしいね… そういえば、新しい車を買ったの?)

のように、前の内容と矛盾しない話題を持ってくるときに良く使う言葉である。

類義語として、以前別な記事で紹介した「Au fait」「A propos」などを挙げることができる。

「Au fait」「En fait」「En effet」の違いと使い分け方【フランス語】この記事では、造りも発音も非常に似通っていることから混同しまいがちフランス語の言葉:「Au fait」と「En fait」と「En effet」について、違いと使い分け方をまとめる。...

「D’ailleurs」=「それに / そもそも」を用いた例文

1. Peggy n’aime pas la piscine. D’ailleurs, il ne sait pas nager. (ぺぎぃはプールが嫌いだ。というか、そもそも泳げないのだ)
⇒ ぺぎぃが「プールが嫌い」というのと「泳げない」という事柄には何かしらの論理的な繋がりがあるときに「D’ailleurs」を用いる。

2. Pegiko a beaucoup d’amis en France, qui d’ailleurs sont français. (ぺぎこはフランスに、フランス人の友達がたくさんいる)
⇒ フランスに住む友達がフランス人であることは理にかなっているため「D’ailleurs」を用いる。「フランスに住んでいるけど、フランス人じゃない人もたくさんいるじゃん」というツッコミがありそうだが、そういう話ではなく、飽くまで論理的に矛盾がないかどうかが鍵になっている。

ぺぎこ
ぺぎこ
確かに「D’ailleurs」って言葉は職場でもよく聞くけど、こういう意味だったのね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうだね。慣れるまでは難しいかもしれないけど、「そもそも」や「そういえば」のような繋がりの言葉だと考えればいいと思うよ。

1-3. 「Par ailleurs」=「その一方で / その反面」

解説

「Par ailleurs」「その一方で」「その反面」という意味。
前に話した内容と異なる内容を付け加えるときに用いられる。

「D’ailleurs」に引き続き、「Par ailleurs」という似たような表現も存在する。

この表現も「passer par + ailleursのように「他の場所を通って~」という意味で使われることもあれば、単体で全く別の意味の表現として用いられることもある。

「Par ailleurs」という言葉は、「その一方で」「その反面」を意味する繋ぎの言葉である。

例えば、先ほどの車の鍵の例を用いると:

– Je ne sais plus où j’ai mis mes clefs de la voiture.(車の鍵をどこに置いたか忘れてしまった)

Par ailleurs, as-tu bien fermé la fenêtre de la cuisine?(ところで、台所の窓はちゃんと閉めたかい?)

このような感じで、「車の鍵を無くした」という話をしているのに、「台所の窓は閉めたのか?」何の論理的な繋がりもない質問をするときに「Par ailleurs」を用いる。

まぁ、この例では「鍵」の話をしているため、「車の → 台所の窓のと全くつながりがないわけではないが、「D’ailleurs」よりは「Par ailleurs」のほうがスッキリするようにぺぎぃには思える。

このばあい、類義語としては「Au fait, rien à avoir mais」という表現を挙げることができるのではないだろうか?

なお、口頭会話で頻繁に用いられる「D’ailleurs」と異なり、「Par ailleurs」は主に筆記で用いられる表現である。理由は定かではない。

「Par ailleurs」=「その一方で / その反面」を用いた例文

1. Peggy n’aime pas aller à la piscine. Par ailleurs, Pegiko adore y aller. (ぺぎぃはプールが嫌いだ。その反面、ぺぎこは(プールが)好きだ)
⇒ ぺぎぃが「プールが嫌い」なのにたいして、ぺぎこは「プールが好き」。このように、同じテーマについて話していても、論理的につながりがなく、むしろ反対のことを述べるときに「Par ailleurs」を用いることができる。

2. Pegiko a beaucoup d’amis en France, qui par ailleurs ne sont  pas français. (ぺぎこはフランスに友達がたくさんいるが、彼らはフランス人ではない)
⇒ 先程の「D’ailleurs」の例とは異なり、今回は「フランスに住んでいる友達」なのに「実はフランス人ではない」ので「Par ailleurs」を用いる。これは論理的にはフランスに住む人はフランス人である確率が高いのに、ぺぎこの友達はフランス人ではないと論理の矛盾を強調するために使われる表現である。

ぺぎこ
ぺぎこ
わかったような気がするけど、「D’ailleurs」「Par ailleurs」もどっちも同じような響きで聞こえてしまって、使い分けられるか自信がないのよ…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、日常会話で最も頻繁に用いられるのは「D’ailleurs」だし、それほど細かく「D’ailleurs」「Par ailleurs」を使い分けている人もいないから、迷ったらとりあえず「D’ailleurs」を使っておけば良い気もするよ。ぺぎこが言う通り、発音も似ているしね。

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【動画】「D’ailleurs」と「Par ailleurs」の意味の違いと使い分け方

少し前に作成した動画になるが、フランス語の「D’ailleurs」「Par ailleurs」の違いについてまとめているので、目だけでなく耳でも覚えたいという方は是非ご覧ください。

本記事にまとめてある内容を10分ほどで解説している:

ぺぎこ&ぺぎぃ
ぺぎこ&ぺぎぃ
それでは、またね!次の記事でお会いしましょう!

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POSTED COMMENT

  1. Poulie より:

    Merci pour votre explication. J’ai bien compris. J’apprends le français à présent. J’ai parlé de votre site à mon professeur de français. Elle a dit que ce site est expliqué en japonais, donc il est très facile à comprendre pour les Japonais. D’ailleurs, elle a dit que ce site est très mignon. Petit à petit, je vais voir votre autre article.

    • onsenpeggy より:

      Bonjour Poulie-san,

      Merci beaucoup pour votre gentil commentaire. Je suis très content d’avoir pu vous aider. (*^▽^*)
      N’hésitez pas à me dire si vous voyez des choses que vous ne comprenez pas dans mes autres articles!

      Peggy

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