フランス語で「聞く」は「écouter」なのか?それとも「entendre」なのか?
そして、「見る」は「voir」なのか?それとも「regarder」?
これらの動詞の使い分け方は非常にシンプル。それは人の行動による違いである。
- フランス語の「écouter」と「entendre」の違いと使い分け方
- フランス語の「voir」と「regarder」の違いと使い分け方
フランス語を勉強していると、授業中に「écoutez s’il vous plait」と言われたりすることがあるが、さて、この「écouter」という動詞と「entendre」の違いは何だろうか?
また、「regarde!(見て)」とある方向を指さされても、「je ne vois rien…(何も見えない)」と返すことがあるが、この「regarder」と「voir」の違いは何だろうか?
この記事では、皆様のこれらの疑問に答えていくとしよう。
ちなみに、「時間がない」とか「記事を読むのが面倒くさい」という方のために、今回もYoutube の動画バージョンを作成したので、目で読むより耳で聞く方が勉強になるという方は、記事の後半から動画に飛んでもらえれば嬉しい。
3分ほどで、「écouter / entendre」と「voir / regarder」の違いが理解できるようになるだろう。
目次
フランス語の「Ecouter」と「Entendre」の違いと使い分け方
この章では、フランス語の動詞「écouter」と「entendre」の違いについて説明しよう。
1-1. 「Ecouter = 聞く」「Entendre = 聞こえる」
ポイント
「Ecouter」と「Entendre」の違いは行動の違い。
「Ecouter」⇒ 「聞く」(自発的)
「Entendre」⇒ 「聞こえる」(受け身)
非常に単純な話だが、「Ecouter」と「Entendre」の違いは、動作を行っている人が自発的に耳を澄まして「聞いている」のか、それとも受け身な姿勢でただ単に「聞こえている」だけなのか、これだけの話である。
1-2. 詳しい説明と例文
例えば、フランス語の授業に出ている生徒が2人いるとしよう。真面目なA君と、集中力が低いB君だ。
A君の場合は、先生が言っていることをしっかりと聞いて、メモを取っているので、
「L’étudiant A écoute ce que dit son professeur de français. (生徒Aはフランス語の先生が言っていることを聞いている)」
ということができる。
しかし、B君の場合は、先生が言っていることは聞こえてはいるが、隣の生徒とひそひそ雑談をしていたり、夕食のおかずは何かと考えていたり、昨日のドラマの続きを考えていたりと、全く内容が耳に入ってきていない。
その場合、
「L’étudiant B entend ce que dit son professeur de français mais ne l’écoute pas. (生徒Bはフランス語先生が言っていることを聞こえてはいるが、聞いていない)」
と表現することになる。
理解しただろうか?
A君の場合は自発的に「授業を聞く」ことに集中しているのに対し、B君の場合は、先生の話を「ノイズ」として聞こえてはいるものの、何を言っているかまでは理解していない。
この場合、A君の「聞く」をフランス語では「écouter」、そしてB君の「聞こえる」をフランス語では「entendre」と言う。
英語に例えると
英語ができる方なら、更に理解が速いと思うが、
- フランス語の「écouter」は英語の「to listen (to)」
- フランス語の「entendre」は英語の「to hear」
に該当するものと思われる。
「Ecouter」と「Entendre」を用いた例文
Peggy adore écouter de la musique classique. (ぺぎぃはクラシック音楽を聴くのが好きだ)
Je n’entends rien. Vous êtes sûr qu’il y a quelqu’un? (何も聞こません。本当に誰かがいるのですか?)
Tu m’écoutes quand je parle? (私の話を聞いているの?)
J’ai entendu mais je n’ai pas écouté. (聞こえましたが、聞いていませんでした)
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フランス語の「Voir」と「Regarder」の違いと使い分け方
前章の「écouter」と「entendre」の違いとかなり似ているが、この章ではフランス語の動詞「voir」と「regarder」の違いについて説明しよう。
2-1. 「Regarder = 見る」「Voir = 見える」
ポイント
「Regarder」と「Voir」の違いは行動の違い。
「Regarder」⇒ 「見る」(自発的)
「Voir」⇒ 「見える」(受け身)
先程の「Ecouter」と「Entendre」の使い分け方と全く同じであるが、「Regarder」と「Voir」の違いは、動作を行っている人が自発的に目を凝らして「見ている」のか、それとも受け身な姿勢でただ単に「見えている(=目に入っている)」だけなのかの違いである。
2-2. 詳しい説明と例文
例えば、フランス語の授業の例を再び用いよう。登場人物はさっきと同じく真面目なA君と、集中力が低いB君だ。
A君の場合は、先生が黒板に書いている内容を熱心に読んで、自分のノートに書き写している。つまり、黒板の文字を自発的に見ている状態だ。
この場合、フランス語では:
「L’étudiant A regarde ce qu’écrit son professeur de français. (生徒Aはフランス語の先生が書いている内容を見ている)」
ということができる。
それに比べて、集中力が低下気味のB君の場合は、先生が黒板に書いている内容が目に入ってはいるが、すぐ前に座っている女子生徒Cさんのことばかりが気になってしまっている。
つまり、この場合はフランス語で:
「L’étudiant B voit ce qu’écrit son professeur de français mais regarde plutôt l’étudiante C qui est assise devant lui. (生徒Bはフランス語の先生が書いているものを見えてはいるが、どちらかというと、自分の前に座っている生徒Cのことを見ている)」
と表現することができる。
理解できただろうか?
A君の場合は自発的に「先生が書いている内容を見て、書き写す」ことに集中しているのに対し、B君の場合は、先生が書いているものが文字であるということまでは頭で理解できているものの、内容が何なのかまでは認識できていない。つまり「見えている」けれど「見ていない」状態にある。
この場合、A君の行動をフランス語では「Regarder(見る)」、そしてB君の行動を「Voir(見える)」と表現することになる。
英語に例えると
こちらもまた、英語ができる方なら、更に理解が速いと思うが、
- フランス語の「regarder」は英語の「to watch」
- フランス語の「voir」は英語の「to see」
におよそ該当するものと思われる。
「Ecouter」と「Entendre」を用いた例文
Pegiko regarde beaucoup la télévision. (ぺぎこはテレビをよく見ている)
Est-ce que tu as vu ce paysage magnifique? (この美しい景色を見たか?)
⇒ この場合は「この景色が目に入ったか」の意味で言っているため「Voir」を使っているが、「この景色をしっかりと見てみたか」という意味で「Regarder」を用いても問題ない。ニュアンスが少し異なるだけの話である。
Regarde ce grand ciel bleu! (この広がる青空を見てごらんよ!)
J’ai bien regardé, mais je n’ai rien vu. (よく見ましたが、何も見えませんでした)
⇒ 暗闇に隠れている物を探すときなど。
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動画で:フランス語の「Ecouter」と「Entendre」/「Voir」と「Regarder」の違いと使い分け方
動画で学びたいという方は、下のリンクからYoutubeの説明動画に飛んでいただければ幸いである。
3分ほどで、「Ecouter」と「Entendre」、そして「Voir」と「Regarder」の違いについて説明しよう。
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