フランス語で便利な言葉

フランス語で「Du coup」の意味と使い方

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フランス語で暮らしていると、日常的に聞こえる言葉が一つ存在する。

それは「Du coup(デュ・ク)」という言葉である。

特に最近では、街中でも、友達同士でも、ニュースでも、ビジネスでも、「Du coup」「Du coup」あらゆる場面で非常に良く用いられている

しかし、フランス語を勉強中の日本人の中には、いまいちこの言葉の意味が分からなかったり「Donc」との使い分け方が難しいという方もいる。

そのため、この記事では「Du coup」最近の使われ方と、本来の正しい使い方について書いていこうと思う。

本記事の内容
  • 現代の「Du coup」の使われ方
  • 本来の「Du coup」の使い方

ちなみに、今回の内容は、ぺぎぃのYoutubeチャンネルでも動画にして話している内容なので、文字を読むのではなく耳で聞いて覚えたいという方は是非そちらも見てみることをおすすめする。リンクは記事の後半に貼っておく。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
それでは、さっそく一緒に「Du coup」の使い方を見ていくとしようか!

フランス語で「Du coup」の意味と使い方

「Du coup」という言葉は、フランスでは本当にあらゆる場面で用いられる言葉である。

しかし、フランスの国立学術団体である Académie française(アカデミー・フランセーズ)によると、最近のフランス語の「Du coup」の使われ方は実は間違っているとのこと。

そこで、この記事では、現代のフランスで頻繁に用いられている「Du coup」の意味と、アカデミー・フランセーズが推奨する本来あるべき「Du coup」の使われ方の両方について解説していこう。

1-1. 「Du coup」=「それで / その結果」(現代)

まずは、フランスの現代社会で頻繁に使われる「Du coup」の意味について説明していこう。

解説

現代のフランスでは、「Du coup」「それで / その結果」という意味で用いられることが多い、口頭会話向けの言葉である。

ここで言う「Du coup」は、「Donc」「Par conséquent」「De ce fait」などの類義語と同じように、A の物事があって、その結果に B の物事が成立するときに使われるのである。

簡単な例を挙げると、

A) Peggy n’a rien mangé depuis hier soir. (ぺぎぃは昨晩から何も食べていない)

B) Peggy a très faim aujourd’hui. (ぺぎぃは今日とてもお腹を空かせている)

このように A) の文があった結果として、B) の状況が生まれている場合、本来なら:

A) + B) Peggy n’a rien mangé depuis hier soir. Donc il a très faim aujourd’hui. (ぺぎぃは昨晩から何も食べていない。そのため、今日はとてもお腹を空かせている)

と書くところを、口頭会話では「Donc」の代わりに「Du coup」を用いて:

A) + B) Peggy n’a rien mangé depuis hier soir. Du coup, il a très faim aujourd’hui. (ぺぎぃは昨晩から何も食べていない。それで、今日はとてもお腹を空かせている)

と言うことができるのである。

ただし、「Donc」の場合は飽くまで「A の結果 B がある」堅苦しい言葉だったのに対して、「Du coup」「Alors」のように話を繋げるときにも用いることができる、よりソフトな言葉である。

他にも「Du coup」は「それじゃあ、どうしようか?」や「じゃあ、そうするか!」の「それじゃあ」や「じゃあ」の代わりに用いることもある。その場合、「Du coup, on fait quoi?」と文頭に置いても良いし、「On fait quoi du coup?」と文末に置いてもよいので、使い勝手が非常に良い便利な言葉である。

「Du coup」を用いた例文

1. Il y a beaucoup de vent aujourd’hui. Du coup, je pense qu’on va annuler le pique-nique. (今日は風が強いので、ピクニックは中止にしたいと思います)

2. Tu as compris, du coup? (それで?理解したのかい?)
「Donc」の場合には、飽くまで「つまり」という意味で用いることが多く、文末に置いたりすることはできないが、「Du coup」の場合にはより柔軟に「それで?」という意味で用いることができるため、文頭でも文末でも好きに用いることができるという特徴がある。

3. Du coup, Pegiko ne viendra pas aujourd’hui? (じゃあ、ぺぎこちゃんは今日来ないの?)
⇒ 前に話していた会話の流れから導き出される結果として、「じゃあ、今日はぺぎこちゃんは来ないのね?」と聞くとき。

ぺぎこ
ぺぎこ
とても便利な言葉なのね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうだね!ただし、最近ではこのような使い方が一般化されているとはいえ、本来の正しい使い方ではないから好まない人もいたりするよ。これからそれについて説明していこう!

1-2. 「Du coup」=「とたんに / すぐさま」(本来)

ここまで書いてきたのが、「Du coup」の現代の使われ方である。

非常に柔軟性があり、使いやすい言葉なので、ぺぎぃも口頭会話ではついつい使ってしまいがちだが、少しお堅い人達からしてみると、これは本来の使い方とは全く違うものであり、「正しくないフランス語」として見られることも少なくはない。

そこで、ここでは Académie française(アカデミー・フランセーズ)のサイトを参考に、「Du coup」の本来の使い方について書いていこうと思う。

因みに参考にしたのは次のリンクの記事である:http://www.academie-francaise.fr/du-coup-au-sens-de-de-ce-fait

解説

本来は「Du coup」「とたんに / すぐさまという意味で用いられる言葉であり、「それで / その結果」という意味ではない。

お分かりだろうか?

今まで第1章でぺぎぃが説明してきた「Du coup」の使い方も、今までぺぎぃがフランスでずっと使ってきた「Du coup」の使い方も、フランス人の90%が口頭会話で用いている「Du coup」の使い方も、実は全て間違いなのである

Mais du coup, qu’est-ce que ça change?
(それじゃあ、どうすればよいのか?)

結論から言ってしまうと、特に気にする必要はないとぺぎぃは思う。

何故なら、現代社会のフランスでは第1章で書いたような「Du coup」の使い方が一般化されてしまっているため、今更アカデミー・フランセーズ「皆さん、そのフランス語は文法的におかしいですよ!」と言ったところで焼け石に水だからである。

今後、もし本格的にフランスで文法革命が起きて、「Du coup」を本来の使い方に戻そうという動きがあれば、この記事を改変する必要があるかもしれないが、その日までは特にそこまで気にする必要はないとぺぎぃは考える。

本来の「Du coup」の使い方

それでは、前置きが長くなってしまったが、「Du coup」本来の使い方について、より詳しく見ていくとしよう。

アカデミー・フランセーズのサイトによると「Du coup」というのは「とたんに」「すぐさま」という意味で用いるべき言葉とされている。

その理由として、「Du coup」「Coup」の部分は本来なら「(一発の)パンチ」という意味で使われていたため:

Un poing le frappa et il tomba assommé du coup. (パンチがヒットし、それによって彼は気絶して倒れた)
⇒ 「パンチが当たったが早いか、そのパンチによって彼はすぐさま倒れた」という意味。

(参照:http://www.academie-francaise.fr/du-coup-au-sens-de-de-ce-fait

として使われていたからである。

そこから「Aussitôt」のような感じで、「すぐさま」「とたんに」という意味が加わったとされている。

つまり、再びアカデミー・フランセーズからの例文を使わせていただくと:

Il a échoué à l’examen. Du coup, il a dû le repasser l’année suivante. (彼は試験に落ちた。すぐさま、翌年再度試験を受ける羽目になった)
⇒ 第1章で話した内容では、口頭会話では問題なく用いてもよいと書いていたが、本来なら「Du coup = すぐさま」という意味であるため、「すぐさま、翌年」という非常に違和感ある意味になる。

Il a échoué à l’examen. De ce fait, il a dû le repasser l’année suivante. (彼は試験に落ちた。その結果、翌年再度試験を受ける羽目になった)
⇒ この「De ce fait」「Donc」「Par conséquent」の類義語である。主に筆記で用いる言葉。

このように、本来なら「瞬時に」みたいな素早い切り替えがない限りは、「Du coup」は用いることができず、代わりに「Donc」「De ce fait」などの言葉を用いたほうが文法的には正しいのである。

「Du coup」を用いた「正しい」例文

1. Un pneu a éclaté et du coup la voiture a dérapé. (タイヤが破裂したとたんに車はスリップした)
⇒ 瞬時にという意味合いが含まれている。

2. Peggy a frappé dans la balle et du coup, elle est partie très très loin.(ぺぎぃがボールを打った瞬間、遥か彼方に飛んで行った)
⇒ 野球などで、ボールを打った瞬間にカキーンと遠くに飛んでいくときに使う。

3. Il s’est mis à pleuvoir et du coup nous étions trempés. (雨が降り出したが早いか、びしょ濡れになった)
⇒ 「Donc」よりも「瞬時に」という素早さが強調されている。

ぺぎこ
ぺぎこ
フランス語は中々奥が深いのね...
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁね!でも、繰り返しになるけれど、今回話した内容は飽くまで「本来あるべき正しい Du coup の使い方」というだけで、ぺぎぃを含め、「それで」や「その結果」という意味で「Du coup」を日常的に使っているフランス人はたくさんいるから、そこまで心配する必要はないよ。

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動画で学ぶ「Du coup」の意味と使い方

冒頭でも書いたが、今回の記事の内容は、実は『ぺぎぃのフランス語講座』というYoutubeチャンネルに投稿した動画をベースに作成したものである。

10分ほどで終わる短い動画なので、実際に「Du coup」を会話の中でどのように使うのかを耳で覚えたいという方は、下の動画をご覧ください:

ぺぎこ&ぺぎぃ
ぺぎこ&ぺぎぃ
それでは、じゃーねー!質問や要望があればコメント欄で受け付けるよ!

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