英語でもフランス語でも、外国語を勉強する過程で「何故母国語と外国語では覚えるスピードや能力が異なるのだろう?」と考えた方はいないだろうか?
本記事では、母国語と外国語を学ぶときには、使うことができる脳のキャパシティが違うことについてぺぎぃの持論を述べたいと思う。
- 母国語と外国語では脳のキャパシティが違う【ぺぎぃの持論】
簡単に自己紹介から済ませると、ぺぎぃは日本人の母とフランス人の父のもとに生まれた日仏ハーフである。
今回は、幼いころからフランス語と日本語を両方日常生活で使っていく上で何となくわかってきたものについて話したい。それは、語学を取り入れる「脳のキャパシティ」についてである。
目次
母国語と外国語では脳のキャパシティが違う
まず、「脳のキャパシティ」とは何か?それは語学等を学ぶ際に必要となってくる脳のメモリである。一般的な人の脳のキャパシティを100とすると、外国語を一切学んでいない人は、自分の脳の100のキャパシティをそっくりそのまま自分の母国語で使えることになる。つまり、100パーセント母国語の状態である。
1. 母国語に対する脳のキャパシティ
では、一般の人が母国語に対して使うことができる脳のキャパシティはどれくらいだろうか?
ぺぎぃの考えでは、それは大体60~80くらいである。
ここで何故、100パーセントではなく、「60~80」という微妙な数字にしているかというと、人それぞれで日本語のレベルが異なるからである。
例えば、学生時代からスポーツに明け暮れていた熱血スポーツ男子と、幼いころから本を読み続け、文学系の道へ進んで小説家となった女性とでは、日本語のレベルが違うことが容易に想像できるだろう。仮に、熱血スポーツ男子くんの日本語レベルを60とすれば、小説家の女性の日本語レベルは80に近い数値になるであろう。80~100はもはや超上級者レベルである。ただし、60であれ、80であれ、二人とも日本人なのである。つまり、「日本語=母国語」のレベルには無論到達している。
2. 外国語に対する脳のキャパシティ
では、「日本語=外国語」の場合はどうだろうか?例えば、海外から日本へ留学しにきた学生を例にとって考えてみよう。仮に名前をA君とする。
A君の母国語レベルは60~80である。これは、「日本語=母国語」とする日本人と一緒だ。しかし、A君にとっては「日本語=外国語」である。つまり、A君の日本語レベルは母国語レベルよりもはるかに低い数値になる。よくて、30~50と言ったところである。
ぺぎぃの経験上、どんな言語でもレベルが40以上あれば「普通に話せる」と考えてよい。
例えば、英語レベルが40以上あれば、TOEICに置き換えた場合に800点以上あることになる。これは、仕事で英語を使うにも困らないレベルであるし、海外へ行っても十分に通用するレベルである。
レベルが50に到達すれば、TOEIC990点、つまり「外国語としての英語を完全マスターした」という領域に到達したことになる。フランス語でいえばDELF C2、中国語であればHSK6級レベルである。英検、仏検なども試験内容は全く異なるが、だいたい同じように考えてよい。飽くまでイメージの話である。
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脳のキャパシティの限界値:外国語に対する「言語の壁」
1. 「言語の壁」とは何か?
一般人の脳のキャパシティでは、母国語をレベル80以上、外国語をレベル40以上まで持っていければ、上等である。特に外国語のレベルを50以上に持っていくのは並大抵のことではない。これが、まさに「言語の壁」である。
一つ考えてみてほしい。英語レベルが50をTOEICで990点(満点)とするならば、英語レベルが50の人は英語を母国語レベルと言えるのだろうか?
答えは、NOである。
なぜなら、「英語レベル50=外国語としての英語を完全マスターした」であって、「英語=母国語レベル」ではないからである。
実際に、TOEICで950点以上の高得点を取っている人と、イギリスやアメリカなどの英語圏で育った人との英語能力を比較してみてほしい。違いは明白である。TOEIC950点を取った日本人A君の英語レベルは、ネバダ州の田舎を歩いている村人Bさんの足元にも及ばない。
2. 「言語の壁」を超えるにはどうすればよいか?
では、英語を母国語と呼ぶには、いったいどれだけのレベルが必要なのか?
それは、前章で話した日本語の母国語レベルと同じく、英語レベルが60~80必要となることになる。これは、一般的には絶対に到達することができない数値である。生まれながらにして、英語を母国語として学んだ人を除いては。
つまり、一般的な人には、どんなに努力や勉強を重ねても、外国語として学ぶ言語を、自分の母国語と同じレベルに持っていくことは残念ながら不可能ということである。これこそが、まさに「言語の壁」と呼ぶものの仕組みである。
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