フランス語で便利な言葉

フランス語の「penser」「croire」「trouver」の違いと使い分け方

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「フランス語の Penser と Croire はどうやって使い分ければよいの?」
「Trouver ってなに?」

最近、このような質問を受けたので、本記事ではフランス語の動詞「Penser」「Croire」「Trouver」ニュアンスの違い使い分け方について説明していくことにしよう。

本記事の内容
  • フランス語の動詞「Penser」の意味と使い方
  • フランス語の動詞「Croire」の意味と使い方
  • フランス語の動詞「Trouver」の意味と使い方

フランス語では「○○を思う」「○○だと思う」と表現する際に、一般的には「Penser」「Croire」「Trouver」のいずれかの動詞を用いることになる。

勿論、他にも「Supposer」「Avoir l’impression」など、もう少し珍しい表現も存在するには存在するのだが、基本的には十中八九「Penser」「Croire」「Trouver」を使用する。

しかし、これらの言葉の違いは一体何だろうか?

何となく同じ意味だと思って使ってしまっていないだろうか?

実は「Penser」「Croire」「Trouver」微妙にニュアンスと使い方が異なるのである。

そこで今回の記事では、これらの言葉の意味の違い使い分け方について詳しく説明していきたいと思う。

また、記事ではなく、動画で学びたいという方は、ぺぎぃのYoutubeチャンネルからご視聴いただければ幸いである。以下にリンクを搭載しておこう:

ぺぎぃ
ぺぎぃ
それでは、今回も張り切ってフランス語を勉強していくとするか!

フランス語の動詞「Penser」の意味と使い方

1-1. 「Penser」=「思う / 考える」

ポイント

「Penser」論理的に思考を組み立てて「思う / 考える」と表現するときに用いる。

解説

例えば、フランスの哲学者 Descartes(デカルト)の言葉に「我思う故に我あり」というものがある。

これをフランス語で書くと「Je pense donc je suis」と動詞「Penser」を用いて表現することになる。

ここで言う「Penser」というのは、何となく物事をぼんやりと考えていたりする状態のことではなく、自分の存在を意識しながら考えを巡らせている状態のことを指している。

つまり、「Penser」という動詞は、直感や心に左右されて物事を考えるというよりは、論理的に思考を組み立てていって「思う」「考える」と表現するときに用いる言葉である。

例えば、

  • A) Je pense qu’il faut tourner à gauche.(左に曲がるべきだと思う)
  • B) Je crois qu’il faut tourner à droite.(右に曲がるべきだと思う)

フランス語で良く耳にするフレーズだが、厳密に言えば A) のフレーズは何かしらの根拠があって「左に曲がるべき」と言っているのに対し、 B) のフレーズでは特に根拠がなく、直感「右に曲がるべき」と言っているのである。

例えば、地図を見ながら左に曲がるべきだと判断していたり、周囲の状況(看板がある、目印があるなど)から左に曲がるべきだと判断している場合には「Penser」を用いる。

逆に、特に根拠があるわけではなく、直感だけで「右でしょ」という時には「Croire」を用いることになる。

ぺぎこ
ぺぎこ
ほうほう、なるほど!それはまったく知らなかったですよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、正しく言えばそうなるってだけで、実際にはフランス人であっても「Penser」「Croire」を区別しないで適当に使っている人も多いから、そこまで気にしなくてもいいよ。

1-2. 「Penser」を用いた例文

1. Je pense que Peggy est un pingouin intelligent.(ぺぎぃは頭が良いペンギンだと思います)
⇒ 何故なら、人間の言葉がわかる上に、フランス語も日本語も話すことができるなど、論理的に考えて「ぺぎぃは頭が良い」という意味。

2. Je pense que j’ai raison.(私が正しいと思います)
⇒ 論理的に考えて、自分が正しいときに用いる表現。

3. Je pense qu’il va bientôt pleuvoir.(もうすぐ雨が降ると思う)
⇒ どんよりした雨雲や雷がなる音が聞こえていたり、朝見た天気予報で雨を予報していたなど、論理的に思考を組み立てれば「もうすぐ雨が降る」という状態に辿り着く場合に言う。

4. Pegiko pense tout le temps à Peggy.(ぺぎこはいつもぺぎぃのことを考えている)
「Penser à ○○」で「○○のことを考えている」という意味。

5. Qu’est-ce que tu en penses?(これをどう思う?)
⇒ どのように思うのか、「君の考えを聞かせてほしい」という意味。他にも「Comment tu trouves cela?」「Trouver」を用いて、「君の感想を聞かせてほしい」と表現することもできるが、「Croire」は直感に対してしか使えないので、ここでは用いることはできない。

「Penser」と似たような意味や使われ方をする動詞に「Supposer」が挙げられる。ただし、個人的には「Penser」の方が確信度が高いイメージ。

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フランス語の動詞「Croire」の意味と使い方

2-1. 「Croire」=「思う / 信じる」

ポイント

「Croire」直感潜在意識的に「思う / 信じる」と表現するときに用いる。論理的には説明がつかない物事の方が多い。

解説

例えば、「あなたは神様を信じますか?」とフランス語で尋ねるときCroyez-vous en Dieu?」と言ってPensez-vous à Dieu?」とは言わない。

何故なら、神様の存在を信じるかどうかは、論理的に説明できることよりも、直感や潜在意識的に感じることの方が多いからである。

ことさらに、Pensez-vous à Dieu?」と言ってしまうと、「あなたは神様のことを考えていますか?」と全く別の意味を持った文になってしまうので注意が必要である。

つまり、

  • 論理的に説明が難しいもの
  • 直感で判断しているもの

に対して「思う」と表現する際には「Penser」ではなく、「Croire」を用いる。

また、「Croire」「信じる」という意味も持つので、個人的には「Je penseよりも「Je croisの方がやや確信度が高い気がする。「Penser」7割なら、「Croire」8割と言ったところだろうか…

2-2. 「Croire」を用いた例文

1. Je crois que Pegiko m’aime bien.(ぺぎこが私のことを好きだと思います)
⇒ 論理的に説明はできないが、直感で「ぺぎこが自分のことを好きだと思っている」という意味。

2. Je crois que tu as raison.(たぶん、君が正しいです)
⇒ 大きな根拠があるわけではないが、相手の考えが正しいと信じられるときに持ちいる。もし相手が論理的に自分の考えを述べていて、それに賛同しているのであれば「Je pense que tu as raison」と言う。

3. Je crois qu’il va bientôt pleuvoir.(もうすぐ雨が降ると思う)
⇒ これは、雨雲などの論理的な根拠よりも自分の直感の方が上回っているときに使う表現。

4. Peggy croit en Pegiko.(ぺぎぃはぺぎこのことを信じている)
「Croire en ○○」で「○○のことを信じている/信頼している」という意味。

5. Qu’est-ce que tu crois?(何を思っている?/あたりまえだろ?)
⇒ 少し特殊なフレーズ。「何を信じている?」という意味ではなく「何のつもりだ?あたりまえだろ?」のようなニュアンスで用いられることが多い。例えば、何かしらの勝負で相手が勝ったときに「俺に勝てると思っていたのか?」のような意味合いで使われる。

「Croire」と似たような意味や使われ方をする動詞に「Avoir l’impression (de)」が挙げられる。これは言葉通りに「説明ができないが印象的に○○だと思う」という意味で用いる表現である。

2-3. 「Penser」や「Croire」を用いる際の注意点【体験談】

「注意点」と称すのは、少々大げさかもしれないが、ぺぎぃの経験上、フランスではあまり「Je pense「Je croisを多用してしまうと嫌われてしまう傾向がある。

日本の場合には、謙遜の意味も含めて、「○○だと思います」「○○をしていただければと思います」のように頻繁に「思います」というフレーズを用いる習慣があるが、フランスでは「Je pense「Je croisを四六時中使っている人は「ああ、自分に自信がない人なんだな」と評価されてしまうことが多い。

例えば、ぺぎぃもフランスの会社に就職してまだ間もない頃にプロジェクトに対する意見を求められ、「Je pense que …」で文を始めたところ、課長から「Je pense というのは、自分の発言に自信がない証拠だ。ちゃんと自分の意見が言えるように考えをまとめてから出直してきなさい。」と注意されたことがある。

同様に、エンジニア学校に入る前の Classes Préparatoires(=高校と大学の間の準備学校のようなもの)でも、黒板で数学の問題を解いている際に「それは正しい答えなのか?」と先生に問われ「Oui, je penseと返答したところ、「Tu penses? Tu supposes? Tu supputes? ou tu dis de la merde?」と返されてしまったことが印象に残っている。

簡単に言えば、「思う」と発言するのは「自分の考えを断言できる自信がない」と白状してしまっているのと同じということである。

論理的な思考を述べる「Penser」ですらこのような評価をされるので、直感に基づいて話す「Croire」なら更に「あいまいな人」「自身がない人」のレッテルを貼られる可能性がある。

そこで、多少自分に自信がある場合には「Je pense que …」でも「Je crois que …」でもなく、「C’est …」と断言してしまうことをおすすめする。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、無理にというわけではないけれど、仮に間違って断言してしまったとしても、あとあと「Ah, je me suis trompé!」と訂正すれば何も問題ないわけだしね!
ぺぎこ
ぺぎこ
確かにフランス人は議論が好きだから、「Je pense」で逃げ腰の人に対しては、不快感を抱く人が少なからずいるのよね… コロナ対策のマスクの時にも「マスクは不要だ!」と断言しちゃっていたし。

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フランス語の動詞「Trouver」の意味と使い方

「Trouver」という動詞は「思う」の他にも「見つける」「見いだす」という意味で用いられることが非常に多い。

しかし、今回の記事では飽くまで「Je trouve que ○○(○○だと思う/感じる)」という意味で用いたときの「Trouver」に限定して説明していくことにする。

3-1. 「Trouver」=「思う / 感じる」

ポイント

「Trouver」は自分の感覚五感をもとに「思う / 感じる」と表現するときに用いる。主に意見に対して用いる言葉。

解説

今までに挙げてきた「Penser」「Croire」の場合には、論理的思考なのか直感なのかという細かいニュアンスの違いがあるとはいえ、入れ替えて使ってしまっても特に大きく問題にならないことが多い。

しかし、「Trouver」の場合は、「Penser」「Croire」とは完全に異質な動詞だと考える必要がある。

「Trouver」というのは、主に何かを見たり何かを聞いたり何かを味わったりなどと、五感にもとづいて自分の意見を相手に伝えるときに用いる言葉である。

例えば、結婚式場で花嫁のドレスをみて「きれいなドレスだな」と感じたとしよう。

日本語では「きれいなドレスだと思いますと自然に「思う」という動詞を用いることができるが、フランス語の場合には:

  • A) Je pense que ta robe est jolie.
  • B) Je crois que ta robe est jolie.
  • C) Je trouve que ta robe est jolie

このように様々な表現が考えられる。

A) Je pense que ta robe est jolie.

「Je penseというのは論理的な思考が入ったうえでの「思う」なので、A) の文を少し大げさに訳すと「あなたのドレスがきれいだと論理的に思いますということになってしまう。

誉め言葉としては、少し違和感が感じられるのがお分かりだろうか?

 

B) Je crois que ta robe est jolie.

同様に「Je croisというのは直感で信じられるものに対して使う「思う」なので、B) の文を日本語に訳すと「あなたのドレスがきれいだと私の直感が言っていますというような意味合いになる。

これもまた、実際にドレスを目の前にしているのに直感も何もないことがお分かりだろうか?

そこで役立つのが「Trouver」という動詞である。

C) Je trouve que ta robe est jolie.

この C) の文を日本語に訳すと、一番自然な「あなたのドレスはきれいですね(=きれいだと感じます)」となる。

つまり、とある物事に対して、感覚を用いた意見や感想を述べるときには、「Penser」でもなく「Croire」でもなく、「Trouver」を用いるのである。

3-2. 「Trouver」を用いた例文

1. Je trouve que Peggy est drôlement intelligent.(ぺぎぃはとても頭がよいと思います/感じます)
⇒ これは実際にぺぎぃという人物を見てからの感覚的な意見を語っているフレーズ。「Je pense que Peggy est intelligent」のように何かしらの論理的な根拠に基づいて「思う」わけでもないし、直感だけで「Je crois que Peggy est intelligent」と言っているわけでもない。

2. Pegiko trouve que le français est difficile.(ぺぎこはフランス語は難しいと思っている/感じている)
⇒ 日本語に訳すと全て「思う」で片付けられるためニュアンスが難しいが、これは「ぺぎこはフランス語が難しいと考えている/想像している」という意味ではなく、実際にフランス語を体験してから「フランス語は難しい言語だな」と感じているという意味なる。

3. Je trouve qu’il fait beau.(良い天気だと思う/感じる)
⇒ これは、実際に外に出て天気を見てから、「個人的に、これは良い天気の部類だと思う」と意見を言っていることになる。逆に、「Je trouve qu’il va bientôt pleuvoir」のように、まだ起きていない出来事に対しては「Trouver」で意見を言うことはできない。

4. Comment trouves-tu cette leçon?(この授業をどう思いますか?)
⇒ 授業に対する意見や感想を求めるフレーズ。他にも「Que penses-tu de cette leçon?」と尋ねて、授業について論理的にどう思っているのかを尋ねることもできるが、「Que crois-tu de cette leçon?」と言うことはできない。

ぺぎこ
ぺぎこ
おおおお!これはかなりスッキリしたですよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、一度理解してしまえば、大して難しい話ではないからね!

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おまけ:質問系のフレーズの場合

最後におまけとして、質問系のフレーズの場合のニュアンスの違いについて、動画でまとめてみた。

今までに書いてきた記事内の例文でも少しだけ触れてきたが、例えば「Qu’est-ce que tu en penses?」「Comment tu trouves ○○?」などのフレーズの使い分け方についてである。

興味がある方は是非とも上のリンクから動画をご視聴いただければ幸いである

ぺぎこ&ぺぎぃ
ぺぎこ&ぺぎぃ
それでは、他に説明してほしい単語や文法のリクエストがあったら遠慮なくコメント欄に残していってね!

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