フランス語を頑張って勉強して、いざフランスに留学してみた。
しかし、おやおや?
授業では全く教えてくれなかったのに、フランス人が日常的に使っている言葉がいくつかあるではないか!しかも、かなり頻繁に。
そう、俗語である。フランス語では「Gros mots(=大きな言葉)」と言う。
この記事では、ぺぎぃが今までフランスで生まれ育ってきた中で、最も頻繁に使用される俗語について、その意味と使い方を紹介していくことにしよう。
- フランス語で最も頻繁に使われる俗語の意味と使い方【5選】
まぁ、これらの言葉は非常に低俗な言葉であるため、ぺぎぃ自身も学校の授業や親からすらも教わったことがない。
しかし、実際にフランスで30年程暮らしていると、嫌でも毎日何十回も何百回も耳にする言葉なので、勉強しなくても自然に身につけることができたのである。
おそらく、この記事に出てくる5つの俗語とそのバリエーションの意味を覚えておけば、まず間違いなくフランスの現地生活に100%溶け込むことができることだろう。
記事を読むのが面倒くさかったり、実際にフランス語のネイティブ発音を耳で学びたいという方には、この記事の最後にYoutube の動画バージョンも作成したので、そちらを見ていただけると嬉しい。10分程で、フランス語の主な俗語の知識が身につく動画である。
フランス語で最も頻繁に使われる俗語【5選】
念のため注意してほしいが、これらの言葉は「俗語」なので、フォーマルな場やメール・手紙には向いていない。
カジュアル限定と言った方が良いだろう。
勿論フランス人の中には、ところ構わず「Putain! Putain!」と言いまくっている人を見かけたりもするが、その発言者の民度の低さが問われてくるので、個人的にはお勧めしない。
飽くまで友達や親しい中限定で用いる言葉である。
さて、それでは第1位から紹介していくことにしよう。
1位:「Putain(ピュタン)」
本来の意味と使われ方
「Putain(ピュタン)」とは、本来は売春婦を示す非常に低俗な言葉だったが、現代のフランス語ではその意味はかなり薄れ、「くそ!」や「畜生!」と言いたいときに言い放つ言葉になっている。
英語では「Fuck!」という言葉にどこかしら似ている気がする。
この「Putain」という言葉は、フランスでは最も頻繁に使われている俗語で、よく街中や映画などで、事あるごとに「チッ」と舌打ちをする代わりに「Putain!」と小声で囁いたり、怒り狂ったときに大声で「Mais putain!」と言い放つ人を見かけることがある。
また、他にも、場合によっては自分の驚きや意外さを強調する言葉として「Putain」が使われることがある。
例えば、英語でも「Its fucking amazing!」と言ったりするような感じで、フランス語では「C’est putain de génial!」と言うことがある。だからといって、低俗な表現には相違ない。
例文
Putain, il commence à pleuvoir! (うわ~、雨が降ってきたよ!)
Putain, je suis mort… (畜生、俺はもうだめだ...)
Putain, mais c’est génial! (やば!最高じゃん!)
Tu es un putain de génie! (お前ってくそ天才だな!)
2位:「Merde(メードゥ)」
フランスで2番目に頻繁に用いられている俗語は「Merde」。
本来の意味と使われ方
この言葉は、「une merde」や「de la merde」のように冠詞を用いて使うこともあれば、先ほどの「Putain!」と同じように「Merde!」と単体で発言されることもある。
言葉の本来の意味は「糞」であり、冠詞を用いて「une merde」とか言う場合にはそれに限りなく近い意味になる。他にも「カス」や「ゴミくず」と言ったニュアンスで受け止められることもある。
逆に単体で「Merde!」と発言されるときには、英語の「Shit!」と同じような感じで、「しまった!」とか「やっべ!」の意味で使われることの方が多い。
例文
C’est de la merde. (これはゴミだ / これは糞だ)
Merde! Je vais être en retard! (やばい!遅刻する!)
T’es vraiment une merde toi. (お前は本当にカスだな)
Ça sent la merde. (悪い予感がする)
⇒ 直訳:糞の臭いがする。
3位:「(Faire) chier(フェー・シエ)」
続いて、これもまた頻繁に用いられている俗語に「Chier(シエ)」や「Faire chier(フェー・シエ)」という動詞を活用した言葉がある。
本来の意味と使われ方
この「Chier」というのは「糞をたれる」という意味の非常に下品な言葉で、「Faire chier」は「糞をたれさせる」という意味になる。
使われ方は、「chier」や「chiant」などさまざまであるが、基本的には「面倒くさい」とか「やっかい」という意味で使われることが多い。
また、「se faire chier(ス・フェー・シエ)」と「自分自身に糞をたれさせる」という言い回しは、「やることがない」や「退屈する」という意味になる。
例文
Ça fait chier! (面倒くせぇな!)
C’est chiant! (邪魔くさい! / うざい!)
Il s’est chié dessus! (彼は大失敗をした)
⇒ 直訳:彼は(自分の上に)糞を漏らした。
Je me fais chier. (退屈だ)
4位:「Con(コン)」
そして、フランス語で最も頻繁に用いられる俗語の第4位は「Con(コン)」という言葉である。
本来の意味と使われ方
これは、フランス語を勉強している日本人の中では比較的有名な言葉だと思うので、既にご存じの方も多いかもしれないが、「馬鹿」とか「間抜け」という意味の言葉である。
「un con」とか「une conne」と名詞として用いることもできれば、「con/conne」と形容詞として使うこともできる便利な言葉である。
今まで紹介してきた「売春婦」や「糞」と比較すると、若干下品さが少ない単語ではあるものの、この言葉もやはり俗語としてフォーマルなや手紙では用いないことをおすすめする。
例文
“Le dîner de cons“ (『奇人たちの晩餐会』)
⇒ 映画のタイトルなので和訳が柔らかい表現になっているが、実際に直訳すると「馬鹿たちの夕食」という意味である。
Qu’est-ce que je suis con! (俺はなんて愚かなんだ!)
C’est un peu con non? (少し頭が悪くないですか?)
⇒ これは人に対して用いられるフレーズではなく、アイディアや作戦に対して「もう少し賢い方法があると思いますが...」と言いたいときに使えるフレーズである。
Ce n’est pas la moitié d’un con. (あいつは完全な馬鹿だ)
⇒ 直訳:あいつは半端な馬鹿ではない。
5位:「Bordel(ボーデル)」
最後に、「Bordel(ボーデル)」という言葉について紹介しよう。おそらく、これがフランス語で5番目に多く使われる俗語である。
本来の意味と使われ方
この言葉は、本来は売春婦を扱っているお店の淫売屋を示す言葉である。
現代も、「淫売屋」という意味で用いられることが時たまあるが、そもそも淫売屋自体をフランスの法律上あまり見かけなくなったので、最近では「乱雑している有様」や「散らかっている」ことを指すときに「Bordel」という言葉を用いることのほうが多い。
また、場合によっては「Putain」と似たような意味で、「畜生め!」として使われることもある。
例文
Mais quel bordel! (なんて乱雑した状況なんだ!)
C’est un bordel monstrueux. (これは酷く散らかっているな)
C’est un peu le bordel chez moi. (うちは少し散らかっているよ)
Ça suffit bordel!(いい加減にしろ、畜生!)
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おまけ:1位から5位までの俗語のコンボ技
俗語の面白いところは、何も1つずつ用いる必要がないことである。
いくつか覚えてしまえば、パズルのように様々な低俗な言葉を組み合わせていくことで、新しい低俗なフレーズを生み出すことができるのである。
ここではそれらの例をいくつか紹介していくので、勉強熱心な方はこちらも読んでみると面白いだろう。
勿論、これらの表現の他にも組み合わせ自由である。
2-1. 「Putain de merde(ピュタン・ド・メードゥ)」
「畜生!」という意味の「Putain」と「しまった」という意味の「Merde」を合わせた言い回し。
「まじでやばいぞ、くそっ!」という意味を持つ。
とんでもない状況が起こったときに、この表現を用いるとよいだろう。
同じ意味で、「Putain de chiasse」とも表現することができる。
2-2. 「Putain, fait chier!(ピュタン・フェ・シエ)」
本来は「Putain, ça fait chier!」と言うところであるが、「ça」の部分は省略してもよい。
「Putain, fait chier!」というのは「くそ!うざってぇ!」とか「くそ!面倒くせぇ!」という意味で、自分に都合が悪いことが起きたときに用いる表現である。
似たような表現に、「Merde」を用いた「Merde, fait chier!」という言葉もある。意味は大体同じ。
2-3. 「Putain de con(ピュタン・ド・コン)」
ただでさえ、「Con」とはかなり強い意味で表現された「馬鹿」であるのに対し、「Putain de con」と言うのは「どうしようもない馬鹿」という更に強調された表現。
「Tu es putain de con」よりは、不定冠詞の「un」を用いて「Tu es un putain de con」という方が一般的。
2-4. 「Putain de bordel(ピュタン・ド・ボーデル)」
「Putain de bordel」は直訳すると「淫売屋の売女」という意味であるが、これは人に対して用いる言葉ではなく、「こん畜生め!」とか「くそったれめ、畜生!」と吐き捨てるように言う表現である。
俗語の汚さで言えば、これ以上ないくらい低俗な言葉ではないだろうか。
2-5. 「Bordel de merde(ボーデル・ド・メードゥ)」
英語の「Holly Shit」みたいな感じの表現。
「畜生め」という意味の「Bordel」と「しまった」という意味の「Merde」を合わせた表現。
想像しやすいかと思うが、イメージで言えば「Merde(=糞)」がたくさん散らばっている状態を指す。意味は「くそ、くそっ!くそっ!」のような感じ。
「下痢」という意味の「Chiasse」を用いて「Bordel de chiasse」とも表現することができる。
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動画で:フランス語で最も頻繁に使われる俗語~5選
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