フランス人にプレゼントを贈るときに、何をあげて良いのか迷ったことはないだろうか?
日本で人に櫛(くし)を贈るのが「苦死」を象徴していて縁起が悪いのと同じように、実はフランスにも人に贈って良いプレゼントと、人に贈ってはいけないプレゼントが存在する。
今回の記事では、フランスで人にあげるときに注意すべきプレゼントについて紹介していこう。
- フランスで人にあげてはいけないプレゼント【8選】
ちなみに、この記事を書いているぺぎぃは「気持ちがこもっていれば、プレゼントなんて何でも良いじゃん」と考えてしまっている平和ボケのペンギンちゃんなので、今回紹介することに特に注意したことはない。基本相手が喜べばよいのである。
多くの場合は、中世のころに不謹慎と言われていたものが、現代まで理由もなく引き継がれているだけだったりするので、相手が喜ぶであろうプレゼントを選ぶ際にそこまで神経質になる必要はないのかもしれない。
だがしかし、フランス人の中には縁起が悪いものに人一倍注意している人がいたり、迷信を信じている人も少なからずいたりするので、これらの情報を知っておいて損はないだろう。
目次
フランスで人にあげてはいけないプレゼント【8選】
1-1. ナイフや鋭利な物
まずは、ナイフやハサミなどの鋭利な物。
これらの類の物は、フランスだけではなく、様々な国で人への贈り物としては避けたほうが良いとされている。
理由としては、愛する人や友人との深い絆を、その贈り物のナイフで切断してしまうという考えから来ている。
では、どうしても高級なナイフやよく切れる包丁などを相手に贈りたい際にはどうすればよいのかというと、相手から1ユーロで良いのでお金を受け取るのが良いらしい。
お金を受け取ることによって、もはやそれはただの贈り物ではなく、商品の売買としてみなされるため、縁や絆を断ち切るという迷信からは逃れることができるのである。
1-2. カーネーション
カーネーションも、母の日に贈る花として有名だが、一部ではフランス人にあげてはいけない花とされている。
これは19世紀からもたらされた伝統の一つで、当時の劇団で働いていた俳優などの契約を延長しないときには、それを伝えるために手紙ではなくカーネーションの花束をあげていたことから来ている。
もはや21世紀になっているので、「そんな古くからの風習なんかどうでも良い!」と考える人が多いと思われるが、信心深い人の中には未だに「カーネーション=悪いイメージ」と認識してしまっている人もいるのかもしれない。
なお、赤いカーネーションは「愛情」と「情熱」を表現するために選ばれることが多いが、
白いカーネーションは「深い悲しみ」を表すともされているので、これまた避けるべきである。
興味がある方は、昔ぺぎぃが作成したフランス語の花言葉リストの記事があるので、以下をご参考ください:
1-3. 真珠やティッシュ・ハンカチ
続いて、少し意外かもしれないが、「縁起が悪い」とされている贈り物の一つに真珠がある。
フランスのみならず、多くの文化では真珠は涙を象徴しているため、好きな相手に真珠を贈ることは、のちに相手が涙を流してしまうことを表しているらしい。
同じ理由で、ティッシュやハンカチを相手に贈ることも、涙が来る兆候であるため、避けたほうが良いとされている。
まぁ、どのみち相手にポケットティッシュをあげるような輩はいないと思うが、きれいなハンカチなら深く考えずにあげてしまいそうである…
なお、ベトナムやロシアなどでも同じ理由で、涙を拭きとるために使用されるスカーフを贈り物としてあげることは、相手との別れを意味することになるらしい。
これもナイフと同じで、相手から見返りとしてお金をワンコインでも受け取りさえすれば、チャラになるようだ。
1-4. 時計・置時計
時計は時間の経過や、止められない老いへの不安、うつ病や自殺を表すとされている。
そのため、誰かに時計を贈ることは、彼らの時が来たことを伝え、彼らに死を願うこととされているらしいので、プレゼントに選ぶには要注意である。
まぁ、とは書いたものの、ぺぎぃも人から腕時計をもらったり、人にプレゼントをしたことも山ほどあるので、全くこの迷信を信じてはいない。
好きな人が喜ぶプレゼントを選ぶのに、特にそこまで気にすることはないのかなと個人的には思う。
最近も親しい友人の30歳の誕生日に、そこに招かれた人たち全員でお金を集めて高級な腕時計をプレゼントするということもやった。それは別に彼に死を願ってのことではなく、単純にお祝いの気持ちでしたものである。
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1-5. 財布
日本では恋人などに良く贈り物として選ばれる「財布」。
しかし、実は、空の財布を相手へ贈ることは、大きな貧困の前兆とされているため、避けるべきである。
では、どうしても相手が財布を欲しがっているときや、素敵な財布をプレゼントしてあげたいというときにはどうすればよいのだろうか?
ご安心あれ。単純である。
そのときには、中に少額のお金やコインを一枚入れておけば「空の財布」ではなくなるため、セーフとなる。
そうすれば、簡単に貧困の迷信から逃れることができるだろう。
1-6. 石鹸&香水
続いて、今まで書いてきた迷信や「縁起が悪い」ものとは少し異なるが、フランスで人にあげるとあまり喜ばれないので有名なものに「石鹸」と「香水」がある。
単純に相手に石鹸や香水を贈るということは「汚いから体を洗ってね」や「ひどい臭いがするから、香水でも付けてちょうだい」のような意味として捉えられる可能性があるため、避けるべきということである。
特に、消臭剤のような役目のデオドラントスプレーなどを相手にあげてしまうと、もろ「臭いから、消臭しろよ!」という意味になってしまうので絶対にやめたほうがよいだろう。
また、「高級な香水であれば、特に気にならないのでは?」という意見があるかもしれないが、匂いに敏感なフランス人は自分の好みの香水を既に大事に持っているので、異なる種類の香水を贈ってしまうと困ってしまうということになる。また、同じ種類の香水を買ってあげても、既に持っているため、あまりサプライズにはならない。
そして、日頃から香水をつける習慣がない人には、どのみち宝の持ち腐れになってしまうため、なおさら止めておいた方が良いだろう。
1-7. 靴(クリスマスにはNG)
これはフランスというよりは、イギリスの伝統がフランスに持ち込まれたような感じだが、クリスマスに靴を贈ることは「相手との距離が開いてしまう」ということになるらしい。
これもただの迷信の類と言ってしまえばそうなのだが、信じている人もいるので、可能な限り避けたほうが無難である。
せっかくのクリスマスだと思い切って奮発して高級な革靴をプレゼントしてあげたのに、訳の分からない迷信のせいで相手との距離が置かれてしまうのは、何ともやるせない話である。
1-8. 鏡(結婚式にはNG)
最後に、「鏡」。これは基本的に、結婚式の贈り物とするのはNGとされている。
理由はと言うと、鏡というものは「壊れやすいもの」を象徴しているため、結婚式で相手に贈ってしまうと、「新郎新婦がすぐ離れてしまうことを願う」という意味になってしまうからである。
他にも、鏡を壊すことは魂をバラバラに砕くことを意味するので、ただでさえ割ってしまうと実際に怪我をするかもしれないのに、更に魂まで粉々にしてしまう可能性のあるものを相手には贈ってはいけなかったり、「鏡を壊すと7年の不幸が訪れる」という迷信も存在するため、やたらめったに鏡をプレゼントするべきではないともされている。まぁ、これも気にしない人は気にしないだろうが…
参考記事
今回の記事で参考にしたサイトはこちら:
- https://www.topito.com/top-trucs-pas-offrir-porte-malheur
- https://portefeuille-shop.com/blogs/portefeuille-et-porte-carte/quels-cadeaux-porte-malheur
- http://www.mesastuces.org/5-cadeaux-a-ne-offrir-sinon-ca-porte-malheur/
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