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フランス語の「Comme tu veux」の意味と使い方

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最近「Si tu veux」という言い回しの意味や使い方について記事を書いてみたが、実はもう一つ似たような表現に「Comme tu veux」というものが存在する。

この記事では、この「Comme tu veux」の使い方と「Si tu veux」との違いについて見ていくとしよう。

本記事の内容
  • 「Comme tu veux」の意味と使い方
  • 「Comme tu veux」と「Si tu veux」の違い

フランス人と話しているときに、何か提案質問をしたときに「Comme tu veux」と返ってきたことはないだろうか?

実は、この「Comme tu veux」、フランス語では「Si tu veux」と同じくらい頻繁に使われる言葉…というよりは、「Si tu veux」を日常的に使っている人ほど「Comme tu veux」同じくらい使っていると言ってもよいくらい似たようなフレーズである。

ぺぎぃも最近は注意されたのでなるべく避けるようにしているが、昔はかなり頻繁に用いていた。

そこで、この記事では、この「Comme tu veux」の使い方や「Si tu veux」との違い、また具体的に何故注意すべきフレーズなのかについても説明していこうと思う。

ぺぎこ&ぺぎぃ
ぺぎこ&ぺぎぃ
それでは、行ってみよう!
フランス語の「Si tu veux」の意味と使い方フランス語を勉強中の日本人の方が頭を悩ませるフレーズの一つに「Si tu veux」というものがある。これは、直訳すると「あなたが(そう)したいなら」となり、あたかも「Tu」で表される相手の意向に委ねるような責任逃れのフレーズと思われがちだが、必ずしもそうではない。...

フランス語の「Comme tu veux」の意味と使い方

1-1. 「Comme tu veux」=「お好きなように」

解説

「Comme tu veux」「お好きなように」と相手に判断を委ねるための言い回し。

フランス語の「Comme tu veux」というフレーズは、実は然程難しい意味ではない。

「Comme」(~のように)「Tu veux」(あなたが~したい)を組み合わせたもので、簡単に言えば「あなたがしたいように」という意味になる。また、2択の質問などの場合には「どちらでもいいよ」と訳すこともできる。

英語に例えれば、「As you wish」「As you like」となるだろうか?

こういった意味では前回の記事で紹介した「Si tu veux」の二つ目の使い方とニュアンスがかなり似ていて、「Comme tu (le) désires」「Comme tu (le) sens」などと言い換えることも可能である。

  • Comme tu veux ⇒ あなたがしたいように
  • Comme tu (le) désires ⇒ あなたの希望のままに
  • Comme tu (le) sens ⇒ あなたが感じるままに(=直感のもと)
ちなみに、ずっと2人称の「Tu」を使って書いているが、勿論「Vous」を用いて「Comme vous voulez」「Comme vous sentez」と言うことも可能である。

「Comme tu veux」=「お好きなように」を用いた例文

1. – Est-ce que tu préfères manger tout de suite? ou prendre une douche d’abord? (すぐに食べたい?それとも先にシャワーをする?)
Comme tu veux.(お好きなように / どちらでもいいよ)
⇒ これは2択の質問なので、「どちらでも、あなたのご都合が良い方を選んで」という意味の返答になる。

2. – Est-ce qu’on peut aller regarder à l’intérieur de la boutique?  (お店の中を覗きに行ってもいい?)
Comme tu veux.(お好きなように / 問題ないよ)
⇒ 今回は「○○をしてもいい?」の質問に対する返事なので、「どちらでもよい」と言うよりは「ええ、どうぞ、あなたの好きにして良いですよ」という意味になる

3. Tu peux utiliser mon parapluie ou pas. C’est comme tu veux. (ボクの傘を使っても良いし、使わなくても良い。どちらでもいいよ。)
⇒ これも「どちらの選択肢でも、お好きなように」という意味。「Comme tu préfères」「Comme tu le sens」などと言い換えることも可能である

ぺぎこ
ぺぎこ
なるほど!「Si tu veux」と同じように「判断をあなたに委ねる」みたいな意味のフレーズなのね!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そのとおり!一応「Si tu veux」は、前の記事でも紹介した通り「よろしければ」という意味で使われることもあるけれど、「Comme tu veux」は殆どの場合「何でもいいよ」と相手に判断を丸投げするフレーズになるね!

1-2. 「Comme tu voudras」=「好きにしろ」

解説

「Comme tu voudras」未来形にすると「好きにしろ」ともう少し強めのフレーズになる。

一つ面白いのが、「Comme tu veux」だけなら「あなたがしたいように」という意味だったものが、未来形にすると「好きにしろ」ともう少し強めの口調になるということである。

何故なら、未来の話になっているため、「お好きにどうぞ、でも後で何が起きても私は知りませんよみたいなニュアンスが含まれるからである。

勿論、目上の人に対しても「Vous」を用いて「Comme vous voudrez」と言うことは可能だが、意味合いは然程変わらず「あなたの決めたことなので、私は従います」と、些か投げやりになる。

「Comme tu voudras」=「好きにしろ」を用いた例文

1. – Est-ce qu’on ne pourrait pas plutôt prendre le chemin de droite? (やはり右の道を行ってもよいかい?)
Comme tu voudras.(好きにしろ)
⇒ これは「好きにしていいよ」というよりは、「俺は左に行くことを勧めていたのに、そこまで右に行きたいというのなら、もう止めない。ただし、後のことは知らないからな」みたいな喧嘩腰の口調に聞こえる。

2. – Peggy, peux-tu t’occuper de la vaisselle? Et Pegiko, pourrais-tu faire le ménage?  (ぺぎぃ君、君には食器洗いを任せてもよいかい?そしてぺぎこ君は掃除をしてくれるか?)
Comme vous voudrez.(ご命令とあらば)
⇒ こちらも、「あなたの命令には逆らいません」という意味であるが、別な捉え方をすると「指示は全てあなたに丸投げしているので、責任はとりませんよ」ということにもなる

ぺぎこ
ぺぎこ
うーん、中々ニュアンスが難しいわね…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、ざっくりと言ってしまえば、「Comme tu veux」は特に使っても問題ないけれど、「Comme tu voudras」は少し喧嘩腰に聞こえてしまうこともあるから、なるべく使わない方が良いということだね!

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「Comme tu veux」と「Si tu veux」の違いと注意点

最後に、この章では「Comme tu veux」「Si tu veux」を用いたときのニュアンスの違いや、注意点について少しだけ書き記していこうと思う。

2-1. 「Comme tu veux」と「Si tu veux」の違い

文脈によっては、「Comme tu veux」「Si tu veux」どちらを用いても良い場合もある。

しかし、その際には、若干異なるニュアンスになることだけに注意したい。

例えば、

Peggy, est-ce que tu pourrais m’aider à faire mes devoirs? (ねぇ、ぺぎぃ、宿題をやるのを手伝ってくれる?)

と聞かれたとき、

Si tu veux. (良いよ)

Comme tu veux. (お好きなように)

とどちらのフレーズを用いても返事をすることが可能である。

この際「Si tu veux」「君が(そう)求めるのなら」「君が(そう)望むのなら」という意味なので、飽くまで「宿題を手伝ってほしい」という相手の意思に従うという意味。

「Comme tu veux」の場合は、相手が「一人で宿題をやる」のと「ぺぎぃに手伝ってもらう」の2択のうちの後者を選択したことに対して「お好きなように / どちらでも良いよ」という意味になるのである。

この違いがお分かりだろうか?

「Si tu veux」の場合は、既に相手の意思が決まっているため、「君がそう望んでいるのなら、良いよ」と回答しているのに対して、「Comme tu veux」は飽くまで2択に対して「どちらでもよい」と回答しているので、どちらかと言うと「君が宿題を手伝ってほしいと言うなら、別に良いけど、一人で宿題をやるという選択肢もあるんだからねと一歩下がった言い回しになっているのである。

ぺぎこ
ぺぎこ
なるほど、少し捻った使い方ね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
どちらかと言えば、「Si tu veux」の方が自然な返事になるかな?ただし、相手が自分で宿題をするという選択肢を勝手に放棄して手伝いを頼んできているので、「まぁ、どっちでもいいけど(一人でもできるんじゃないの)?」のニュアンスを伝えたいときに「Comme tu veux」を使うこともできるよ。

2-2. 「Si tu veux」や「Comme tu veux」系のフレーズの注意点

最後に、一つだけ「Si tu veux」「Comme tu veux」などのフレーズの注意点を挙げておこう。

ここまで書いてきた通り、この二つのフレーズは:

  • 「君が(そう)望むなら」
  • 「お好きなように」

という意味なので、基本的には相手の意向に沿うような優しい言い回しである。

しかし、逆に言ってしまえば、自分の意向を一切相手に伝えずに、相手の希望にだけ合わせているとも取ることができるので、使いすぎると「優柔不断な人」「自分の意思が欠落している」と思われてしまうリスクも存在する。

例えば、お人好しのフランス人と話しているときに「ここに行ってみる?」とか、「何時に待ち合せようか?」と提案しているのに、いつも「Si tu veux(君が望むなら)」「Comme tu veux(何時でもいいよ)」と返答されてイライラした経験はないだろうか?

これはフランス人側も同じで、「Si tu veux」「Comme tu veux」ばかり多用する人は、「実際にその人は何がしたいのか?」という部分がはっきりせず、周りが勝手に振り回されて疲れてしまう

特に一番厄介な部分は、これらのフレーズを使っている当の本人には全く悪気はなく、むしろお人好しだからこそ相手に判断を委ねていることが多いのだが、実際は受け手側が全ての決断を代わりに迫られるため、かなり体力を消耗させられるのだ。

そのため、「Si tu veux」「Comme tu veux」の言葉に対していくらかの苛立ちを感じる人も少なからず存在する。

便利な言葉といって連発しすぎるのだけは避けたほうが良いだろう。

ぺぎこ
ぺぎこ
確かに、見方を変えれば、「Comme tu veux」や「Si tu veux」と言っている側には常にノーリスクということになるわね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そういうこと!本来は相手のためを思って優しく接しているつもりでも、実は相手側に選択肢も決定権も常に押し付けていることになるので、かなり疲れさせてしまっている可能性があるよ。

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POSTED COMMENT

  1. Petit Kimono より:

    気になっていた違いでしたので、詳しい説明ありがとうございました。
    例えば、「よろしければこの○○をお持ちください。」という場合に、
    ・・・・, comme vous voulez.
    という表現でよろしいのでしょうか?
    あまりにも、シチュエーションがわかりにくくて、申し訳ございません。
    よろしくお願いいたします。

    • onsenpeggy より:

      Petit Kimonoさん、コメントありがとうございます!
      中々難しいですよね!そのシチュエーションでは、「comme vous voulez(お好きなように)」が使えなくもないですが、「si vous voulez(よろしければ)」の方が自然かと思います。

      例えば、
      ◎ Prenez ce parapluie, si vous voulez. (よろしければ、この傘をお持ちください)
      〇 Vous pouvez prendre ce parapluie. (C’est / Faites) Comme vous voulez. (この傘をお持ちになっても良いですよ。どうぞ、お好きなように)
      △ Prenez ce parapluie, mais comme vous voulez. (この傘をお持ちください、でもお好きなように)
      ✕ Prenez ce parapluie, comme vous voulez. (お好きなように、この傘をお持ちください)
      このような感じになります。

      考え方としては、「Comme vous voulez(お好きなように)」は選択肢に対して用いることが多い言葉なので、「○○をお持ちください」の場合には「oui / non」の二つの選択肢がはっきりしていれば使えるということになるかなと思います。(*^▽^*)

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