フランスの郵便配達の仕組みは明らかに日本のものとは違う。荷物の扱いは乱暴だし、配達の時間帯も短い。
本章では、「【日本人が知らない】フランスでの常識」の第3弾として、日本とフランスの郵便配達の違いについて書こうと思う。
日本の郵便配達
まずは、日本の郵便配達について語っておこう。フランスから日本へ留学しに行ったばかりの頃は、日本の郵便配達のシステムに大変驚かされたものだ。何に驚かされたかというと、配達員の気配りと、配達時間、不在の場合の対応に驚かされたのである。
配達員の気配り
まず、日本の場合、手紙の場合はもちろん、小包を届ける際にも、なるべく箱が痛まないように、郵便屋さんが箱を丁寧に運んでくれることが多い。たわしはまず、そこに驚かされた!
だって、考えてみてほしい。日本の郵便屋さんは、たとえその小包の中身が合計10kgのダンベルであったとしても、決して落とさずに丁寧に運んでくれるのである。信じられないではないか!
実際にたわしも、自宅での筋トレ用に、日本のアマゾンでダンベルを注文したことがある。箱は2つか3つに分けられていたが、1.25kgのダンベルが4個、2.5kgが4個、5kgが4個、そして持ち上げるための棒が2本、、相当重かったのではないかと思う。しかし、なんと無傷!段ボールにも傷一つない状態で笑顔で届けてくれた!!
当時の郵便屋さんには大変悪いことをしたと、今は後悔している。。。郵便屋さん、ありがとうなのである。
配達時間
次に驚かされたのが、日本の郵便屋さんの「配達時間」である。フランスの場合、土曜日などはともかく、平日でも郵便物の配達は朝の9時頃から夕方17時頃までのことが多い。今までのたわしの経験上、郵便物が午後の15時になっても届けられていなければ、とりあえずその日のうちには来ないと考えている。
しかし、日本の場合、配達時間が朝の8時から夜の21時までとなっている!ぴけゃょえ~!!
初めて夜中の20時半に玄関のチャイムを鳴らされた時には、『えっ、まさか、ありえないだろ!?』と思ったほどだ。しかも、前日の午後に出した手紙や小包なら、ほぼ間違いなく翌日の夕方か夜には届く。いくらなんでも早すぎるだろうがっ!!
本当、尊敬である。
不在の際の対応
更に、更に、配達時間よりも更に驚いたのがこちら。「不在の際の対応」である。フランスの場合は、後でも話すが、不在の際は『郵便局まで直接取りに来て』という内容の紙が、郵便受けに入れてあるだけで、終わり。あとは、自力で取りに行くしかない。
そこで、たわしが日本に留学したての頃は、フランスの時と同じように、クロネコヤマトから通知が来れば、徒歩で近くの宅配センターに行って、郵便局からの通知があれば、隣町の郵便局まで電車で出向いたりしていた。
しかし、その必要は全くなかった・・・
日本では、不在の場合には、なんと!翌日に再配達をしてくれるのである!!更に、翌日にもいない場合にも、翌々日かその次の日あたりに再配達…!対応が神過ぎるではないか!
しかも、結構日本に留学してから大分月日が経った後にようやく気付いたのだが、日本の場合、不在通知に書いてある電話番号もしくはウェブサイトに連絡すると、好きな日の、好きな時間帯に郵便物を再配達してくれるのではないか。しかも、時間帯は夜の20時~21時でもOK。追加料金は不要!!!
Mais c’est le Père Noël!!
サンタさんか!!というやつである。
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フランスの郵便配達
フランスの場合、特に郵便屋さんが悪いわけではないが、システム上覚えておくことが2点ある。まず、郵便物が時間通りに届かなくても、焦らないこと。そして、箱がボロボロになっていても、驚かないこと、である。
断っておくが、フランスでは全くと言ってよいほど、箱の痛みなどは気にしない。たとえ箱がボロボロになろうとも、『中身が無事なら良いでしょ!』という考え方。まぁ、中身が本当に無事なら別にいいのだが。。。
郵便物のお届け時間
まず、フランスの郵便物の場合、先ほど話したように、日本ほど細かく時間指定ができるわけではない。確か、時間指定制のColissimoの場合は朝か、午後か、くらいまではできたと思うが、追加料金を払わない通常の郵便物や小包の場合は、なるように身を任せるだけ。いつ届くかはわからないシステムとなっている。
ま、それでも通常は国内便の場合、2~3日で届けられることが多いため、特に心配する必要はないが、たまにGrève(ストライキ)が発生して、一向に郵便物が届けられなくなることもあるし、日本のように夕方の17時以降にも普通に届けてくれることはまずない。
「のんびり、気ままに待とう」がエレガントなフランス流である。とでも言ってみる。
不在の際の対応
おそらく、日本から来た人が最も驚かされるのがここだと思われる。フランスの場合、先ほども書いた通り、不在通知表とは『直接郵便局まで荷物を取りに来られたし』という紙である。つまり、自分が留守の間に、郵便受けに不在通知表が置いてあったからと言って、再配達を待っていても、一生来ることはない。最悪のケース、受取人が来なかったということで、郵便物が破棄されることもある。
したがって、たとえ面倒でも、自ら郵便局へ出向いて、郵便物を受け取る必要がある。必要書類は、不在通知表と身分証明書の2点である。
また、更に特殊なケースでは、郵便屋さんが『不在通知表を入れることすら面倒』と考える場合もある。その場合、たとえ本人確認が必要な大事な書類であっても、そのまま郵便受けに入れてあったり、ひどい場合には、普通に考えて絶対に郵便受けに入らないであろうサイズの小包を、力任せにぎゅうぎゅうにねじ込んであることもある。その様が、あまりにも豪快なため、初めてフランスに来た日本人なら絶対に驚くこと間違いなしである。
ちなみに、フランスの場合は日本と違って、郵便受けはドアにではなく、外にボックスとして設置されている。そのため、郵便屋さんによっては、郵便受けの鍵が開けられて、中に小包を入れて置くことができる。
この間、ぺぎぃも、到底郵便受けに入らないであろうサイズの段ボールが、くしゃくしゃに潰された状態でボックスに押し込まれていたのを発見した。そのあまりの雑さ加減に、呆れを通り越して、むしろ『よくこの中に入れられたな』と感心したものである。
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