その他、ぺぎぃの雑学

【日本人が知らない】フランスでの常識~その⑦:フランスでも毎食パンを食べるわけではない【海外の反応】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

よく、日本で勘違いされていることが多いが、「フランス人=毎食パンを食べる」ではない。確かに、『主食は何か?』と聞かれたら、『主食はパンです。』と答える以外に思いつかないが、フランス人から見た食卓でのパンの立ち位置は、日本人から見た食卓でのお米の立ち位置とはかなり異なる気がする。

そこで本章では、「【日本人が知らない】フランスでの常識」の第7弾として、フランスでのパンの立ち位置について話したいと思う。

毎食パンを食べるわけではない

まず、わかっていただきたいのは、「フランス人でも毎食パンを食べるわけではない」ということだ。

例えば、ぺぎぃが通っている会社の食堂でも、お盆にパンを乗せている人は、全体の30%くらいである。たわしも気分によって、パンを食べたり食べなかったりするので、本当に「毎食食べる」というよりは、「気分によって食べる」なのだと思う。

また、日本では、毎回食卓に「ごはん」「味噌汁」がないと不安に感じる人が未だに多いようだが、フランスでは特にお皿の横に「パン」がないからといって、不安に感じる人は少なくなってきている。むしろ、最近の若い人たちには『わざわざBaguette(バゲット)を買ってきて切るのが面倒くさい。』と感じている人の方が多いようだ。

パンを食べずに何を食べるのか?

では、フランス人はパンを食べずにいったい何を食べるのだろうか?それこそ、色々選択肢はある。

朝食

まずは、朝食。フランスでは、Baguette(バゲット)やトースト、焼いたパンによく似たCracotte(クラコット)の様なものに、はちみつジャムNutella(ニューテラ)を塗る「パン派」の人たちと、大きなお椀に牛乳コーンフレークを入れて食べる、「コンフレーク派」の人たちに大きく分かれる。特に最近の若い人たちの中には、「コンフレーク派」の人たちが増えてきたように思える。

その他にも、朝ごはんにPain au chocolat(パン・オ・ショコラ)やCroissant(クロワッサン)を吸収する人たちや、バナナりんごなどといった、果物を食べる人たちもいる。Pain au chocolatCroissant「パン派」のカテゴリーに入るが、果物はどちらかというと「コンフレーク派」に近い気がする。

ちなみに、ぺぎぃは毎朝Baguetteを食べる「パン派」である。

昼食&夕食

昼食や夕食にも、最近ではパンを食べない人が増えてきている

例えば、スパゲッティや、ペンネのグラタンなどといった、「麺類」の食事をする際には、人はあまりパンを食べることがない。また、ピザクレープQuiche(キッシュ)など、小麦を用いた生地が材料になっている食べ物を食べる際には、パンを一緒に食べる人は少ないように思える。要は、「パンを食べることによって得られる炭水化物を既に別の材料で取り込んでいるから」である。

他にも、アラブ系の料理であるCouscous(クスクス)を食べたりするときや、Tartiflette(フランスのお芋&チーズを混ぜた料理)などの重い芋系の料理を食べるときには、パンの消費を控える傾向にあるようだ。これもまた、「パンに求める炭水化物を既に吸収したから」と捉えることができる。

パンはいつ食べるのか?

では、かの有名なBaguette(バゲット)で名高いフランス。その国民は一体いつ、パンを食べるのだろうか?

朝ごはんに、約半数の人がパンを食べているのは先程お話しした通り。他には、食前のEntrée(前菜)の際に、Charcuterie(生ハムや、乾燥ソーセージ等)と一緒にかじる時や、食後にチーズを食べたり、食べ終わったメインディッシュの皿のソースを拭くときに、フランス人はパンを消費する傾向にあるようだ。

したがって、前菜を特に食べなかったり、メインディッシュのソースを拭くまでもない会社や学校の食堂などでは、パンを消費しない人が増えている。ことに、最近、ぺぎぃの通っている会社の食堂では、パン有料となり、追加料金が発生してしまうので、余計に食べる人が減ってきている。

スポンサーリンク


フランスのパンの消費量は?

では、実際にフランスのパンの消費量は、世界各国と比較してどのようになっているのだろうか?

世界や日本との比較

「じゃぱん」というサイトによると、フランスは2016年時点の世界パン消費量ランキング3位、その消費量は、国民1人に対して年間で平均58kgとなっているようだ。
http://www.japan-bread.jp/bread_story/world-bread-consumption-rankings.html

想像がしにくいので、1日単位に直すと、58kg/365=約150g。つまり、Baguette(バゲット)1本を約250gだとすると、1人当たり1日でバゲットの半分ちょっとは食べている計算になる。まぁ、ぺぎぃも、毎朝の朝食にBaguette(バゲット)を約半分は食べているので、昼食&夕食も含めれば、妥当な数字なのかもしれない。

ちなみに、1位はトルコで、年間1人当たり168kgのパンを消費。フランスの3倍なので、国民1人当たり、毎日バゲットを1.8本食べている計算になる。末恐ろしい数値である。

日本は年間1人当たり16.8kgのパンの消費で、世界10位。1日単位に直すと、16.8kg/365=約45gなので、メロンパン等のお菓子のパンを2日に1個食べているとすると、妥当な数値であると思われる。世界水準で見れば、少ないように見えるかもしれないが、米が主食の国からするとそれなりに食べている方だとぺぎぃは思う。

また、日本人の米の消費量は、農林水産省によると1人当たり年間で54.6kgだそうである。フランス人のパンの消費量と匹敵する数値である。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/kome_antei_torihiki/pdf/sankou1_150310.pdf

全体的に「主食」の消費量が減ってきている

では、日本人の米の消費量が1人当たり年間54.6kgフランス人のパンの消費量が1人当たり年間58kgであるので、『やはり、フランスではパンが主食ではないか!』『何が毎食パンを食べるわけではないだ!』と、読者から文句が聞こえてきそうである。

おっしゃっていることは、ごもっともである。米を主食としている日本の米の消費量と、フランスのパンの消費量が等しいとなれば、フランスの主食=パンという考えが成り立つのは当然である。

しかし、ここで一つ意義を申し立てたい。

日本人の米の消費量が1人当たり年間54.6kg。それでは、毎食ご飯を食べていると言えるのか?
計算してみよう:54.6/365=150g、したがって米を主食としている日本人でさえも、1日当たり150g、つまり茶碗1膳分しかお米を食べていないのである。

では、代わりに何を食べているのか?うどんや、蕎麦などの麺類や、小麦粉をベースとした食べ物であると考えられる。農林水産省の資料によると、これは昭和37年、つまり50年前の日本人1人当たりの年間消費量118.3kgの約半分ということになる。つまり、今までは米を主食としてきた日本人も、だんだんと「主食離れ」をしてきていることになる。

フランスの場合も、先程見た国民1人当たりの年間のパン消費量58kgを、20世紀の初めの方と比較すると、驚きの事実が明らかになる

以下のサイトによると、現在のフランスのパンの消費量は、1900年のパンの消費量の5分の1とされている。つまり、100年前までは、Baguette(バゲット)を国民1人当たり毎日3.5本食べていたのである。トルコも圧倒する数値である!
https://www.planetoscope.com/Autre/957-consommation-de-baguettes-de-pain-en-france.html

したがって、日本にしろ、フランスにしろ、現代の人たちは、以前は「主食」とされていた食べ物を、昔ほど食べなくなってきた、つまり「もはや主食としなくなってきた」のだと考えることができる。(もしくは、炭水化物全体の摂取量が減ったのかだが、どこにもそのような情報は搭載されていない)

このまま、世界中の「主食離れ」が進んでいけば、いずれは日本でもフランスでも同じようなものを食べることになるのかもしれない。と、ぺぎぃは思ってみたりする。

スポンサーリンク

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です