文法:冠詞

部分冠詞「du / de la / des」の使い方【フランス語の文法】

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今までに Article indéfini(不定冠詞) un/une/des Article défini(定冠詞) le/la/les、または前置詞 de と組み合わせたときの使い方について解説してきたが、ここで最後に Article partitif(部分冠詞)du/de la/des について説明していこうと思う。

https://onsenpeggy.com/grammaire-francaise-avec-peggy/

Article Partitif(部分冠詞)とは

まず、部分冠詞とは何だろうか?フランス語にはただでさえ、男性冠詞&女性冠詞が存在するのに、ここで不定冠詞定冠詞に加えて部分冠詞なるものも登場してきて不安な読者も多くいるだろう。しかし、心配はいらない。ぺぎぃが手とヒレを取って、説明していこう。

名詞補語の説明で、前置詞 de + 定冠詞 le = 冠詞 du前置詞 de + 定冠詞 la = 冠詞 de la前置詞 de + 定冠詞 les冠詞 des と変化することは覚えているだろうか?

実は部分冠詞というものは、前置詞とは関係なく、この du、de la、des がベースとなった形である。

 不定冠詞定冠詞部分冠詞
男性系(単数)unledu
女性系(単数)unelade la
複数形deslesdes

名詞補語の場合の前置詞 de + 定冠詞 le/la/les と今回の部分冠詞は混同しがちであるが、間違わないでいただきたい。今回は飽くまで「冠詞」の扱いであって、「前置詞+冠詞」ではない。

まぁ、とは言え、たとえ混同してしまったとしても、別に大した問題はない。口頭会話では全く同じであるし、何なら筆記でも違いはわからない(言い切っってしまっうぺぎぃである)

飽くまで文法的な面では、完全に別物ということだけ頭に入れておいてほしい。

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Article Partitif(部分冠詞)の使い方

1. 基本的な使い方

基本的に、フランス語における部分冠詞 du/de la/des と言うものは、総称ではなく且つ数が定まっていないものに対して用いると覚えておけば問題ない。考え方としては、名詞の前に「いくつかの~」「何かしらの~」を付け加えることができる場合には、部分冠詞を用いることになる。英語に例えると、「some」の使い方に近い。

言葉だけだと、少し想像しずらいと思うので、また例を上げてみていこう:

Peggy fait du sport tous les vendredi. (ぺぎぃは毎週金曜日スポーツをしている。)
=>ここでいう、du sport というのは、別に数えられるものではない。ある一つの定められた競技をしているだけだったら、Peggy fait un sport tous les vendredi. (ぺぎぃは毎週金曜日一つのスポーツをしている。)となるが、今回はそれが言いたいのではなく、何かしらのスポーツをしている(=単数か複数かは不明)と言うことが言いたいのである。なので、部分冠詞を用いている。

J’aime manger du riz. (私は米を食べるのが好きです。)
=> 今回も、「米を食べるのが好き」というのに対して、部分冠詞 du を用いている。別に、米なら何でも好きなので、ひとくくりにしてJ’aime manger le riz.(私は米を食べるのが好きです。)と総称定冠詞 le を用いても問題はないのだが、ニュアンスとしては「この世に存在する米がすべて好き」という意味ではなく、「いくらかの米を食べるのが好き」という意味であるため、部分冠詞を用いている。

不定冠詞 un/une ⇒ 「一つの~」「一人の~」「一匹の~」など、特定されていない個体に対して用いる。

   例:Je veux manger une pomme. (りんごが〔一つ〕食べたい。)

定冠詞 le/la/les特定されているもの、または「一般的な~」「この世のすべての~」など、総称に対して用いる。

   例:Je veux manger la/les pomme(s).〔あの〕りんごが食べたい。)

部分冠詞 du/de la/des ⇒ 「いくつかの~」「何かしらの~」など、種類も数も特定されていないものに対して用いる。

   例:Je veux manger de la/des pomme(s). (りんごが〔いくつか〕食べたい。

ぺぎこ
ぺぎこ
複数形の不定冠詞 des と部分冠詞 des は同じ使い方をするのね。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうだね!りんごみたいに数えられるものの場合は部分冠詞も複数形にしちゃえば簡単だよ。

2. 部分冠詞を用いる単語の例

1.で説明したように、フランス語では、総称ではなく且つ数が定まっていないものに対しては部分冠詞を用いる

では、具体的に「数が定まっていない/定められないもの」とは何か?少し例を上げていこう。定冠詞を用いる単語例と比較してみるのもよいかもしれない。

2-1. 感情など

感情などは、特定されてもいないし、数えることもできないため、基本的に部分冠詞を用いることが多い

de la peur(恐ろしさ)、de l’entousiasme(熱意)、de la joie(喜び)、de la colère(怒り)、de la tristesse(悲しみ)、etc.

2-2. 材料など

料理に用いる材料など、もしあらかじめ量や数が特定されていないものであれば、ほぼ必ず部分冠詞を用いるといってもよい。

de la farine(小麦粉)、du sel(塩)、du pain(パン)、de l’eau(水)、du sable(砂)、de la fumée(煙)、etc.

部分冠詞定冠詞を用いる単語の中に「材料(部分冠詞)」と「素材(定冠詞)」があるということに気づいただろうか?これは、もののとらえ方に違いがある。

部分冠詞du sel、de l’eau、du métal

   例:Pourrais-tu me donner de l’eau s’il te plait?〔何かしらの/いくらかの〕水をいただけるかしら?)
  => 飽くまで材料としての水。仮に食卓での出来事であったのなら、「コップ一杯でも、ボトルでもいいので、何かしらの形で水をいただけないかしら?」という意味に近い。テーブルに置いてある水のジョッキを指している場合は、特定されているので Pourrais-tu me donner l’eau s’il te plait?〔あの〕水をいただけるかしら?)という言い方に変わる。

定冠詞le sel、l’eau、le métal

   例:L’eau est une manière liquide qui existe en abondance sur la Terre. (水は液状の素材であり、地球上に多く存在している。)
  => 今回は素材としての水。総称と捉えてもよい。地球上に存在するすべての水のことを差しているので、De l’eau (いくらかの水)と部分冠詞を用いることはできない。また地球も世の中に一つしか存在しないので、特定されたものとして la Terre定冠詞を用いる。

ぺぎこ
ぺぎこ
わかったような、わからないような…材料と素材の区別が難しいよ。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
「いくらかの」と名詞の前に付け加えられるかで判断してみるとわかりやすいと思うよ。

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練習問題

1. 定冠詞 le/la か部分冠詞 du/de la を用いて穴を埋めよ

1. Tu veux ___ ketchup sur tes frites?(フライドポテトにケチャップがほしいかい?)

2. Pekigo est souvent allongée sur ___ canapé.(ぺぎこはよくソファーの上で寝そべっている。)

3. Pour se promener dans ___ désert, il faut amener beaucoup d’eau.(砂漠を散歩するには、たくさんの水を持っていかなければいけません。)

4. Au petit déjeuner, je mange souvent ___ pain avec ___ lait.(朝ご飯には、よくパンと牛乳を食べています。)

5. Tu as ___ chance! ___ train n’est pas encore parti.(運がいいね!まだ電車は出発していないよ!)

6. ___ eau de mer est très salée.(海水はとてもしょっぱいです。)

7. ___ thé au jasmin est très bon aujourd’hui. Toi aussi tu veux ___ thé?(今日はジャスミン茶がとても美味しいよ。君もお茶はいかが?)

8. Peggy aime bien manger ___ banane au dessert.(ぺぎぃはデザートにバナナを食べるのが好きだ。)

2. 最適な冠詞を選んで穴を埋めよ

1. Peggy faisait ___ judo quand il était jeune.(ぺぎぃは若いころに柔道をやっていた。)

2. Comment est-ce que tu fais ___ bonne soupe, toi ?(君はどうやって美味しいスープを作っているんだい?)

3. J’aime bien ___ tartes, avec ___ pommes ou ___ citron. (私は、りんごやレモンが入ったパイが好きです。)

4. En été, j’aime prendre ___ vélo pour aller en montagne.(夏には、山に行くのに自転車を使うのが好きだ。)

5. Parmi ___ instruments de musique, je préfère ___ violon.(楽器の中では、バイオリンが一番好きです。)

6. Je vois ___ lumière. Quelqu’un est dans ___ maison?(明かりが見える。誰かが家にいるのか?)

7. Que veux-tu sur ta crêpe? ___ sucre ou ___ miel?(クレープに何をのせる?砂糖?それとも蜂蜜?)

8. Pour vivre, il me faut seulement ___ toit et ___ nourriture.(生きるためには屋根と食糧さえあれば十分だ。)

解答&解説

1. 定冠詞 le/la か部分冠詞 du/de la を用いて穴を埋めよ

1. Tu veux du ketchup sur tes frites?(フライドポテトにケチャップがほしいかい?)

2. Pekigo est souvent allongée sur le canapé.(ぺぎこはよくソファーの上で寝そべっている。)

3. Pour se promener dans le désert, il faut amener beaucoup d’eau.(砂漠を散歩するには、たくさんの水を持っていかなければいけません。)

4. Au petit déjeuner, je mange souvent du pain avec du lait.(朝ご飯には、よくパンと牛乳を食べています。)

5. Tu as de la chance! Le train n’est pas encore parti.(運がいいね!まだ電車は出発していないよ!)

6. L’eau de mer est très salée.(海水はとてもしょっぱいです。)

7. Le thé au jasmin est très bon aujourd’hui. Toi aussi tu veux du thé?(今日はジャスミン茶がとても美味しいよ。君もお茶はいかが?)

8. Peggy aime bien manger de la banane au dessert.(ぺぎぃはデザートにバナナを食べるのが好きだ。)

1. Tu veux du ketchup
=> ケチャップは材料であるため、部分冠詞を用いる。付け加えるなら、「一つ~」「二つ~」と数えることはできないし、「あのケチャップ」という特定されたような言い方は少し不自然である。

2. sur le canapé
=> 今回は、「ぺぎこが寝そべっているソファー」ということで、明らかに数が1つに限定されているし、特定されている。文法的には、sur un canapé (一つのソファー)と言えないこともないが、今回の練習問題の趣旨ではない。

3. dans le desert
=> 総称としての砂漠のことなので、定冠詞 le を用いる。

4. je mange souvent du pain avec du lait.
=> 「〔いくらかの〕パンと〔いくらかの〕牛乳」という意味であるため、定冠詞ではなく部分冠詞を用いる。また、パンを1つに限定するのであれば、不定冠詞 un を用いて、un pain avec du lait ということもできた。

5.Tu as de la chance! Le train n’est pas encore parti.
=> 運は計ることができないため、部分冠詞 de la を用いる。「〔いくらかの〕運」という意味。
電車は、文脈から「駅で待機している電車」、「乗ろうとしている電車」と特定されていることがわかるので、定冠詞 le を用いる。

6. L’eau de mer
=> 総称としての海水であるため、定冠詞 la (l’) を用いる。

7. Le thé au jasmin est très bon aujourd’hui. Toi aussi tu veux du thé?
=> これは文脈から察するしかないので少し難しいが、話し手が指しているジャスミン茶は間違いなく特定されているものである。そのため定冠詞 le しか用いることはできない。また、tu veux du thé? の部分は、「あなたも〔いくらか〕ほしい?」か「あなたも〔ひとつ〕お茶をほしい?」という意味なので、部分冠詞 du 若しくは不定冠詞 un を用いるのが正解である。

8. Peggy aime bien manger de la banane au dessert.
=> 今回も総称ではなく、「バナナを〔いくつか〕食べるのが好き」という意味であるため、部分冠詞 de la を用いる。また、バナナ1本と数を限定したい場合は不定冠詞 une を用いて une banane と言ってもよい。

2. 最適な冠詞を選んで穴を埋めよ

1. Peggy faisait du judo quand il était jeune.(ぺぎぃは若いころに柔道をやっていた。)

2. Comment est-ce que tu fais une/de la bonne soupe, toi ?(君はどうやって美味しいスープを作っているんだい?)

3. J’aime bien les tartes, avec des pommes ou du citron. (私は、りんごやレモンが入ったパイが好きです。)

4. En été, j’aime prendre le vélo pour aller en montagne.(夏には、山に行くのに自転車を使うのが好きだ。)

5. Parmi les instruments de musique, je préfère le violon.(楽器の中では、バイオリンが一番好きです。)

6. Je vois de la lumière. Quelqu’un est dans la maison?(明かりが見える。誰かが家にいるのか?)

7. Que veux-tu sur ta crêpe? Du sucre ou du miel?(クレープに何をのせる?砂糖?それとも蜂蜜?)

8. Pour vivre, il me faut seulement un toit et de la nourriture.(生きるためには屋根と食糧さえあれば十分だ。)

1. Peggy faisait du judo
=> 特定されておらず、また数えることができないため部分冠詞 du を用いるのが正解。今回に限っては「〔何かしら/いくつかの〕柔道」と言いずらいかも…

2. tu fais une/de la bonne soupe
=> 今回は伝えたいニュアンスによって、どちらを用いてもよい。「美味しいスープを〔一つ〕作る」と言いたい場合には不定冠詞 une を、「美味しいスープを〔いくらか〕作る」と言いたい場合には部分冠詞 de la を用いるとよい。ぺぎぃの好みとしては部分冠詞 de la に1票。

3. J’aime bien les tartes, avec des pommes ou du citron.
=> まずは、 les tartes(パイ)。これは、後ほど「りんごやレモンが入った」と特定しているので定冠詞 les を用いる。
次に、pommescitron についてであるが、これは材料であるため、部分冠詞 desde la を用いるのが正解である。「〔いくらかの〕りんごと〔いくらかの〕レモン」という意味である。このように名詞を複数形にしても単数形にしても意味は同じである。

4. En été, j’aime prendre le vélo
=> 文法的には、j’aime prendre un vélo(自転車を一台とって)と言ってもよいのであるが、文脈的に「自分の自転車に乗って山に行く」という意味なので、定冠詞 le を用いたほうが◎。

5. Parmi les instruments de musique, je préfère le violon.
=> 今回はどちらとも総称の定冠詞 lesle を用いるのが正解。

6. Je vois de la lumière. Quelqu’un est dans la maison?
=> 「〔何かしら/いくらかの〕明かり」と明かりは数えることができないため、部分冠詞 de la を一般的に用いる。また、maison は文脈から特定の家について話していると考えるのが妥当であるため、定冠詞 la を用いる。

7. Que veux-tu sur ta crêpe? Du sucre ou du miel?
=> どちらとも材料。「〔いくらかの〕砂糖」、「〔いくらかの〕蜂蜜」ということができるため、部分冠詞 du を用いる。

8. il me faut seulement un toit et de la nourriture.
=> まずは、toit(屋根)。「生きるために必要」なのは一つだけの屋根なので、不定冠詞 un を用いる。特定はされていないので定冠詞 leを用いるのは間違い。
=> 次に、nourriture(食料)についてだが、これは特定もされていないし数を定めることもできない。なので、部分冠詞 de la を用いるのが正解である。

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POSTED COMMENT

  1. フランス人って最悪! より:

    コメント消されてる?
    最悪!!

    • onsenpeggy より:

      大変失礼しました!💦
      Wordpressの使用上、初めてコメントを投稿した方は承認しないとコメントが反映されないようになっていまして・・・ぺぎぃが承認作業を怠っていました。m(_ _)m

      最悪なのはフランス人ではなく、頭にチューリップがのったペンギンです!

  2. TOM より:

    こんにちわ

    いつもわかりやすい説明、参考になります。
    質問いたします!
    部分冠詞(du や de la)が主語となる場合は、動詞も複数になりますか?

    • onsenpeggy より:

      TOMさん、Bonjour!
      コメントありがとうございます!

      「du」や「de la」が主語となっても、名詞が単数形なので、動詞は単数形のままです。
      例えば:「De l’eau chaude coulait du robinet.(蛇口からお湯が流れていました)」では「de l’eau」が主語ですが、単数形なので「coulait」は単数形です。🌷

  3. りんご より:

    こんにちは。フランス語初心者で、よく参考にさせていただいています。

    質問なのですが、上記の冠詞の表に部分冠詞の複数形はdesと書かれていますが、他のサイトで部分冠詞に複数形はないと書かれています。どちらが正しいのでしょうか。

    部分冠詞は「数えられないものにつく」と書いてあるのに複数形という意味が分からなくて、調べているうちに他のサイトでそう書かれているのを見つけました。

    • onsenpeggy より:

      りんごさん、コメントありがとうございます!

      うーむ、、、確かに難しいところですが、例えばもともと複数形で示される言葉などは同じ部分冠詞でも複数形の「des」で示されるという考え方かなと思います。

      例えば:
      ・le riz, le pain → Je mange du riz. / Je mange du pain. (ご飯を食べる / パンを食べる)
      ・l’eau → Je bois de l’eau. (ご飯を食べる / パンを食べる)
      ・des pâtes → Je mange des pâtes. (パスタを食べる)

      この場合、「du riz」や「du pain」のように量がわからないときには単数形の部分冠冠詞を用いるのが一般的ですが、「des pâtes」のように元の名詞がそもそも複数形で表されるようなものは、量がわからなくても「Je mange de la pâte」とはならないというのがぺぎぃの考えです。
      厳密には「Je mange de la pâte」という文は成立はしますが、こう書いてしまうと「パスタ(des pâtes)を食べる」ではなく「何かしらのペーストや生地みたいなもの(= une pâte)を食べる」という意味になってしまいます。

      ぺぎぃ

  4. 座敷わらし より:

    いつもためになるビデオありがとうございます😊
    いつも楽しみにしてます。座敷わらし

    • onsenpeggy より:

      座敷わらしさん、コメントありがとうございます!
      それはとても嬉しいです。これからも頑張ります!(*^▽^*)

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