文法:代名詞

前置詞+関係代名詞「à qui」と「de qui」の使い分け方【フランス語の文法】

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フランス語の前置詞+関係代名詞を用いた文に、à qui de qui を用いたものがある。このde quià qui の使い分け方は、フランス語を勉強している日本人や、その他の外国人には理解しにくい部分の一つになっているので、本章では、à quide qui の使い分け方について、例文を用いて説明してみようと思う。

ぺぎぃのフランス語講座~フランス語文法【まとめページ】このページでは、今までにぺぎぃが作成してきた「フランス語の文法」に関する記事をまとめている。興味がある方は是非とも参考にしていただければ嬉しい。...

à quide qui の使い分け

à quide qui を使うタイミング

基本的に、à quide qui といった前置詞+関係代名詞は、こちらの記事で説明したdontと同じように、2つの文章A・Bが続いているときに、Aの文章で既に発言された内容と同じものが、Bの文章で先行詞+前置詞à/de再び使われた際に、内容の重複を防ぐために使われるものである

また、後ほどおまけで説明するが、à quide qui の他にも、à laquellede laquelle といった前置詞+関係代名詞の組み合わせも存在する。とりあえず、関係代名詞の指している先行詞「物」ではなく、「人」である時には、一般的にqui を使うと覚えておけば、間違いはない。ちなみに、「動物」の場合も「物」としてではなく、「人」として扱う。

à qui の使い方

まずは、前置詞 à + 関係代名詞 qui の使い方から始めよう。基本的に、à qui というのは、「誰へ」「誰の」「誰に対して」など、自分から相手の表面に対して方向性がくっきりと現れるときに使う場合が多い。英語で言えば、「to whom」「whose」にあたる。

例題を使って見てみよう:

A) Connaissez-vous cette fille?
(この女の子を知っていますか?)

B) Peggy parlait à cette fille hier soir.
(昨晩、ぺぎぃはこの女の子話していました。)

Aの文とBの文を別々に使う際には、全く問題がないが、ABの文を連続して連ねる場合には、cette fille という言葉が重複してしまうことになる。

A) + B) Connaissez-vous cette fille? Peggy parlait à cette fille hier soir.
(この女の子を知っていますか?昨晩、ぺぎぃはこの女の子に話していました。)

そこで、重複している部分を消して、スムーズな文面にするために、前置詞 à + 関係代名詞 qui を使う。すると、以下のようになる。

A) + B) Connaissez-vous cette fille à qui Peggy parlait hier soir?
(この、昨晩ぺぎぃが話していた女の子を知っていますか?)

前置詞de + 関係代名詞 qui を用いた時と異なり、どの文章でも、主語からqui が表している人物に対して方向性があることが見えるだろうか?例えば、今回のBの文、またはA+Bの文では、ぺぎぃから女の子の方向に、話しかけているという動作が含まれている。

de qui の使い方

次に、前置詞 de + 関係代名詞 qui の使い方を見てみよう。基本的に、de qui というのは、「誰について」「誰からの」など、à qui の時と違って、相手や自分の内側の要素を含むことが多い。英語で言えば、「about whom」「from whom」にあたる。

これもまた、例題を使って見たほうが話しが早い:

A) Connaissez-vous cette fille?
(この女の子を知っていますか?)

B) Peggy parlait de cette fille hier soir.
(昨晩、ぺぎぃはこの女の子について話していました。)

今回も、Aの文とBの文を続けて書くと、cette fille という言葉が重複してしまうため、前置詞 de + 関係代名詞 qui を使う:

A) + B) Connaissez-vous cette fille de qui Peggy parlait hier soir?
(この、昨晩ぺぎぃが話していた(=ぺぎぃの話に出てきた)女の子を知っていますか?)

ここで、注目してほしいのが、上記のA+Bの造りは、こちらの記事で説明した関係代名詞 dont を使うときの条件と全く一緒であること。つまり、 de qui の代わりに dont を使っても全く問題がない

A) + B) Connaissez-vous cette fille dont Peggy parlait hier soir?
(この、昨晩ぺぎぃが話していた(=ぺぎぃの話に出てきた)女の子を知っていますか?)

ちなみに、Cの文が、

C) Peggy a reçu un cadeau de cette fille hier soir.
(ぺぎぃは昨晩、この女の子からプレゼントをもらいました。)

であった場合は、

A) + C) Connaissez-vous cette fille de qui Peggy a reçu un cadeau hier soir?
(この、昨晩ぺぎぃがプレゼントをもらっていた女の子を知っていますか?)

となる。しかし、ここではde qui の代わりに dont を用いることはできない。何故なら、今回のdeには「~からの」の要素が含まれているからである。詳しくは、やはりこちらdont に関する記事の最終章を見てほしい。

また、今回注目してほしいのが、B)の文でも、C)の文でも、qui が表している人物の「内側の要素」が含まれていることである。文章で説明するのは難しいが、「女の子について」というのも、「女の子に対して」という意味ではなく、「女の子自身について」の話であるし、「女の子からの」というのも、「女の子の内側から外側へ」という要素がある。

このように、「相手へ」という方向性がなく「○○自身の」「○○について」など、内側のの要素が含まれている場合にde + qui を使うと覚えていただければよい。

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おまけ: à laquelle, de laquelle など

最後に、簡単なおまけとして、 à laquellede laquelle といった、前置詞+関係代名詞の使い道について触れておきたいと思う。根本的な部分は、à quide qui と同じく、2つの文章A・Bが続いているときに、Aの文章で既に発言された内容と同じものが、Bの文章で先行詞+前置詞à/de再び使われた際に、内容の重複を防ぐために使われるものである

à quide qui と唯一異なる部分は、関係代名詞の指している先行詞「人」「動物」ではなく、「物」である時に用いる前置詞+関係代名詞の組み合わせであることである。

また、qui の場合と違って、laquellelequel先行詞の性や数によって形が変化するということだけ、覚えておけばよい。

先行詞が男性名詞の場合 ⇒ auquel, duquel

先行詞が女性名詞の場合 ⇒ à laquelle, de laquelle

先行詞が複数の場合 ⇒ auxquels, auxquelles, desquels, desquelles

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