さて、ぺ千代(ぺちよ)ちゃん育成日記の第16話である。このときのペ千代ちゃんはちょうど3歳と8か月だ。

前回の記事では、フランス語の否定文でついつい「Oui」を使ってしまうぺ千代ちゃんのエピソードを書いた。今回はその流れとはまた少し違う方向で――ぺ千代ちゃんが自分の意思をフランス語でしっかり伝えてくれた!という、ぺぎぃ的にかなり感動したエピソードをお届けしようと思う。

本記事の内容
  • 公園で「あっち行きたい!」→ 自分でフランス語に翻訳した感動の瞬間
  • 1人称「Je」が自発的に出てきた!という成長のポイント
  • 「Je veux + 不定詞」――このパターンを覚えると何でも言えるようになる
ちなみに、ぺぎぃはフランス生まれ・フランス育ちの日仏ハーフで、ぺ千代ちゃんにはフランス語で話しかけるようにしている。ぺぎこちゃんは日本語担当。ぺ千代ちゃんは現在3歳半で、今のところ日本語の方が圧倒的に強い。(フランス語に触れるのは主に週末のぺぎぃとの時間)
ぺぎこ
ぺぎこ
今回は嬉しいお話ですのよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
うん、これはちょっと感動した。正直、まだここまでできるとは思っていなかったから!
フランス語の否定文でOui・Non・Siの使い分けを表すイラスト
フランス語の否定文でOuiを使っちゃう!SiとNonの逆転現象|バイリンガル育児体験記⑮日仏ハーフ3歳半の息子ぺ千代ちゃんが、フランス語の否定文でOuiを使ってしまう「逆転現象」を体験記として紹介。SiとNonの使い分けも解説。フランス語学習者にも参考になる内容!...

①「あっち行きたい!」がフランス語になった瞬間

公園でブランコを指さして喜ぶぺ千代のバイリンガル育児エピソードのイラスト

先週末のこと。ぺぎぃとぺ千代ちゃんで近くの公園に散歩に出かけた。(土日のお散歩はぺぎぃの担当になっている)

公園にはいくつか遊具があって、少し遠くにブランコが置いてあった。ぺ千代ちゃんはそれを見つけたとたん、ぐいぐいと手を引っ張ってくる。

ぺ千代:「あっち行きたい! パパ、あっち行きたい!」(日本語)

はいはい、ブランコね。(ぺぎぃ、即座に理解)

さて、ここでぺぎぃはフランス語で話しかけているので、ひとつ試してみることにした。

ぺぎぃ:「Et en français, tu dis comment ?(フランス語では何て言う?)」

ぺ千代ちゃんは少し考え、たどたどしさはあったものの、こう返してきた。

ぺ千代:Je veux … allerlà-bas !」

…おお!!

Je veux(私は〜したい)」+「aller(行く)」+「là-bas(あそこ)」。完璧な文の組み立てだ。(少し迷いながらも、ちゃんと出てきた!)

ぺぎぃ
ぺぎぃ
これはすごく感動した!「あっち行きたい」って日本語で言ったやつを、自分でフランス語に翻訳して「Je veux aller là-bas」って言えたんだよ!
ぺぎこ
ぺぎこ
しかも「Je(私)」って1人称がちゃんと出てきてるですのよ!

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②「Je(ジュ)」の1人称が自発的に出てきた!

フランス語で1人称Jeを使って話すバイリンガル育児の言語成長イラスト

実はぺ千代ちゃん、これまで1人称の「Je(ジュ)」を自発的に使うのが苦手だった。

なぜかというと、ぺぎぃがフランス語で話しかけるとき、「Tu veux y aller ?(行きたいの?)」のように2人称(tu)で質問することが多い。すると、ぺ千代ちゃんはそのまま「tu veux…」とオウム返ししてしまうのである。

ぺぎぃ:「Tu veux aller là-bas ?(あそこに行きたいの?)」
ぺ千代(以前):「Tu veux aller là-bas !」(「tu」をそのまま返す)

自分のことなのに「tu(あなた)」で言ってしまうのだ。よく見られる幼児の言語習得あるあるである。

ところが今回は違った。ぺぎぃが「フランス語で言ってみて」と伝えたのに対して、ぺ千代ちゃんはオウム返しではなく日本語の「あっち行きたい」をフランス語に”翻訳”して「Je veux aller là-bas」と言ったのだ。

これは言語発達的に言うと、かなり大きなステップと感じている。

「tu(あなた)」ではなく「Je(私)」を自発的に使う、ということは、主語の概念を理解したうえで、自分の発話にあてはめているということ。「ぺぎぃに言われた文をそのまま返す」のではなく、「自分で文を組み立て直した」証拠である。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
迷いながらでも「Je veux aller là-bas」って言えたということは、もう頭の中にそのパターンが入っているってことだよ。
ぺぎこ
ぺぎこ
もっと成長して、何を言い始めるのかが楽しみですよ!

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③「Je veux + 不定詞」――このパターンを覚えると何でも言えるようになる

フランス語「Je veux」を使っていろんな気持ちを伝える表現パターンのイラスト

せっかくなので、今回のエピソードの核になったJe veux不定詞のパターンについて少し解説しておこう。

3-1. 「Je veux + 不定詞」の基本

日本語で「〜したい」と言いたいとき、フランス語では:

Je veux不定詞(動詞の原形)
→ 「〜したい

Je veux」は動詞「vouloir(欲する・したい)」の1人称単数現在形だ。英語の「I want to〜」に相当する表現で、この後に動詞の原形(不定詞)を続けるだけで、いろいろな「〜したい」が言えるようになる。

3-2. 基本の例文バリエーション

フランス語日本語訳
Je veux manger.食べたい。
Je veux boire.飲みたい。
Je veux dormir.寝たい。
Je veux jouer.遊びたい。

動詞1つを知っていれば「〜したい」が言えるようになる。語彙が増えれば増えるほど表現の幅が広がる。

3-3. 目的語をつければもっと具体的に

Je veux aller」だけでも通じはするが、この場合には「どこに行きたいか」「何がしたいか」などの目的語が必須となる。

フランス語日本語訳
Je veux aller à la piscine.プールに行きたい。
Je veux aller à l’école.学校に行きたい。
Je veux manger du pain.パンが食べたい。
Je veux manger un croissant.クロワッサンが食べたい。
Je veux aller là-bas.あそこに行きたい。
là-bas」は「あそこ」「向こう」という意味の場所の副詞。具体的な目的地を知らなくても「Je veux aller là-bas !」で十分意図が伝わる。「あっち行きたい!」というときに万能に使える便利な言葉だ。
ぺぎぃ
ぺぎぃ
Je veux + 不定詞」さえわかっていれば、あとは動詞の語彙を増やすだけで「食べたい」「飲みたい」「行きたい」「遊びたい」と何でも言えるようになる。
ぺぎこ
ぺぎこ
Je veux aller là-bas!」って言えたのって、「Je veux」パターンを自然に身につけていたってことよね!

まとめ

丘の上で広い空を見渡すぺ千代のバイリンガル育児の成長を表すイラスト

今回のエピソードをひとことで言うと:「あっち行きたい!」が「Je veux aller là-bas!」になった日

ポイントをおさらいすると:

  • ぺ千代ちゃんが日本語の欲求を自分でフランス語に翻訳して言えた
  • 以前は「tu」をオウム返しするだけだったのが、Je(私)」を正しく使えるようになってきた
  • Je veux不定詞(+ 目的語)」のパターンは、語彙が増えれば何にでも応用できる

まだまだたどたどしいところはあるが、「迷いながらもちゃんと言えた」ということは、頭の中にそのパターンが根付いてきている証拠だとぺぎぃは思っている。(←親馬鹿と笑ってくれてよい)

これからも語彙を少しずつ増やしながら、週末の散歩でぺ千代ちゃんの「Je veux〜」を引き出していきたいと思う!

ぺぎこ&ぺぎぃ
ぺぎこ&ぺぎぃ
バイリンガル育児で同じような経験をした方、またはこれからチャレンジしてみたい方はぜひコメント欄で教えてください! 皆さんのエピソードもぜひ聞いてみたいです!

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