その他、ぺぎぃの雑学

【日本人が知らない】フランスでの常識~その⑥:お店の店員とお客さんは対等の立場【海外の反応】

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日本からフランスに観光や出張で来た人は、日本とフランスの接客対応のギャップに驚くことが多い。例えば、お店に入った時に、『いらっしゃいませー』と挨拶をされなかったり、お店を出るときにも『ありがとうございましたー』と頭を下げられなかったり…

このギャップは「お客さんもお店の店員も、同じフランス国民として対等の立場にある」というフランスの考え方に基づいているものだと、ぺぎぃは考えている。

確かに、お客さんを「神様」として扱っている日本と比べてしまえば、接客対応に見えるかもしれない。しかし、決してフランスの接客対応もではないことについて、今回の記事では紹介していきたいと思う。

お店や購入窓口での接客対応

スーパーのレジ袋は自分で詰める

まず、日本からフランスへ来た人の大半が驚くのが、フランスのお店のレジである。スーパーへ行って、商品をかごへ入れて、いざレジへ行ってみると、『あれ?ベルトコンベア?』となる。

そう、フランスでは、自分でかごの中身を出して、ベルトコンベアに乗せて、店員がスキャンした品物を受け取って、自分で袋に詰めなければならないのである。日本の感覚で、かごを店員に手渡してしまうと、『は?』という顔をされてしまうだろう。

しかも、後ろのお客さんがどんどんと詰めてくるので、商品をベルトコンベアに乗せ終わったら、手際よくレジの出口側に回り、会計を済ます前に持参した袋に商品をぱっぱっと入れて置かなければいけない。もたもたしていると、レジの係員に『Vous ne pourriez pas vous dépêcher un peu, s’il-vous-plaît?』(もっと早くできないの?)どやされてしまう

また、商品に穴が開いていたり、野菜が腐っていたりした場合、取り換えに行くのもお客さん自身の場合が多い『Oh, il y a un trou dans cette marchandise. Voudriez-vous l’échanger?』(おや、商品に穴が空いていますよ。取り替えますか?)と聞かれて、『Oui bien sûr!』(ええ、もちろん)と答えると、『D’accord, vous pouvez aller en chercher un autre!』(わかりました、では、同じ商品をもう一つ取ってきてよいですよ!)となる。

お分かりだろうか?『もう一つ取ってきてよいですよ!』である。日本でのやさしい、『すみません、今すぐ替えの商品をお持ちしますので、少々お待ちください。』ではない。

会計中に雑談

次に、日本人が驚くであろう光景は、レジの係員たちが、自分たちの仕事中にお喋りをしていることだ。それは、レジに並んでいる常連のお客さんとであったり、後ろや隣の席にいる同僚とであったりするが、『えっ、こんなにお喋りしてていいの!?』と思うくらい、とにかくしゃべるしゃべる!

ぺぎぃも、この間 Charles de Gaulle 空港で耳栓を買おうと薬局のレジで並んでいた時に、若い女性のレジの係員たち二人が、『Tu finis quand toi aujourd’hui?』(ねぇ、君は今日、仕事はいつ終わるの?)『Moi je finis dans 20 minutes! Je ne fais pas l’aprèm.』(わたしはあと20分であがりよ!午後はなし。)『 Oh la chance!! Moi je n’en peux déjà plus là.』(いいなぁ、あたしはもう既にうんざりよ!)と会話をしていたのをよく覚えている。

えっ!?お客さんの目の前で愚痴を言っていていいのか!?

随分と堂々とした態度である。

また、駅で切符を購入するために窓口で並んでいた時には、目の前に窓口の係りの人がいるのに、その係りの人が自分の同僚との会話に夢中で、5分くらい待たされたこともある。その時の会話内容も、『Hé! Je suis parti voir un match de foot ce weekend dernier!』(先週末、サッカーの試合を見に行ってきたぜ!)という、他愛もない日常会話であった。

サッカーはいいから、先に切符を買わせてくれよ… であった。

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フランスではお客さんも店員も対等

では、フランスでの接客対応は何故こうも日本の接客対応と異なるのか?その理由をぺぎぃなりに考えてみた。

その答えは、
「フランスではお客さんも店員(係員)も対等であるから」
であると思う。

つまり、たとえレジの係員であろうと、レストランの店員であろうと、駅の公務員であろうと、お客さんと同じ一フランスの国民として、上下関係のない同じ立ち位置にいるということである。これは、「お客様=神様」という日本の精神とは大分かけ離れた発想である。

勿論、お店側の商品を購入したり、交通機関などのサービスを受けている時点で、「お客さん」であることに変わりはない。お店側としては当然、最低限の礼儀はわきまえていなくてはならない。しかし、飽くまで最低限である「お客さん」であるからと言って、最高のおもてなしが必要という考え方はフランスにはないようだ。何故なら、所詮、同じ人間であるから

少し大げさに感じるかもしれないが、一度フランスに来てみて、日本との接客対応のギャップを肌で感じてみるとよい。日本で言う「お客様」に対する対応というよりは、街中で出会う「一般の人」に対する話し方に限りなく近いことが理解できるであろう。それがゆえに、「お店側の店員」「お客さん」お喋りをしたりもするし、時には文句を言ったり愚痴を言ったりもするのである。

最初の方は、それが変に感じたり、失礼に感じたりするかもしれない。しかし、しばらくすると、そのサバサバした接客対応が、不思議と逆に心地よい、温かみのあるものに感じてくるのである。その理由を以下に説明しよう。

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温かみのある接客対応

挨拶は基本中の基本

フランスでの接客対応温かみを感じてくる理由の一つに、まず挨拶というものがある。

フランスでは、日本の一方的な『いらっしゃいませー』とは異なり、お店や交通機関に入ったら、お店側、お客さん側を問わず、誰でも彼でも、まず相手の目を見て挨拶をするのがマナーである。また、商品を受け取ったら、相手の目を見てお客さんの方からお礼の言葉を述べる。何故なら、「相手もまた、自分と同じ人間であるから」。これを決して忘れてはいけない。

ぺぎぃも、日本で長らく暮らした後、フランスに戻ってきたばかりのときに、バスに乗った際につい日本の感覚で『Bonjour!』と運転手に言うのを忘れてしまったことがある。そうしたら、『Hé! Vous là!』(おい!ちょっとそこのあんた!)と運転手に呼び止められ、『Bonjour quand même, non!?』(訳:挨拶ぐらいしたらどうだ!?と軽く注意されてしまった。それだけ、挨拶はフランスでは重要なものなのである。

もちろん、運転手お店の店員にだけではなく、お店の入り口に立っている警備員の人にも、ちゃんと目を見て『Bonjour!』と挨拶をする。日本ではないこの習慣だが、慣れてくると意外と温かみを感じてくるものである。挨拶さえしっかりしていれば、トラブルはないと言っても過言ではない。また、頻繁に行くお店や、窓口では顔を覚えられてより一層親しみが増す場合もある。

レストランでもコメントをするのが礼儀

二つ目に、フランスでの接客対応温かみを感じてくる理由として、そのサバサバした接客対応による自由度の高さがある。

上の方で話した通り、フランスのお店窓口では、店員係りの人お喋りをしていることは日常茶飯事である。しかし、逆に言えば、こちらから話しかけたり、雑談を持ちかけたりしても何の問題もない。むしろ、大いにウェルカムである場合が多い。

例えば、普段、買い物をしてレジに並んでいると、結構毎日同じ店に出入りしているであろう常連の客が、レジの人『Salut! Ca va?』(よう!元気か?)と話しかけている光景をよく見る。また、フランスでレストランへ行った際にも、お店の店員に『Alors, c’était comment?』(お味はいかがでしたか?)と聞かれたり、お客さんが少ない時には『Il n’y a pas beaucoup de monde aujourd’hui. Comment cela se fait?』(今日はあまり人がいませんね。どうしてでしょうかね?)で会話(=雑談)がスタートすることが非常に多い

これこそが、フランス流のLiberté, Egalité, Fraternité」(自由、平等、友愛の精神そのもののあらわれではないか?

初めはとっつきにくかったり、いきなりフランス語で雑談を始められても、何をどう返そうかわからず、緊張してしまうかもしれない。しかし、接客対応が不器用なフランス人を、長い目線で見ていただきたい。すると必ず、自由平等友愛の国フランスの温かみが、皆さんにもじわじわと感じられてくるであろうと、ぺぎぃは思う。

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