日本の面白いところは、街中に公衆トイレがたくさんあるのに、ゴミ箱が一つもないところである。たわしの友人が日本へ遊びに来た時にも、いつも『あれ、ゴミはどこへ捨てるんだ?』と質問していた。
本章では、「【フランス人から見た】日本のすごいところ」の第3弾として、日本でのゴミの取り扱い方について話したいと思う。
日本の街中にはゴミ箱がない
ゴミ箱がなくてもきれいな街中
まず、日本では、どこへ行っても街中にはゴミ箱が全然ない。公園にもないし、駅前にもないし、自動販売機のそばにあるのは空き缶やペットボトル用のゴミ箱だけ。この事実に直面した時には正直驚いてしまった。
では、一体なぜ、日本の街中はこうもきれいなのか!? と。
だって、ゴミ箱がないのに、ゴミが一つも落ちていないではないか!!異論がある方は、フランスやニューカレドニアへ来てみるとよい。チューインガムのカスや、たばこの吸い殻は当たり前、その他にもあるわあるわ、ペットボトルや正体不明の紙くずなどが地面に落ちている。
日本では、正体不明のゴミが置いてあったとして、せいぜい違法駐輪の自転車のかごの中か、その違法駐輪の自転車そのものがゴミであるだけである。
では、何故、こうも日本の街中はきれいなのか?
そもそも、街を歩きながらゴミを出さない
そもそも、日本では、フランスと違って、街中で歩きながら食べたり、飲んだり、また歩きながらたばこを吸っている人を見かけることは少ない。何故なら、それらは全国民から「マナー違反」として見られているからである。
特に、歩きたばこに対する目線は厳しい。刑事罰の対象となる「犯罪」扱いにまではならないらしいが、結構街中で「歩きたばこは止めましょう」みたいな看板を見ることが多い。フランスでは、男性女性を問わず、普通に街中でたばこを吹かしている人が結構いる。
また、食べ歩きに関しても、視線はたばこと比べてだいぶ緩やかではあるが、基本日本の街中で食べながら歩くことも一応「マナー違反」として冷たい目線で見られるようだ。たわしも、ついつい何度か、コンビニで買ったおにぎりなどを、そのまま歩きながら食べていたが、結構人々の視線がぐさぐさ刺さってきた。
そして、食べ終わったころに気付くのである。
『あ、、この残ったゴミはどこに捨てればよいのだろうか?』 と。
つまり、日本では、街中で歩きながら食べたり飲んだりしない以上、自然とゴミが出てこないのである。ゴミが出てきたとして、食べ物を仕入れたコンビニエンスストアの前なので、そこでゴミを捨てて置けばよい。まず、これが日本の街中でゴミ箱が不要とされる第一の理由である。
他人を思いやる日本人の精神
そして、何よりもすばらしいと感じたのが、日本人の他人を思いやる精神である。
他人に迷惑をかけたくない ⇒ ゴミを出しては迷惑が掛かってしまう ⇒ ゴミは持ち帰ろう ⇒ 落ちているごみは拾っていこう
この流れが、自然にできていることが、日本では当たり前である。ここが、フランスとは大分ちがう。フランスではせいぜい、
ゴミが出ちゃったがゴミ箱が見当たらないなぁ ⇒ 適当にそこらへんに捨てようか ⇒ でもそんな低レベルのことはしたくないなぁ ⇒ しょうがない、持って帰るか ⇒ 俺っていいやつ!
くらいの流れしか出てこない。ひどい場合には、『適当にそこらへんに捨てようか』で終わりであるし、『どうせ皆捨てているし、今更目立たない』が出てくる場合もある。
日本では、そもそも周りに誰もポイ捨てをしている人がいないので、捨てたら目立ってしまうという集団効果も少しは働いているのかもしれない。しかし、だからといって、それでも誰かが落としてしまったたばこの吸い殻や、チリ紙などを、町内会の方々や、近所の学生が拾って持ち帰って捨てるなどということは、フランスでは考えられないことである。
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ゴミの分別
分別のこだわりがすごい
日本へ遊びに来た友人の誰しもが、口々にこう言う。『ゴミはすべて燃えるんだから、燃えるゴミでいいんじゃないの?』と。しかし、日本では、そうはいかない。生ごみは「燃えるゴミ」、紙製のゴミや段ボールは「紙」、ペットボトルは「ペットボトル」、ペットボトルの周りについているシールやキャップは「プラ」、ガラスのボトルは「ビン」、空き缶は「アルミ」&「スチール」に分ける。。。途方もない分別が必要になってくる。
コンビニのゴミを捨てる際には、袋ごとまとめて「燃えるゴミ」に入れるべきか、プラ製の容器を「プラ」に入れるべきか、はたまたやはり食べ物のカスがついているので「燃えるゴミ」に入れるべきか、ぺぎぃもよく迷ったものだ。
フランスでは、せいぜい「雑誌」、「ビン」、「その他リサイクル可能なゴミ」、「その他全てのゴミ(=燃えるゴミ)」の4種類である。まぁ、乾電池や、電球、プリンターのインクなども分けたりはするが、それほどの量が出るわけではない。
粗大ごみを捨てるのにお金がかかる
更に、日本で何といっても驚いたのは、粗大ごみを捨てるのにお金がかかることである。
フランスではそのような話は聞いたことがない!
皆、家の外の歩道の上に、使い古したソファーやら、使えなくなったパソコンのモニターやらを、業者が集めにくるまで、何週間も放置しているが、特に何も言われない。
日本では、そのようなことをしたら罰金ものである。ちゃんと市役所に連絡を取り、粗大ごみシールを貼って、決まった日に外に出さなければならない。早くても遅くてもだめ。徹底している。そのおかげか、日本の住宅街はいつも整頓されていてきれいだし、掘り出し物目当てで妙な輩が家の周りをうろつくことも少ない。
確かに、引っ越しの際に出てきてしまう粗大ごみに対し、お金を払いたくないという意見も多い。しかし、逆に言えば、お金を払いたくないからこそ、中古品取扱店に引き取ってもらう人が増えたり、洋服をH&Mなどのお店に寄付する人も出てきて、環境にやさしいシステムになっているのである。
フランスでも、そこまでしろとは言わないが、せめて街中に出すゴミの制限は設けるべきかとぺぎぃは思う。最近家の前にずっと放置されている破れた座椅子や車のタイヤなどは、ちゃんと管理されているのだろうか。
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