フランス語には、英語と同じく、定冠詞 le、la、les不定冠詞 un、une、des2種類が存在する。

使い分け方もいたって簡単。定冠詞は、「特定された物事や、物事を総称的に言い表したいときに使う」のに対し、不定冠詞は、「特定されていない物事を言い表すときに使う」のである。これさえわかれば、後は慣れの問題である

しかし、一般的な定冠詞 le、la、les と一般的な不定冠詞 un、une の使い分け方は何となく理解したが、de を用いた部分冠詞 du、de lade前置詞 de と一体化した冠詞 du、des複数形の不定冠詞 de des などがごちゃ混ぜになってしまい、『どのような場合に de を用いればよいのか、どのような場合に des を用いればよいのかわからなくなってしまった。』という方はいないだろうか?

心配はいらない、これはよくありがちなことである。ぺぎぃはそのためにいる。

本章では、上で挙げた様々な de や des で成り立つ冠詞の使い分け方について説明していきたいと思う。

ぺぎぃのフランス語講座~フランス語文法【まとめページ】このページでは、今までにぺぎぃが作成してきた「フランス語の文法」に関する記事をまとめている。興味がある方は是非とも参考にしていただければ嬉しい。...

des の様々な使い分け方

不定冠詞の des

まずは、不定冠詞の des。これは、一番簡単。要は単数形の unune複数形にしただけの話である。つまり、普通の不定冠詞と同じく、「特定されていない物事を言い表すとき」に使えばよいである。

以下に例を示そう:

a) Peggy achète une baguette. ⇒ Peggy achète des baguettes.
(ぺぎぃはバゲットを1本買う。 ⇒ ぺぎぃはバゲットを数本(2本以上)買う。)

b) Je participe à un cours de français. ⇒ Je participe à des cours de français.
(私は(一つの)フランス語の授業に参加している。 ⇒ 私は複数のフランス語の授業に参加している。)

c) Dans le ciel, je vois un avion, un nuage et un oiseau. ⇒ Dans le ciel, je vois des avions, des nuages et des oiseaux.
(空に、(1機の)飛行機と、(1つの)雲と、(1羽の)鳥が見える。 ⇒ 空に、(複数の)飛行機と、(複数の)雲と、(複数の)鳥が見える。)

a)b)c) のどの文でも、「どのバゲットについて話しているのか」「どのフランス語の授業なのか」「どの飛行機なのか、どの雲なのか、どの鳥なのか」特定していないのがわかるだろうか?

このように、物事が特定されていない場合で、且つ名詞が複数形の場合にのみ、不定冠詞 des を用いるのである。

単数形の場合には unune、特定された物事の話をしているときには la baguette」、「au (=à + le) cours de français」など、lelales を用いることになる。

前置詞 de と一体化した des

次に、前置詞 de と一体化した冠詞 des について説明しよう。これは、文の中に存在する前置詞 de定冠詞 les組み合わさった時に成り立つ des である。つまり、先ほどの不定冠詞des と異なり、「特定された物事を言い表すとき」や、「物事を総称的に言い表したいとき」に使うのである。

以下の例を見てもらえば、よりわかりやすいと思う:

a) Peggy a besoin de la voiture rouge. ⇒ Peggy a besoin des voitures rouges.
(ぺぎぃは(特定された)(1台の)赤い車を必要としている。 ⇒ ぺぎぃは(特定された)(複数の)赤い車を必要としている。)

b) C’est la cheminée de la maison en brique. ⇒ Ce sont les cheminées des maisons en brique.
(これは(あの)(一軒の)煉瓦でできている家の煙突である。 ⇒ これらは(あの)(数軒の)煉瓦でできている家の煙突である。)

c) On entend le son du violon que joue Peggy. ⇒ On entend le son des violons que jouent Peggy et Tamy.
(ぺぎぃが奏でているバイオリンの音色が聞こえます。 ⇒ ぺぎぃとたみぃが奏でているバイオリンの音色が聞こえます。)

理解できただろうか?
a)b)c) のどの文でも、「赤い車」「煉瓦でできている家」「○○が奏でているバイオリンの音色」と、特定された物事について話しているのである。そのため、単数形では定冠詞 lelaを、複数形では定冠詞 les を用い、前置詞 de との一体化によって、du (= de + le)de lades と変化するのである。

つまり、今回の冠詞 des は、前置詞 de + 定冠詞 le、la の複数形なのである。

逆に言えば、単数形に戻した時に、dude la となる場合、複数形des を用いればよい。

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de の様々な使い分け方

部分冠詞の de

部分冠詞とは、「数えることのできない物事を言い表すとき」に用いる冠詞 du de la のことである。「数えることのできない物事」には、液体物や、食べ物感情などが含まれる。

以下に一例を示す:

a) J’ai bien soif. Pourrais-tu me passer de l’eau s’il-te-plaît?
(とても喉が渇いた。水をいただけないだろうか?)

b) Il te faut du courage pour surmonter cette épreuve.
(この試練を乗り越えるためには勇気が必要だ。)

c) Peggy ne veut pas manger de la viande mais du poisson.
(ぺぎぃは肉ではなく、魚を食べたがっている。)

また、今回注目してほしいのが、部分冠詞の de複数形になることがないということである。例えば、「Je veux boire de l’eau.」とは言うが、「Je veux boire des eaux.」とは言わない。「数えることのできない物事」に使われる冠詞なので、当たり前といえば、当たり前である。

唯一複数形にできるとすれば、冠詞 de名詞間に形容詞が入ってくる場合である。説明は次の章を見てほしい。

不定冠詞の de

もう一つ、冠詞 de の使い方として、不定冠詞 des の変換系の de というものがある。これは、冠詞 des名詞の間に、形容詞が入っている場合に使うことが多い。

例を示した方が早いので、以下を見てほしい:

a) Sur le sol gisait des insectes. ⇒ Sur le sol gisait de gros insectes.
(地面には複数の虫が這っていた。 ⇒ 地面には複数の大きな虫が這っていた。)

b) Peggy dessine en utilisant de la couleur. ⇒ Peggy dessine en utilisant de belles couleurs.
(ぺぎぃは色を使って絵を描いている。 ⇒ ぺぎぃはきれいな色を使って絵を描いている。)

c) Nous avons goûté des plats japonais. ⇒ Nous avons goûté de délicieux plats japonais.
(我々は日本料理を食べてみました。 ⇒ 我々はとても美味しい日本料理を食べてみました。)

例外: 動詞 êtreil y a という表現を用いる際には、desde をに変換しなくてもよい場合が多い「Ce sont des/de gros insectes.」(これらは大きな虫です。)、「Il y a des/de gros insectes.」(大きな虫が(複数)います。)など。

b)の文では、先ほどの「数えられない物事」で説明した、部分冠詞 de la が使われている。しかし、「belle」などの形容詞冠詞と名詞の間に設置すると複数形に変化しde を用いる。

量を示す言葉の後に来る de

次に、冠詞 de を用いる場合に、「量を示す言葉の後にくる」 de が挙げられる。「量を示す言葉」とは beaucouppeuplusmoins などのことである。

以下に一例を示す:

a) Peggy pratique beaucoup de sport cette année.
(ぺぎぃは今年、多くのスポーツをこなしている。)

b) Veux-tu plus de beurre sur ta tartine?
((君の)パンにもう少しバターを塗るかい?)

c) Il y a assez de fleurs dans le jardin.
(庭には十分に花がある/咲いている。)

今回は特に難しい点はないと思うが、一点だけ注意点として、c) の文のように、名詞が複数形で使われる際にも、de ⇒ des とならないことだけを頭に置いておくとよい。「Il y a assez des fleurs」とは言わないのである。

否定文冠詞の de

最後に、否定文を用いるときにも、冠詞 de を使うことについて記しておこう。これは、いたって簡単で、ne ~ pas などの否定文が来たら、特定された物事や、総称的な物事ついて話している場合以外は、必ず de を使うと覚えておけばよい。

以下に例を示す:

a) Je fais de la natation. ⇒ Je ne fais pas de natation.
(僕は水泳をやっている。 ⇒ 僕は水泳なんかやっていない。)

b) Je veux faire du vélo. ⇒ Je ne veux pas faire de vélo.
((私は)自転車がしたい。 ⇒ (私は)自転車がしたくない。)

c) Peggy a dessiné une tulipe. ⇒ Peggy n’a pas dessiné de tulipe.
(ぺぎぃはチューリップの絵を描いた。 ⇒ ぺぎぃはチューリップの絵なんか描いていない。)

例外(特定された物事):
N’éteinds pas encore la lumière!(まだ(その)電気を消さないで。)
Je n’ai pas l’argent sur moi.(私は(例の)お金を持っていない。)

例外(総称的な物事):
Je n’aime pas le vélo.(私は(総称的に)自転車が好きではない。)
Ce n’est pas de la pamplemousse.(これは(総称的に)グレープフルーツではない。)

総称的な物事の例で用いたが、動詞 aimerêtre を用いた否定文の場合には、冠詞 de を用いないと覚えておくとよい。何故なら、aimer必ず総称的な物事に結びついておりêtre総称的な物事か特定された物事に必ず結びついているからである。

また、「本当に一切ない」ということを強調する場合には、冠詞 de ではなく、数字を表す冠詞 un、une を用いることもある。

例:
Je n’ai pas de sou. (私は小銭を持っていない。)
Je n’ai pas un sou. (私は一銭も持っていない。)

自分では使わないにしても、頭の片隅に置いておけば、フランス語の微妙なニュアンスを理解する手助けにはなるかもしれない。

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