今回は納豆ご飯の作り方を紹介しよう。納豆菌だけは日本か日本食品店で手に入れる必要があるが、その他の材料のすべてはフランスでも手に入れることができる。
難易度 | ★★★★★☆☆☆☆☆(納豆菌の配分が難しい) |
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材料費 | ★★☆☆☆☆☆☆☆☆(約2€/茶碗大盛り1杯) |
所要時間 | ★★★★★★★★★★(約48時間/量問わず) |
栄養バランス | ★★★★★★☆☆☆☆(結構バランスよい気がする) |
おすすめ度 | ★★★★★★★★★★(非常に美味しい) |
コメント | フランスで納豆ご飯が恋しくなっている人には是非ともお勧め! |
余談だが、実はぺぎぃは納豆が大好物である。幼いことはずっとフランスに住んでいたので、納豆など5年に数回くらいしか口にしたことがなかったのだが、毎度あの美味しさには感心していたものだ。
そして何度も言うようだが、今回紹介する納豆はなんと!フランスでも作ることができるという優れもの。更にオクラや海苔を付け加えれば、日本で食べていたパックの納豆にも勝る味が引き出せる。本当におすすめの品である!
目次
材料を揃えよう
それでは、納豆ご飯を作るための材料を紹介しよう。
・Soja Jaune(大豆)
納豆を作るので、当然必要となるのが大豆である。フランスでは、Soja jaune という名前で、BioCoopなどBioの食品を扱っているお店で見つけることができる。誰も買わないせいか、値段も500gで2€ほどと、割安であった。(Haricots rouges とかは3€に近い)。
・Natto(納豆/納豆菌)
納豆を作る際に、納豆に続いて重要なのが勿論納豆菌である。フランス語では何と言えばよいのかわからないが、Bactérie(菌)を言うと響きが悪いので、Poudre de Natto(納豆の粉)とかでも言っておけばよいだろうか…?
この納豆菌だけは、フランスでは手に入れることができないため、先日日本に行ってきたぺぎこに勝ってきてもらった。しかし、他にも冷凍されたパックの納豆を使用した調理方法も紹介するので心配はいらない。ついこの間までは、ぺぎぃもパリの日本食品店で購入してきた冷凍納豆を使用して納豆菌を栽培していたのである。
・Gombo(オクラ)
この材料については、ぺぎぃもつい2か月前に発見したばかりである。Gomboといってオクラである。
今までは、大豆だけを使って納豆ご飯を作って食べていたが、Gombo(オクラ)を入れると美味しさも、栄養バランスも、粘り気も倍増するので、是非ともお勧めする。こちらも、誰も買わないせいか値段がかなり安い。
ぺぎぃの住んでいるところの近所ではGrand Frais(グラン・フレ)というスーパーマーケットに新鮮なオクラが売っていたが、知人の話ではAuchan(オーシャン)などにも売っているらしい。見かけたらぺぎぃにも教えてくれると嬉しいのである。
・Yaourtière(ヨーグルトメーカー)
材料…ではなく、機械になってしまうが、今回の納豆づくりではヨーグルトメーカーも重宝する。その名前の通り、本来は牛乳を入れて発酵させてヨーグルトを作るための機会であるが、中の小瓶を約40℃くらいの温度に保つことができるため、大豆の発酵にももってこいである。
どうしてもないという方は、ボイラー室や湯たんぽと魔法瓶を使用した保温方法などもあるが、通販で小瓶14個入りで15€ほどで手に入るので、悪くない投資だとぺぎぃは考える。空き瓶を交互に使用すれば、デザートのヨーグルトも作ることができる。
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料理をはじめよう
では、材料の紹介が一通り終わったところで、納豆を作っていくことにしよう!皆さんのご想像通り、大豆の発酵にはいくらか時間がかかるため、大分余裕をもって準備にとりかかることをお勧めする。
1. 大豆を水に漬けておこう
Biocoopで購入したSoja jaune(大豆)などは、乾燥されている大豆なので、一晩くらい水に入れてもどしておきましょう。
そのためには、まずは好きなだけの量の大豆を大きめの容器に移し、
次に、大豆の量の約3倍ほどの水を加えておこう。
そして一晩(およそ8~12時間)放置しておくと、大豆が水を吸収し、膨らんでいるはず。これで下準備はオーケーである。
2. 大豆を圧力鍋で煮よう
次は、先ほどの膨らんだ大豆をCocotte Minute(圧力鍋)に移し、軟らかくなるまで煮こむとしよう。水は換えても換えなくてもよい。ぺぎぃは少し水を足しながらそのまま煮込んでいる。
ちなみに煮込み時間は人それぞれだが、ぺぎぃの場合は強火で圧を入れてから、弱火で10分放置、さらにそこから圧が抜けきるまで火を止めて放置している。Cocotte Minute(圧力鍋)によっては、蓋の部分にタイマー機能が付いている便利なものもある。
3. 納豆菌を準備しよう
大豆を煮こんでいる間に、納豆菌を準備しておこう。
そのためには、先ほど紹介した納豆菌を少量ぬるま湯に入れてかき混ぜる必要がある。納豆菌の量については、大豆の量に応じてほぼフィーリングと言いたいが、ぺぎぃは175gの大豆に対して大体耳かき5~6杯分くらい入れている。
また、ぬるま湯の量が多すぎると、後々大豆が水でびしょびしょになってしまうので、あまり入れすぎないように注意するべきである。
納豆菌の粉がない場合:
納豆菌の粉がない場合は、冷凍されている市販の納豆のパックを一つ解凍し、同じくぬるま湯に入れてよく混ぜることで、納豆菌のスープを作り出すことができる。
冷凍納豆はフランスでも、中華食品店や日本食品店で見つけることができる。ぺぎぃも昔この方法で納豆を作っていたので、特に納豆菌の粉と大差はない。また、納豆菌は熱で活性化するようなので、納豆が凍っていたり冷たい場合は、やや熱めの湯で混ぜることをお勧めする。
4. 大豆の水を切っておこう
大豆が煮えあがり、圧力鍋の圧が抜けたら、大豆をざるに移し、水をよく切っておこう。豆が熱くなっているので、何回かざるを振れば大体の水は飛んでいく。
5. 大豆と納豆菌のスープを混ぜ合わせよう
水をよく切ったら、大豆を1.の大きめの容器に戻し、3.で準備しておいた納豆菌のスープと絡み合わせるようによくかき混ぜよう。この際に、余計な菌を殺すため、あらかじめ容器と混ぜるためのスプーンを熱湯消毒しておくことを推奨する。
手作り納豆が成功するか失敗するかは、この過程に大きく左右されるとぺぎぃは思っている。
よく大豆と納豆菌を絡め合わせないと、あとあと小瓶に分けたときに納豆菌がほぼ付着していない大豆の瓶ができてしまったり、水分が多すぎるとびちゃびちゃの豆になってしまう。
後は、作っていくうちに経験で学ぶしかないので、まずは試してみることである。ぺぎぃも最近では少なくなったが、大体7分の1の割合で、一つの瓶の納豆の粘り気が少なかったりすることがある。まだまだ修行中なのである。
6. 大豆を小瓶に分け、ヨーグルトメーカーにセットしよう
それでは、いよいよクライマックス!納豆菌付きの大豆を発酵させるため、ヨーグルトメーカーに入れるのである。
そのため、まずは、5.の大豆を複数の小瓶に分けていこう。比率が同じくらいになるように、大体分けていけばよい。なお、ここでも余計な菌を増殖させないため、小瓶をあらかじめ熱湯消毒しておくことをおすすめする。
次に、分け終わった小瓶をヨーグルトメーカーに並べていこう。
一つ注意点として:写真ではうまくわからないが、納豆菌は多少の空気が必要であるため、小瓶の蓋を完全に密封してはいけない。少しだけあけて置いたり、蓋と瓶の間に水分吸収用のキッチンペーパーを挟んでおいたりすることもよい作戦である。
最後に、ヨーグルトメーカーのスイッチを入れ、約24時間大豆を発酵させておこう。ぺぎぃは薄暗い場所に置いておくことにしているが、特に根拠はない。
24時間発酵させた後、小瓶の蓋をあけ、納豆の香りがするとともに、大豆の上に白い苔みたいなものが見えたら成功である。箸で混ぜて、粘り気を確認してみてもよい。
7. オクラを準備しよう
この章ではオクラを準備する方法について紹介する。まぁ、と言っても洗って切るだけなので特に特別なことはやらない。基本、これは納豆が出来上がった直後にやる作業であるため、6.の24時間が経過した後で行うとよい。
まずは、購入したGombo(オクラ)を軽く水で洗う。
そしてさらに、沸騰したお湯に数十秒漬けよう。これは、雑菌消毒の意味をこめてやっているのだが、あまり多くの時間漬けすぎるとグニャグニャになってしまうため、15~20秒ほどでよい。
8. 完成!
最後に、6.で出来上がった納豆と、7.で準備したオクラを好みの大きさに切り刻んだら、器に移して完成である。
納豆のタレに関しては、フランスのスーパーマーケットでも販売されているSauce soja(醤油) とMoutarde(マスタード)を使用してもよいし、マスタードが酸っぱすぎる場合はPiment(唐辛子)と混ぜ合わせても美味しくなる。
ぺぎぃの場合は、少し贅沢であるが、日本食品店で購入してきただし醬油と和風からしをしようし、ご丁寧に海苔までかけてしまっている。
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ぺぎぃさん、初めまして!
リンゴのタルトのレシピを見ていてこのページにたどりつきました!
実は、私の旦那様はフランス人、だけど私が全然フランス語が上達しないので
今では家族の会話は英語です。。英語もネイティブじゃないから家の会話は不思議な感じ。でも気持ちは伝わりあっているので、ま、いいかっ! じゃないんです。会話に入れずつまんないんです。。 ぺぎぃさんのHPに出会えたのでこれを機会に再チャレンジする事にします!
私は料理が大好きなので、料理でフランス語を覚えられたら楽しいなぁと思いました!次なる料理を期待しています!
これからも応援しています!頑張って下さい!!
Mokoさん、初めまして!
おおお!大変うれしいコメントありがとうございます!
料理系の記事は少し始めて見たものの、あまり需要がなさそうだったので止めていました。そのような応援のコメントをいただけるのなら、今後もまた増やしていきたいと思います!
それは日仏夫婦のあるあるですね!
ぺぎぃの周りの日仏カップルの人たちも、日本語とフランス語を混ぜた言語で話していたり、全て英語で話していたりと人様々ですが、皆さんお互いの言語を学びたがっている方が多いです。
Mokoさんのお役に立てますよう、頑張りますね!これからもよろしくお願いいします!(*^▽^*)
ぺぎぃさん、
はじめまして。
ヤフー知恵袋の回答を見て興味を持ち、こちらのページを
知りました。
もっと早く知っていれば私のフランス語の学習のストレスも
減ったかもしれません。
そのくらい素晴らしいです。ありがとうございます。
私は大学時代にフランス語を勉強した時に
男性名詞、女性名詞はひとつずつ覚えること、
アクサン記号もひとつずつ暗記、と言われて
挫折しました。
英語の参考書にはコツ、みたいなものが載っているのに
フランス語の参考書は不親切だな、と思います。
男性名詞、女性名詞の区別のコツ、はとてもとても参考に
なりました。
まだこちらの文法を拝見していないのですが、
アクサンについて説明して頂いているところもありますか。
eの上にアクサンがつくのは後に続くのが子音一つの時、と
思いましたが、crでもつきますよね。
ヤフー知恵袋で他の方に説明してもらって納得しましたが
アクサンシルコンフレックスなどにも規則はありますか?
よろしくお願いします。
luneさん、大変うれしいコメントありがとうございます。
アクサン記号は面倒ですよね。簡単に言えばアクサン・グラーヴ「è」は、次に「子音+ほぼ無音の「e」」が来る場合につけて、アクサン・テギュ「é」はそれ以外の場合で「エ」の音がするときに付けるものと考えればよいのではないかと思います。あとは、後ろに続くのが同じ子音が二つある場合にはアクサンは付けず、後ろに続く子音が言葉の最後の文字である場合にも付けません。
アクサン・シルコンフレックスは基本的に覚えるしかないと思います。結構特殊な例しか存在しないので。。。
例を挙げますと:
アクサン・グラーヴ ⇒ crève, problème, lumière (通常、言葉の終わりの「e」は無音のことが多いので、その前の「エ」の音はアクサン・グラーヴになります)
アクサン・テギュ ⇒ événement, écrire, échantillon
アクサン・なし ⇒ sauter, bilboquet, pied
アクサン・シルコンフレックス ⇒ forêt, être, prêter, embêter など
まだアクサンについて記事は書いていませんが、近日中に書いてみることにします。(*^▽^*)