フランス語には「Lequel」や「Laquelle」という複雑な単語が存在する。
これらの言葉は定冠詞の「le / la」と疑問詞の「quel / quelle」の組み合わせとして考えてもよいが、実は関係代名詞として用いることもできるのである。
そこで、この記事では「Lequel」や「Laquelle」の関係代名詞としての使い方について解説していくとしよう。
- 関係代名詞「Lequel」や「Laquelle」の使い方
- 関係代名詞「Auquel」や「A laquelle」の使い方
- 関係代名詞「Duquel」や「De laquelle」の使い方
目次
関係代名詞:「Lequel / Laquelle / Lesquels …」
1-1. 「Lequel」や「Laquelle」の使い方
解説
関係代名詞の「Lequel」や「Laquelle」は、AとBの2つの文を組み合わせた時、Aの文で既に発言された先行詞がBの文でも
「前置詞(※)+目的語」
として使われている場合に、先行詞の代わりに用いられる。
(※)前置詞が「à」と「de」の時には「auquel」や「duquel」になる。
おいおい、ぺぎぃよ!この説明じゃ何が何だかさっぱりわからないぞ!
…と思うのも無理はない。
言葉を並べただけでは少しわかりにくいので、一緒に例文を見ていくとしよう。
例えば、まずは以下のAの文とBの文があるとする。
A) Voici un stylo.(これはペンです。)
B) Peggy écrit tout le temps avec ce stylo.(ぺぎぃはいつもこのペンで書いています。)
一般的に「un stylo」と不定冠詞を用いているときには、「特定されていない一本のペン」を指すことになるが、今回はBの文、つまり「ぺぎぃが使っているペン」がAの文にも登場するとしよう。
すると、2つの文は以下のように組み合わせることが可能である。
A) + B) Voici un stylo. Peggy écrit tout le temps avec ce stylo. (これはペンです。ぺぎぃはいつもこのペンで書いています。)
ここでAの文の「un stylo」という部分は、Bの文で登場する「ce stylo」と同じペンのことなので、先行詞と言われ、関係代名詞を用いて簡略化することが可能になる。
またBの文での「ce stylo」の前には前置詞の「avec」が来ているため、関係代名詞「lequel」として置き換えることが可能である。
つまり、AとBの2つの文を合わせると:
A) + B) Voici le stylo avec lequel Peggy écrit tout le temps. (これは、いつもぺぎぃが書くのに使っているペンです。)
となる。
尚、今回は「un stylo」の部分が単数形の男性名詞だったため、関係代名詞「Lequel」を用いたが、女性名詞だった場合には「Laquelle」、複数形だった場合には「Lesquels」や「Lesquelles」となっていた。
性 / 数 | 単数形 | 複数形 |
男性形 | Lequel | Lesquels |
女性形 | Laquelle | Lesquelles |
「Lequel」や「Laquelle」を用いた例文
1. Pourrais-tu m’apporter le plateau sur lequel j’ai posé les verres? (コップを置いたプレートを持ってきてくれるかい?)
⇒ 「J’ai posé les verres sur le plateau」の「sur le plateau」の部分を、関係代名詞を用いて「sur lequel」と言い換えている。
2. Voici la maison dans laquelle je vis actuellement. (ここが今僕の住んでいる家です。)
⇒ 「Je vis actuellement dans cette maison」の「dans cette maison」の部分を、関係代名詞を用いて「dans laquelle」と言い換えている。
3. Nous avons enfin obtenu les résultats pour lesquels nous faisions tant d’efforts. (ようやく、あれだけ努力して目指していた成果を手にすることができました。)
⇒ 「Nous faisions tant d’efforts pour ces résultats」の「pour ces résultats」の部分を、関係代名詞を用いて「pour lesquels」と言い換えている。
1-2. 「Lequel」や「Laquelle」を用いる前置詞
ちなみに、「おまけ」というわけではないが、関係代名詞「Lequel」や「Laquelle」を用いるときに使われる前置詞についてまとめておこう。
とりあえず、わかりやすく言ってしまえば、
「de」と「à」以外の前置詞が用いられているときには、関係代名詞「Lequel」や「Laquelle」を用いることができる。
と考えてしまえばよい。
例を挙げるとキリがないが、「de」と「à」以外の前置詞には:
- avec(~と一緒に)
- sur(~の上に)
- sous(~の下に)
- par(~から)
- dans(~の中に)
- chez(〔人〕のところに)
- pour(~のために)
- sans(~なしに)
などがある。
場所や時間に関係する前置詞が用いられているときには、「lequel」や「laquelle」の他にも、関係代名詞の「où」を用いることがきる。
(例)
1. Je vais vous montrer la maison dans laquelle j’ai grandi.(私が育った家をお見せします。)
⇒ Je vais vous monter la maison où j’ai grandi.
2. A l’époque pendant laquelle Peggy était au Japon, il voyageait souvent avec Pegiko.(ぺぎぃが日本にいた頃は、よくぺぎこちゃんと旅行をしていました。)
⇒ A l’époque où Peggy était au Japon, il voyageait souvent avec Pegiko.
人について話しているときには、関係代名詞「lequel」や「laquelle」の代わりに、関係代名詞の「qui」を用いることがきる。
(例)
1. Voici le chef pour lequel je travaille.(彼が私が下で働いている上司です。)
⇒ Voici le chef pour qui je travaille.
2. C’est la personne avec laquelle je suis en colocation.(同居している人です。)
⇒ C’est la personne avec qui je suis en colocation.
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関係代名詞:「Auquel / À laquelle / Auxquels …」
2-1. 「Auquel」や「À laquelle」の使い方
解説
関係代名詞の「Lequel」や「Lesquel」は、前置詞「à」と組み合わせられたとき、「Auquel」や「Auxquels」になる。
これは、いわゆる「フランス語の特殊変換」の一つであるが、定冠詞の「le」が前置詞「à」と一緒に使われるときに「à + le = au」となるように、関係代名詞の「Lequel」や「Lesquels」も前置詞「à」と組み合わされると:
- 「à」+「lequel」=「auquel」
- 「à」+「laquelle」=「à laquelle」
- 「à」+「lesquels」=「auxquels」
- 「à」+「lesquelles」=「auxquelles」
と変換される。
表にまとめると以下の様になる:
性 / 数 | 単数形 | 複数形 |
男性形 | Auquel | Auxquels |
女性形 | A Laquelle | Auxquelles |
「Auquel」や「À laquelle」を用いた例文
1. Est-ce que tu te rappelles la fête foraine à laquelle nous sommes allés l’année dernière? (去年一緒に行った市のお祭りのことを覚えているかい?)
⇒ 「aller à la fête foraine」なので「à laquelle」となる。
2. Voici l’email auquel il faut répondre. (こちらが返信をしなければいけないメールです。)
⇒ 「Il faut répondre à l’email」なので「auquel」を用いる。「un email」は男性名詞。
3. Peggy se souvient toujours des concerts auxquels il a participé. (ぺぎぃは参加したコンサートのことをいつも覚えています。)
⇒ 「Il a participé aux concerts」なので「auxquels」となる。「un concert」は男性名詞。
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関係代名詞:「Duquel / De laquelle / Desquels …」
3-1. 「Duquel」や「De laquelle」の使い方
解説
関係代名詞の「Lequel」や「Lesquel」は、前置詞「de」と組み合わせられたとき、「Duquel」や「Desquels」になる。
さきほどの「auquel」や「à laquelle」と同じで、定冠詞の「le」が前置詞「de」と一緒に使われるときに「de + le = du」となるように、関係代名詞の「Lequel」や「Lesquels」も前置詞「de」と組み合わされると:
- 「de」+「lequel」=「duquel」
- 「de」+「laquelle」=「de laquelle」
- 「de」+「lesquels」=「desquels」
- 「de」+「lesquelles」=「desquelles」
と変換される。
表にまとめると以下の様になる:
性 / 数 | 単数形 | 複数形 |
男性形 | Duquel | Desquels |
女性形 | De Laquelle | Desquelles |
「Duquel」や「De laquelle」を用いた例文
1. Voici l’école en face de laquelle j’habite. (これが、私が住んでいる向かえの学校です。)
⇒ 「J’habite en face de l’école」なので「de laquelle」になる。「une école」は女性名詞。
2. C’est un chemin au bout duquel il y a une vue magnifique. (その先に素晴らしい景色がある道です。)
⇒ 「il y a une vue magnifique au bout du chemin」なので「duquel」を用いる。「un chemin」は男性名詞。
3-2. 注意:「Dont」と「Duquel」の使い分け方
解説
基本的に、単体の前置詞「De」がついている時には、関係代名詞「dont」を用いるほうが響きが良い。
前置詞が「en face de」や「à côté de」のように長い言葉の一部の時には関係代名詞「duquel」を用いる。
すこしややこしい話だが、前置詞の「de」が付く際には、関係代名詞の「dont」を用いると以前の記事で紹介していたことがある。
しかし、本記事では「前置詞の「de」が用いられているときには関係代名詞「duquel」や「de laquelle」を用いる」と言っているため、混乱してしまっている方がいるかもしれない。
実は、この二つの関係代名詞には使い分け方があって、
- 単体の「de」が用いられているときには、関係代名詞の「dont」を用いる。
- もう少し長めの「de」で終わる言葉が用いられているときには、関係代名詞の「duquel」や「de laquelle」を用いる。
と覚えておけばよい。
この「もう少し長めの「de」で終わる言葉」というのは:
- à côté de(~の隣)
- en face de(~の向かえ)
- en bas de(~の下)
- près de(~の隣)
- loin de(~から遠く)
- à propos de(~について)
- au cours de(~の間)
- au début de(~の始め)
- à la fin de(~の終わり)
- à l’intérieur de(~の中)
- à l’extérieur de(~の外)
などのことである。
「Dont」と「Duquel」を用いた例文
Est-ce que tu te souviens de l’histoire dont je t’ai parlé hier? (昨日話したことを覚えているかい?)
C’est le pingouin à côté duquel je me suis assis. (私が隣に座ったペンギンです。)
Est-ce que tu te souviens de l’histoire de laquelle je t’ai parlé hier? (昨日話したことを覚えているかい?)
C’est le pingouin à côté dont je me suis assis. (私が隣に座ったペンギンです。)
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【動画で学ぼう】フランス語の「Lequel」や「Laquelle」について~関係代名詞編
本記事の内容はぺぎぃのYoutubeチャンネルでも説明しているので、耳でもフランス語の発音を聞いてみたいという方は、是非以下のリンクからご覧ください。
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素晴らしい説明!dont とduquel/de la quelle !長年の疑問でした!ペギーありがとう😊
ERINCOさん、コメントありがとうございます!お役に立ててうれしいです!(≧▽≦)