【3歳半】フランス語の数字「2」と「12」の違いを聞き分ける|バイリンガル育児体験記⑰
さて、ぺ千代(ぺちよ)ちゃん育成日記の第17話である。
前々回の記事では、フランス語の否定文で「Oui」「Non」「Si」の使い分けに迷う話をした。
今回は、少し似たような感じで――フランス語の数字「deux」と「douze」の違いについて書いていこうと思う。
- フランス語の「2」と「12」は、なぜ聞き分けが難しいのか
- 聞き取りはできるのに、言葉にするのがまだ難しい理由
最近、ぺ千代ちゃんは時計の数字をよく見ていて、1から12までを完全に認識するようになってきた。
とはいえ、フランス語で11と12を言うのははまだ少し難しく、ぺぎぃは「これはちょっと苦戦しそうだな」と思っていた矢先でのお話である。
1. 「deux」と「douze」――聞き分けられているのに、言えない
今回の話の中心は、deuxとdouzeの違いだ。
フランス語では、たとえば「2」と「12」は、単語として見れば似ているように聞こえることがある。特に日本語話者には、
- deux(2)[dø]
- douze(12)[duz]
の違いが、音も近く、発音記号もやや複雑に見えるため、かなりわかりにくいのではないだろうか?
しかし、
親馬鹿ではないが、ぺぎぃが気づいたのは、ぺ千代ちゃんは聞き分けられているということだ。つまり、耳では違いがわかっているのである!
…ただし、まだ自分では完璧に発音できていない。(惜しいっ!)
聞き取れる = 違う音として認識している
…が、言えない = 自分の口で再現できていない
これは、言語習得の中でかなり大事な段階だ。
「違いがある」と知っていても、まだ自分の発音として出し切れていないのである。
2. ぺ千代ちゃんの「2歳」「12歳」――年齢のエピソード
実はぺ千代ちゃんは、自分の年齢を言うときに、かなり面白いこだわりがある。
現実の年齢は3歳で、彼としてもそれは正しく理解しているはずなのだが、ぺぎぃが「Tu as 3 ans?(3歳?)」と聞くと、ぺ千代ちゃんキレ気味に「違う!12歳!」と返してくるのである。
この理由は、おそらく先ほどの時計の話にある。
自分を大きく見せたいペ千代ちゃんは、時計板の中で一番大きな数字(つまり「12」)ですべてを語るのである。(自分は「12メートル」「12キロ」「(常に)12番」という具合である)
ぺぎぃ:Tu as trois ans?(3歳?)
ぺ千代:違う!12歳だの!!
しかし、ここで面白いのは、ペ千代ちゃんが日本語で言ったフレーズをフランスごで返すと、正しく理解するところである。このような調子だ:
ぺぎぃ:Ah bon! Tu as deux ans?(ああ、そうなんだ。2歳?)
ぺ千代:違う!2歳じゃなくて12歳!
ぺぎぃ:Tu as douze ans?(12歳?)
ぺ千代:Oui.(そうだよ)
ぺぎぃ:Deux ans?(2歳?)
ぺ千代:Non!! D**ze ans!(違う!**歳!)
ここで面白いのは、ぺ千代ちゃんはしっかりと「deux」と「douze」の違いを聞き取れてフランス語で反応してきているというところである。
自分では「D**ze」と今一どちらつかずの発音をしてきてはいるものの、ぺぎぃ何回かトラップを仕掛けたりして、言い間違えてみても(それこそペ千代ちゃんがブチギレるくらいやってもても)しっかりと「deux」と「douze」の違いを認識しているのだ。
聞き分けの実感
- ぺ千代ちゃんは「2と12の違いが聞き取れている」
- しかし、自分から言うときは「どっちともつかない中間音」が出る
スポンサーリンク
3. 聞き取れるけど言えないというギャップ
3-1. ペ千代ちゃんのケース(聞けているが、言えていない)
このケースは、言語習得の面でもかなり興味深い。ぺ千代ちゃんの場合、
- 耳では違いを理解している
- 口で再現するのはまだできない
という段階にあるようだ。
そして、ぺぎぃはここで一つ重要なことに気づいた。
ぺ千代ちゃんは、ほぼずっと日本語で返事しているのである。ぺぎぃ相手には稀にフランス語で返してくれることがあるが、ぺぎこちゃんを含め、ぺ千代ちゃんの周りの大人たちは基本的に日本語中心なのだ。
つまり、「正しい音を聞く」機会はあっても、「自分で使う」機会がまだ十分に与えられていないのだ。これは、環境面では致し方がないところである。
ポジティブに捉えれば「正しい音を認識できている」ということは、ぺぎぃとしては十分にフランス語を話してあげられているということなのだが、それでも日本語しか使わない環境で育つ子どもにとって、フランス語の発音の細かな違いは「聞く」段階と「話す」段階でかなり差が出やすい。
実際、ぺぎぃも10年ほど前に中国語を勉強してみたときに、同じような経験があった。
3-2. ぺぎぃが過去に中国語で体験したこと
ぺぎぃは以前、中国語の発音に触れていたことがあった。そこでの感覚は、今のぺ千代ちゃんのこととかなり似ている。
- 聞き取りはかなりできる
- でも自分から言うと、微妙なズレがある
→ 伝わることはあっても、相手が「違う」と感じることもある
こういう現象は、「聞こえてはいるが、話せるまではまだまだ」という状態だ。
大人でもこういうケースは多い。だから、ぺ千代ちゃんがまだ自分で言いこなせていないのは、決して「できない」のではない。
むしろ、ちゃんと違いに気づいていて、そこから伸びていく途中なのだ。…と父親ぺぎぃは信じている。
4. ぺぎぃの対策――「言い方を見せる」ことを大事にする
4-1. 正しい発音をたくさん聞かせる
では、話す機会が少ないペ千代ちゃんに対してどうすればよいのだろうか?
ぺぎぃが今試しているのは、ぺぎぃ以外からも「正しい発音を、たくさん聞かせる」ことである。
単に「これはdeuxで、こっちはdouze」と言っても、子どもはなかなか自分の口で再現しようとしない。
だからぺぎぃは、ぬいぐるみやおもちゃを使って、言葉の使い方を「感じさせる」ようにしている。
4-2. ぬいぐるみ大作戦
ぺぎぃは、ペ千代ちゃんと遊ぶときには、常にぬいぐるみを傍らに置いて、フランス語でのやり取りを聞かせるようにしている。
最近では、仕事で疲れているせいか、少しぬいぐるみ遊びをさぼりがちの時もあるが、ペ千代ちゃんのほうから「ぱんだとオラフを持ってきて!」とねだるようになっているため、半強制的にぬいぐるみたちとフランス語を話す環境を作ることができている。(しかも、ペ千代ちゃんは何故かぬいぐるみ相手にはフランス語で応答することが多いという摩訶不思議)
| 方法 | ぬいぐるみ同士で、日常のフランス語や数字のやり取りをさりげなく再現する |
|---|---|
| 狙い | ぬいぐるみ同士、あるいはペ千代ちゃん本人とのやり取りを経て、「聞き分ける」→「言ってみる」→「使う」の過程をゆっくりと辿る |
| ポイント | 日本語で説明せずに、フランス語の音の流れを自然に聞かせる 「日本語で何ていうの?」という質問に対しては、ぬいぐるみ同士でフランス語の押し問答をさせたり、図鑑を広げて回答するようにしている |
かっこいい言い方をするなら:ぺぎぃとしては、なるべくペ千代ちゃんが正解を暗記するのではなく、言葉の違いを体感して、自然に使えるようになることを重視している。
スポンサーリンク
まとめ:まだ言えなくても、ちゃんと「聞いている」
今回の話で一番大事なのは、ぺ千代ちゃんは「違いが聞こえている」ということだ。
「言えない」ことは、ただ単にまだ発音が未熟なだけであって、決して何もわかっていないわけではない。
むしろ、
- 違いに気づいている
- 聞き分ける力がある
- 自分の口で出す段階にまだ進んでいない
という、非常に健全な発達の過程なのだとぺぎぃは思う。
そして、こういう段階こそ、親がささやかに見守るべきなのである。
スポンサーリンク






