フランス語の豆知識

フランス語で「il s’agit de」とはどういう意味なのか?

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フランス語の中級レベルになると、テキストなどでもよく見かけるフレーズに「il s’agit de ○○」というものが出てくる。

しかし、辞書で調べてみても先生に聞いてみてもなかなかこのフレーズの正しい意味や使い方がわからないという方が非常に多い。

そこでこの記事では、フランス語の「il s’agit de ○○」の意味を一緒に見ていくとしよう。

本記事の内容
  • フランス語の「il s’agit que ○○」というフレーズの意味と使い方

まずは簡単な例文を挙げてみよう。

例えば、

Il s’agit d’un pingouin. (これはペンギンです。)

という文と、

Il s’agit de travailler. (働かなければなりません。)

という文。

この二つの文では、一見同じ表現の「il s’agit de」が使われているようだが、実は少し違う

注意してほしい点は、一つ目の文ではil s’agit de + 名詞」となっているのに対し、二つ目の文ではil s’agit de + 動詞(不定詞)」となっている点である。

これにより、「il s’agit de ○○」の表現の意味がかなり異なってくる。

早速一緒に見ていくとしよう。

ぺぎぃ
ぺぎぃ
心配しなくても、ぺぎぃが優しく説明していくよ!
フランス語の勉強に役立つ豆知識や便利な言葉など【まとめページ】このページでは、今までにぺぎぃが作成してきたフランス語の勉強に役立つ豆知識や便利な言葉、雑学的なことなどに関する記事をまとめている。興味がある方は是非とも参考にしていただければ嬉しい。...

フランス語で「il s’agit de」とはどういう意味なのか?

1-1.「Il s’agit de ○○」 = 「c’est ○○」(これは○○です)

使い方~その①

最も多くの場合、「Il s’agit de ○○」「これは○○です」「それは○○に該当する」という意味で使われる。

まず、真っ先に覚えたほうが良いのは「Il s’agit de ○○」というフレーズが出てきた場合、かなり高確率で単純に「これは○○です」という意味ということである。

これは実は「C’est ○○」「Ce sont des ○○」と殆ど同じ意味の表現だが、強いて違いを述べるとすると、「Il s’agit de ○○」の方が若干丁寧な言い回しで、どちらかというと改まった場で用いられるフレーズであるということ。

例えば、普段の日常会話では「C’est ○○」と表現する事柄でも、公共の場筆記などでは「Il s’agit de ○○」と表現することがあるのである。

「De quoi s’agit-il?」

他にも、便利なフレーズに質問系の「De quoi s’agit-il?」というものが挙げられる。

これも「Qu’est-ce que c’est?」「De quoi ça parle?」と殆ど同じ意味合いだが、どちらかと言うともう少しフォーマルな印象を抱くフレーズである。

ちなみに「Il s’agit de ○○」は非人称な表現であるため、仮に「○○」の部分が女性形の名詞だったとしても「Il s’agit d’une ○○」「Il s’agit de la ○○」と代名詞「il」を用いる。

「Il s’agit de ○○」 = 「c’est ○○」を用いた例文

1. Connaissez-vous le site internet de Peggy? Il s’agit d’un blog qui parle de la France et de la langue française. (ぺぎぃさんのウェブサイトをご存知ですか?フランスやフランス語に関するブログです。)
⇒ 直訳すると「それはフランスやフランス語について話すブログです」という意味。

2. Il s’agit d’un simple malentendu. (それは単なる誤解です。)
⇒ 割とフランス語で良く用いる典型的な「il s’agit」のフレーズ。

3. De quoi s’agissait-il? (何用でしたか?)
⇒ このように過去形で「il s’agissait」と用いることも可能である。その際、殆どの場合は半過去を用いる。(複合過去の「s’agir」は、ぺぎぃも聞いたことがない)

ぺぎこ
ぺぎこ
なるほど、なるほど。じゃあ、とりあえず「Il s’agit de」「C’est」の丁寧版と覚えておけば良いのね?
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうだね!必ずしも全ての場面に当てはまるわけではないけど、「Il s’agit de」は殆どの場合は「C’est」に置き換えられるよ。

1-2.「Il s’agit de ○○」 = 「c’est à propos de ○○」(それは○○に関することです)

使い方~その②

「Il s’agit de ○○」「○○に関することです」「○○のことです」という意味でも使われることもある。

1-1.で紹介した「それは○○です」とよく似ているが、「Il s’agit de ○○」という表現は、他にも「それは○○に関することです」という意味で用いることができる。

これは類義語で示すと「C’est à propos de ○○」と同じである。

例えば、1-1.の例文を用いると、

Connaissez-vous le site internet de Peggy? Il s’agit d’un blog qui parle de la France et de la langue française.

この文は、

A) C’est un blog qui parle de la France et de la langue française. (それは、フランスとフランス語について話すブログです。)

という意味として取ることもできるが、他にも

B) C’est à propos d’un blog qui parle de la France et de la langue française. (フランスとフランス語について話すブログのことなんですが。)

のような意味合いで取ることもできる。(当然、話の流れやその他の文脈にもよるが…)

このように、同じ「Il s’agit de ○○」でも意味が変わってくることがあるので、注意が必要である。

ちなみに「Quand」「Dès que」を付け加えて、「Quand il s’agit de ○○」「Dès qu’il s’agit de ○○」で、「○○のことになると」という表現も可能である。割とフランスではよく聞く表現である。

「Il s’agit de ○○」 = 「c’est à propos de ○○」を用いた例文

1. J’ai quelques soucis ces derniers temps. Il s’agit de la santé de mes parents. (最近いくつかの悩みを抱えています。両親の体調に関することです。)

2. Dès qu’il s’agit de dormir, Peggy est toujours là. (寝ることなると、ぺぎぃはいつもいます。)
⇒ これは言いかえると「寝ることに関すると、ぺぎぃは一流だ」みたいなニュアンスの文である。

3. Connais-tu l’histoire de Taro Urashima? Il s’agit d’un homme qui a sauvé une tortue et qui s’est fait conduire jusqu’à un palais sous l’océan. (浦島太郎の話を知っているかい?亀を助けて海の底の宮殿へ招かれた男に関する話なんだが。)
「Connais-tu Taro Urashima?」だけだったなら、「Il s’agit de」=「C’est」と訳すこともできたが、ここでは「Connais-tu l’histoire de Taro Urashima?」と話について尋ねているので、「Il s’agit de」=「C’est à propos」の意味になる。

ぺぎこ
ぺぎこ
何よ何よ!「C’est」と置き換えれば良いと思ったら、結局わかりにくいじゃないのよ!
ぺぎぃ
ぺぎぃ
そうかなぁ、割と「C’est」「C’est à propos」も結構近い気がするんだけど。あとは慣れの問題かな?

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1-3.「Il s’agit de ○○」 = 「il faut ○○」(○○しなければならない)

使い方~その③

「Il s’agit de + 不定詞」「○○をしなければならない」「○○をするのが重要である」という意味になる。

最後に、1-1.1-2.で紹介してきた使い方と比較すると、些か珍しい言い回しにはなるが、「Il s’agit de + 不定詞」「○○をしなければならない」「○○をするのが重要である」という意味として使われることもある。

これは、類義語として「Il faut + 不定詞」を挙げることができる。

フランスのニュースの記事などでもたまに聞いたり見かけたりすることがあるフレーズなので、めったに使わないにしても覚えておいて損はないだろう

「Il s’agit de ○○」 = 「il faut ○○」を用いた例文

1. Il s’agit de partir tout de suite. (すぐに出かけなければならない!)

2. Il s’agit de faire chacun des efforts. (各々が努力をするのが重要なのだ。)

3. Il ne s‘agit pas de faire semblant de négocier. (交渉をするふりをしているのではない。 = ちゃんと交渉しろ!)
⇒ このように否定形で「Il s’agit de + 不定詞」を用いることもできる。他にも「Il s’agit de ne pas faire semblant de négocier.」とも言える。

ぺぎこ
ぺぎこ
う~ん、これはなかなか難しいのよ…
ぺぎぃ
ぺぎぃ
まぁ、確かにこの表現はぺぎぃにとってもかなり難しいからね。すぐに使いこなせなくても問題ないと思うよ。ゆっくり覚えていこう!

【動画で学ぼう】フランス語で「il s’agit de」とはどういう意味なのか?

最近投稿している記事と同様、本記事の内容も、既にぺぎぃのYoutubeチャンネルで話している内容を若干アレンジして文字起こししてみたものである。

興味がある方は、是非以下のリンクから動画の方もご視聴ください。

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POSTED COMMENT

  1. まゆこ より:

    めっちゃわかりやすかったです。よく聞くフレーズですが、意味が全然わかっていませんでした。ありがとうございました!

  2. 豆子 より:

    Il s’agit deの説明、とてもわかりやすくて、ありがたい説明でした。
    ありがとうございました。
    ものすごく初歩的な質問で恥ずかしいのですが、s’agitのinfinitifを知りたいです。agirとか引いてみましたがわかりませんでした
    m(_ _)m

    • onsenpeggy より:

      豆子さん、コメントありがとうございます!
      「s’agit」のinfinitifは「s’agir」(代名動詞)です。おそらく辞書では「agir」を引いて、後半部分におまけとして付け加えられているのではないかと思います。(*^▽^*)

  3. ごまふあざらし より:

    ぺぎぃさん
    「Il s’agit de 〜」はメールなどに出てくる度に辞書を引くものの、いつも頭に残らないフレーズでしたが、動画とブログで70%くらいは理解できた気がします(^^;)
    残りの30%は自分で使いこなした後に足して、100%にしたいと思います!

    • onsenpeggy より:

      ごまふあざらしさん、コメントありがとうございます!

      それは良かったです。後は実戦のみですね!(*^▽^*)

      ぺぎぃ

  4. Poulie より:

    Bonjour! Ça fait longtemps je n’ai pas visité votre site. Merci pour votre explication ” Il s’agit de “.
    J’ai bien compris. Je continue d’étudier le français pour Delf B1. Mais un peu difficile !

    • onsenpeggy より:

      Bonjour Poulie-san,

      Merci pour votre commentaire.
      Je suis ravi que vous ayez bien compris!

      D’accord, vous visez le DELF B1! C’est un bon niveau pour commencer.
      Je vous souhaite un très bon courage! N’hésitez pas si vous avez des questions ou des difficultés. (*^▽^*)

      Peggy

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